2011年を敵対ではなく、相互信頼回復・平和友好・協力発展の年に

                                        長野県日中友好協会事務局長  布 施 正 幸


 昨年は日中友好協会創立60周年に当たりました。10月の北京人民大会堂での記念祝賀会には全国1200名の仲間とともに長野県から175名が参加しました。協会は設立当初からさまざまな困難を乗り越え、大多数の国民の願いをバックに日中不再戦・平和友好を掲げてさまざまな活動を進めてきました。先達の思いを胸に新たな60年に向かって歩んで行くことを決意しました。

 また、県協会として中国雑技団長野公演、「周恩来と日本」展、60周年記念講演と祝賀のつどい、中国留学生ホームステイ、中国高校生受入など諸事業を関係各位のご協力をいただき成功裏に実施することができました。中国国際放送局と提携しての長野ラジオ孔子学堂中国語講座も第3期を迎え、事務所も4階に移転し展示ホールなどができました。組織・財政問題など課題はたくさんありますが、貴重な歩みを刻んだ1年でありました。

 建国60年余を経過した中国は、歴史的転換点にあって急速な変化と発展を遂げており、多くの矛盾や困難を抱えながらも、外貨準備高世界1位、GDP第2位、世界経済再生の牽引車としての役割を期待されるなど国際社会における比重を高めております。

 日中関係は、尖閣沖での漁船衝突事件を契機に大きな困難に直面しました。両国の国民感情も大きく損なわれました。
 世界がまさに激動の時代に入り、各国間相互の力関係が激しく変化しているなかで、日本はアメリカ一辺倒、反中国路線を突き進むべきでなく日中関係の安定と発展を希求しアジアと世界の平和と繁栄に貢献して行くべきでありましょう。一昨年の日本の対外貿易は対中国20%、対アメリカ13%であり、長野県の中国進出企業は450社・670件あまりに達しており、経済的には運命共同体となっていることを冷静に押さえておくことが必要でしょう。

 本年は満州事変から80周年になります。歴史の教訓を今こそ思い返し、日中両国が争えばお互いが傷つき、和すればお互いが幸せになる、この真理を胸に刻み、両国国民間の信頼関係を回復・増進させていく任務が両国の心ある人々に課せられています。地政学的に引越しの出来ない間柄にある日中両国と国民は、叡知を傾け、この間の試練を乗り越えて相互信頼と戦略的互恵関係を推進して行くことが期待されます。私たちも協会創立の原点に立ち返り、先達の日中不再戦・平和友好協力・共同発展を目指して、青少年交流や環境保全などの様々な分野で交流を進めてまいりたいと思います。

(2011.1.1)



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