<年頭ごあいさつ> 戦後70周年、平和友好の誓い新たに   

 長野県日中友好協会会長 井出正一

 昨年は新中国建国65周年という節目の年であったにも拘わらず、日中関係は尖閣問題と靖国参拝=歴史認識をめぐって対立したまま凍りついた状態が秋まで続きました。政治分野にとどまらず経済・文化・民間交流や地方交流にも深刻な影響をもたらしました。アジアと世界の安定と繁栄に大きな責任を有する両国の対立は、周辺諸国だけでなく多くの国々に不安と危惧を抱かせています。

 斯様な状況下でしたが県協会は、地区協会や関係諸団体の協力のもと、こんな時こそ民間の活動が必要なのだと恒例の継続事業を中心に日中友好の大切さを県民にアピールしてまいりました。地区協会では6月に上田日中が寧波市、軽井沢日中が承徳市へ、7月には須坂市日中が中学生交流を中心に四平市へ、8月には石家荘市の中学生20名が長野市へ9月には邢台市の代表団が来長、千曲市・岡谷市を訪問するなど逆境にめげない交流ができたこと、さらに満蒙開拓平和記念館の参観も開館以来10月までに5万人を超えましたし、映画「望郷の鐘」も上映の運びとなりました。関係各位のご努力とご熱意に心から敬意を表します。

 11月北京で開催されたAPECを機に漸く両国首脳会談が3年ぶりに実現しました。明るい兆しが見えてきたと考えたいのですが、わずか30分足らずの会談であり、合意された内容は双方に都合よく解釈できる箇所もあり、ガラス細工のような脆さを有しています。不測の事態を予防すべく連絡メカニズムのチャンネルを多方面にわたって制定し、それを制度化しつつ戦略的互恵関係を再構築する必要があります。

 今年は戦後70周年、日中友好協会創立65周年を迎えます。「戦後70年」といえる国はアジアいや世界においてもそう多くはありません。大切にしていかねばなりません。本部の計画している南京城壁修復20周年記念事業に積極的に参加し、併せて第3次内丘県緑化プロジェクトにも多くの会員の皆さんと参加できたらと考えます。

 新春には河北省の張慶偉省長を団長とする代表団が来県されることが、11月の北京での第2回知事省長フォーラムの席で阿部知事に表明があったそうです。私たち県日中としても心から歓迎したいと思います。

 今年も力を合わせて頑張りましょう。

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