<新春友好メッセージ>

  日中友好の井戸を掘ろう

 
    長野県日中友好協会会長 井出正一


 明けましておめでとうございます。
 長野県と河北省との友好提携20周年の昨年、諸々の記念事業、SARSに対する見舞い予防支援金へのご参加ご協力、その他それぞれの立場で日中友好のために活動下さった皆様に感謝と敬意を表します。
 さて、新しい年はどんな年になるのでしょうか。
 知友のコラムニスト早野透氏が、昨年11月15日の「朝日新聞」に、ケネディ米大統領が暗殺された40年前の思い出と共に、当時国防長官だったマクナマラが30年の沈黙を破って告白した反省の書「マクナマラ回顧録−ベトナムの悲劇と教訓」(共同通信社)のなかで、彼が長い論考の後挙げた失敗の理由を紹介しています。@アメリカに対する「共産主義」の危険を誇張した。A南ベトナムの政情への誤解。Bベトナム人のナショナリズムの強さへの過小評価。C米政府内の専門家の不在。D人民戦争に対するアメリカのハイテク兵器の限界。E弱みを見せたくないばかりに議会と率直な議論をしなかった。F国民の結束した支持の欠如。Gアメリカも全知全能ではなく他国をアメリカの好みで作り上げる権利を持っていないことに気づかなかったこと。Hアメリカは国際社会が支持する多国籍軍と一緒に行動すべきだった。I人生の他の側面と同様、国際問題にもすぐに解決できない問題があること。J政府トップでよく議論しなかったこと。
 「アメリカがベトナムに負けたのは当然だったかもしれないけれど、いま世界がテロリズムに負けるわけにはいかない。かといってただ軍事制圧をしようとしても勝てるとは思えない。やはりテロの土壌をなくすたゆみない平和努力が必要なはずである。・・・マクナマラの悔恨に学びたい」と結んでいます。
 誰よりも学んでほしいのは、ブッシュ大統領と小泉総理だが、日中友好を志す我々も心すべき教訓ではないでしょうか。
 今年もみんなで力を合わせて「日中友好」の井戸を掘りましょう。


友好の絆を強めアジアの平和に貢献しよう

          長野県日中友好協会理事長  西堀正司

 昨年は、日中平和友好条約締結25周年、長野県と河北省友好提携20周年の節目の年でした。会員と役員の皆さんが、熱心に友好活動を行いその役割を大きく発揮されました。心から感謝と敬意を申し上げます。
 県協会は、春に発生した新型肺炎SARSに対処し、全国本部の呼びかけに応えて支援活動に積極的に取り組み、二百数十万円の義援金を集め、河北省の関係当局に贈呈し大変感謝されました。10月には、100名の長野県日中友好の翼を河北省に派遣し、白書記・季省長をはじめ省代表と会見し祝賀会に出席しました。数年前から続けている緑化協力事業も地元農民と共に行い、思い出深い行事が、成功裏に終わりました。代表団は北京の人民大会堂で、王兆国全国人民代表大会常務副委員長と会見しました。王氏は元青年連合会主席、中日友好21世紀委員会主任、党中央書記、福建省長等を歴任、現党政治局員で私も過去何回もお会いしているので特に親しみを感じました。若々しく活躍されている王氏は第4世代のリーダーの一人です。
 さて中国は、本年建国55周年の節目の年です。改革開放以来25年、経済は発展し社会状況も大きく変化しています。北京オリンピックまであと4年と近づいてきました。高度成長も引き続いていくでしょう。
 私達協会は、民間の友好団体としての特徴を生かして事業を展開していきたいと思います。
 日本と中国の友好は、日本の基本的な安全保障のかなめです。東北アジアの不安定な状況は、日中両国ばかりかアジアの発展にとって不利になります。日中両国の絆を強固なものにしなければなりません。そのために、相互理解の運動を強化し、協力と相互利益のために更なる努力をしたいと思います。
 正しい歴史認識を学ぶと同時に、青年、女性の運動への参加を促進し、組織拡充のための路線を強化したいと思います。
 本年もよろしくお願い申し上げます。

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