<年頭にあたって>日中不再戦、平和友好を誓い、本気で中国と付き合おう

長野県日中友好協会 会長 井出正一

新しい年が佳い年でありますよう、特に日中関係が改善される年でありますよう願います。新中国建国65周年の年頭にあたって所信の一端を申し述べます。

日中間の尖閣諸島をめぐる領土問題の対立は、解決の兆しも見られぬまま越年となりました。両国首脳が就任して1年になるのに1度の話し合いもなく、更に中国による突然の、続いて韓国の「防空識別圏」の設定という厄介な事態が生じております。2008年5月の福田康夫・胡錦涛両首脳の「共に努力して、東シナ海を平和・協力・友好の海にする」とうたった「戦略的互恵関係の包括的推進に関する共同声明」はどこへ行ってしまったのでしょうか。

 更にまた、年末にかけては案じていた、安倍首相の靖国参拝という事態が発生しました。戦後50年に際して出された村山談話の精神を踏襲するとした第1次安倍内閣の方針から、大きく舵を切ってこれを無視して暴走して行くとしたら、アジアや世界から理解は得られず、中国や韓国との溝を益々深め関係改善の糸口は遠のき、大きく国益を損なって行くことになってしまうでしょう。非常に危惧せざるを得ません。

尖閣問題の影響は私達の民間交流にも及ぶところとなりました。長野県と河北省の友好提携30周年記念事業の柱として計画されていた中学生卓球交流大会は中止となり、記念大訪中団の派遣も実施できませんでした。そんな中で10月下旬漸く実現した阿部知事と張慶偉河北省長との初会談が、今後の両県省関係の発展の足がかりとなってほしいものです。

そのような困難な中ではありましたが、県協会は地区協会や関係諸団体の協力のもとに日中友好の重要性を県民にアピールしました。特に満蒙開拓平和記念館は4月オープン以来県内外から大きな反響を呼びました。また強制連行中国人殉難者の慰霊祭、村山元総理を招いての記念講演などにとりくみました。いずれも日中不再戦と平和を改めて誓い、村山談話の精神を確認する貴重な機会となりました。合わせて、河北省邢台市内丘県での緑化協力、スキー交流訪中団の派遣と白馬での中国女子ジャンプ訓練隊の受入れ、中国人留学生のホームステイ、大使館や留学生・帰国者を招いての日中友好スキー交流会、日中友好キャンプなど可能な限り交流活動を進めて参りました。

日本と中国は地理的、歴史的、文化的、経済的に切っても切れない関係にありますし、アジアと世界の安定と繁栄にも大きな責任を有しています。とするならば私たちは好き嫌いではなく、本気で中国と付き合うべきであります。両国政府指導者に対しても、また両国民に対しても強く訴えていきたいと思います。

本年もこの姿勢・方針で臨もうではありませんか。

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