高波謙二氏を新会長に選出、井出会長は最高顧問に、県日中友好協会定期大会(5/25)

 長野県日中友好協会は5月25日、第53回2015年度定期大会を長野市内のホテル国際21で開きました。県内各地から150人が出席して、昨秋の両国首脳会談以降光のさしてきた日中関係の更なる改善を目指して、民間交流・地方交流を粘り強くに続けて行くことを柱に新年度の活動方針を決定し、あわせて、井出正一会長の退任に伴い、高波謙二副会長を第6代会長に選出しました。井出会長は協会最高顧問につきました。

 西村源・県青年委員長の司会で大会がスタート。「永久の友情を」を県日中女性委員会のリードで全員で斉唱した後、山根敏郎副会長の開会あいさつに続いて、物故された先輩の皆様に黙祷を捧げました。
 
 井出正一会長は、「昨年11月の両国首脳会談まで厳しい状況が続いた。そうした中でもこの1年県協会や地区協会の訪中派遣や満蒙開拓平和記念館、映画「望郷の鐘」の取り組みなど成果をあげることができた。1月には河北省長が来県され30周年を祝賀するとともに新たな覚書を調印した。南京城壁修復20周年記念事業や河北省での緑化協力訪中団派遣が行われた。ようやく交流に明るさが見えてきた。本年は戦後70年、日中友好協会創立65周年にあたる。戦後70年と言える国は、世界でもまれで、今後とも平和を守っていきたい。安倍晋三首相が夏に発表する戦後70年談話は、村山談話を踏まえた発展的なものになって欲しいが心配もある。みんなで関心を持って注視していきたい。日中友好発展のために熱心な討議をお願いしたい」と述べました。

 続いて、中島恵理副知事は、日ごろの協会の活動協力に感謝した後、阿部知事が就任以来4回にわたり訪中し、河北省の張慶偉省長はじめ中日友好協会や関係者との交流を通じて相互信頼関係を深めてきたこと、その結果として、張省長一行を長野に迎えて、30周年を祝い、席上冬季スポーツと医療・介護、環境の3分野で交流協力を推進する覚書に調印したことなどを紹介しました。今後とも友好協会とともに地方民間交流にとりくんでいきたいと述べ協会の活躍に対し激励いただきました。

 議長に長江忠司(飯田)・吉谷美和(中野)の両氏、大会運営委員長に金子繁三・副理事長、役員選考委員長に中沢道保・副会長、大会書記に長澤保・山崎始の両氏、議事録署名人に竹内勲・宮沢信代の両氏を選出して議事に入りました。

2014年度の活動報告(布施正幸事務局長)、決算報告(市川淳子会計理事)、会計監査報告(田近勝之監事)を承認した後、2015年度の活動方針(西堀正司理事長)、予算(桜井佐七財政委員長)を採択しました。また、役員補充では中沢役員選考委員長の選考委員会報告を了承し井出会長の後任に高波謙二氏を選出しました。

本年度の活動方針では、戦後70周年、日中友好協会創立65周年記念事業を柱として、南京城壁修復20周年記念事業への参加、緑化協力県協会訪中団派遣、中国留学生ホームステイ受入れ70周年記念シンポジウムと記念の集い開催、協会65周年記念写真展、11月の友好訪中団派遣などにとりくみ、これらの活動を通じて、友好交流の再活性化、日中の相互信頼回復に力を入れて行くことを決定しました。

会長の交代で第6代会長に選任された高波新会長は長野観光自動車社長、会長を歴任。ながのコミュニティ放送社長も務めました。現在は県交通安全協会会長。2001年度まで、県内青年が船上で生活しながら中国河北省などを訪れた県主催の「信州青年洋上セミナー」の実行委員会会長として、県と友好提携をしている河北省をたびたび訪問しています。高波会長は就任あいさつで、「内外とも諸課題は山積みだが、先人が築き上げた友好を大事にし、民間交流を充実して友好親善に邁進したい」と述べました。

 井出会長は2002年、元全国農協中央会会長の堀内巳次先生から会長を引き継ぎ、日中関係が難しい中で県協会を指導、帰国者支援や緑化協力などに実績を残しました。今後県協会最高顧問として引き続き、協会をご指導いただきます。退任あいさつで「優れたスタッフや会員に囲まれ、有意義な13年間だった。高波新会長さんは皆さんの期待に応えるべく力を発揮してくれると思う」と話しました。

 意見発表では戦後70周年を迎えて歴史を語り継ぎ平和を発信していきたいと満蒙開拓平和記念館の寺沢秀文専務理事が発言。続いて、「先達が長年にわたって築き上げた成果を守り県民ぐるみの友好運動を展開し地方と民間の交流を進め日中関係の再構築に貢献していく。原点に返えり、日中不再戦・覇権反対・平和友好のために、あらゆる分野の心ある人々は連携して粘り強く歩んで行きましょう」との大会宣言(若月幸子・県女性委員会)と大会スローガン(藤沢淳一・県青年委員会事務局長)が採択されました。

 森田恒雄副会長の閉会あいさつで第1部は終了しました。

 第2部の祝賀パーティーでは、来賓として出席した汪婉参事官(中国大使夫人)が、井出会長の長年の活躍に感謝し、高波新会長の活躍に期待を述べました。また、日中関係が首脳会談以後好転の兆しを見せていること、中でも1月河北省長一行が全国に先駆け来県し友好提携30周年を祝ったことは長野県協会が県とともに地方民間交流を積極的に進めてきたことの成果として高く評価していることを強調しました。さらに5月15日の南京城壁修復20周年に両国友好協会や大学生ら400人が集い歴史忘れず未来を開いていくことを誓ったこと、5月23日には日本から3000人が参加した中日友好交流大会の席上習近平国家主席があいさつのなかで民間交流、若い世代の交流を発展させ理解と信頼を深め友情を育んでいく必要性を訴えたことを紹介しました。

 また、青木弘県民文化部長、篠原孝・小松裕(代)・井出庸生(代)・務台俊介(代)衆議院議員、小坂憲次(代)・若林健太(代)、倉田竜彦県日中議連会長、村石正郎・太田昌孝・今井正子・高島陽子・清水純子県議、王昌勝県華僑総会会長、山本晋司県国際課長、董彤県国際交流員(河北省)から激励の祝辞をいただきました。

 来賓として、王磊・中国大使館三等書記官、滝沢英一・県国際課課長補佐、朱丹陽・中国国際放送局長野孔子学堂責任者、倉石義人・長野市秘書課長、太田文敏・白馬村副村長、後藤正幸・信濃教育会会長、岡村重信・県経営者協会事務局長、井出康弘・県中小企業団体中央会事務局長、宮下弘行・県商工会連合会管理チーフリーダー、荒井英彦・県信用保証協会会長、井口弥須彦・信濃毎日新聞総務部長、酒井康成・松本歯科大学留学生課補佐、桜井啓司・県武術太極拳連盟会長らが、出席され激励いただきました。

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