2012年、日中国交正常化40周年を相互信頼醸成、友好協力発展の年に
 
                                       長野県日中友好協会事務局長 布施正幸

  2012年の新春を迎えました。1年間の友好活動のご貢献に敬意を表し、県協会の諸活動へのご支援、ご協力に心より感謝申し上げます。

 昨年は辛亥革命100周年、満州事変80周年に当たりました。歴史を回顧し、日中不再戦・平和友好をすすめようとの決意のもと歩み始めました。一昨年の尖閣沖事件の影響から厳しいスタートとなりましたが、関係者の努力により徐々に関係修復が進みつつありました。そんな中、3月の東日本大震災は日本と世界を揺るがす大きな出来事でした。中国の支援は友好の大切さを思い起こさせてくれました。

 唯一の超大国として世界に君臨してきたアメリカの衰退、ヨーロッパの財政危機、新興国の台頭など国際情勢の激変が進みました。相互の力関係が大きく変わりつつあります。20世紀の2度にわたる世界大戦前夜の状況との類似を指摘する識者もいますが、人類の英知を持って「かつて来た道」を歩んではならないと思います。GDP世界第2位、外貨準備高世界1位と台頭著しい中国ですが、「中国はあくまで平和発展の道を歩み覇権を求めない」(戴秉国・国務委員)この決意が注目されるところです。我が国としても対米一辺倒、反中国の思潮に押し流されることなく冷静に日中の戦略的互恵関係を確認し、両国と両国国民の相互信頼関係を醸成し安定的な日中友好協力関係を築いて行くべきとの思いを強くした一年でした。世論調査によれば中国に対する親近感も一定の好転を見せております。野田総理の訪中も実現しました。首脳の相互訪問の再開は国民感情の好転にも資するものと期待されます。

 県協会は昨年一年、地区協会や関係諸団体の協力のもと、東日本大震災義援金の取り組み、佐久と安曇野の協会設立、緑化協力プロジェクト・河北内蒙訪中団派遣、中国青年代表団受入、第21次中国留学生ホームステイ実施、人民中国読者会設立、満蒙開拓歴史パネル展県内開催、100周年・講演と記念のつどい開催、阿部知事訪中と北京での長野県観光ピーアール協力、石家荘市との友好都市30周年記念行事への協力、北京放送局開局70周年記念大正琴訪中団派遣、日中友好スキー・キャンプの実施、中国語講座・スクーリング・スピーチコンテストの実施、帰国者への理解を深める県民のつどい開催、日中関係を考える連続市民講座開催などに取り組みました。組織・財政問題など課題はたくさんありますが、貴重な歩みを刻んだ1年でありました。

 本年は日中国交正常化40周年にあたります。歴史の教訓を思い返し、「日中両国が争えばお互いが傷つき、和すればお互いが幸せになる」この真理を想起したいと思います。法的戦争状態に終止符を打ち日中新時代を開いた日中共同声明と覇権反対を明記した日中平和友好条約、そして21世紀の日中の戦略的互恵関係推進をうたった新日中共同声明。これらの原則を踏まえ、日中不再戦、平和友好の大切さを胸に刻み、協会も官民協力して相互信頼醸成と友好協力発展のため、青少年交流、スポーツ・文化交流や環境保全などの様々な分野でねばりづよく積極的に交流を進めてまいりたいと存じますまた県や市町村が進める中国からの観光客招致活動にも協力していきたいと思います。(2012.1.1)

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