(社)日中友好協会新年会における平山郁夫会長のあいさつ
「条約25周年にあたり日中両国の友好協力関係を希望に溢れたものにするため各界の指導的立場にある人々は、有益なことを積極的に行い、妨げになることは決してすべきでない」と強調

1月23日東京の如水会館で行われた(社)日中友好協会新年会の席上、主催者を代表して平山会長は次のようにあいさつしました。

 本日は、お寒いなか、またご多忙にもかかわらず、大勢の皆さまにご出席をいただき、厚くお礼申し上げます。
 2003年の新春にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。新しい年が、皆さまにとって良き年でありますよう心よりお祈りいたします。
 昨年十一月、世界中のマスメディアの目が、北京で開かれた第十六回中国共産党大会に注がれました。私は十一月二十二日に北京で、(社)日中友好協会代表団の団長として、政治局常務委員に就任されたばかりの曽慶紅氏とお会いいたしました。私は党大会後にはじめて常務委員と会見する外国人ということでした。一時間二十分にわたる会見を通じて、中国の新しい最高指導部が日本との協力関係を発展させたいと強く願っていることに、私は深い印象を受けました。
 今年は日中平和友好条約締結二十五周年にあたります。日中両国が友好関係を強め、発展させる究極の目的は、アジアの平和を確立することです。この目標に向けて一致協力して取り組むならば、アジアの平和の確立を妨げる要因や紛争を、未然に防止することも可能となります。こうした日中関係のもつ重要性を真に認識するなら、両国の間に共存共栄の道が開け、両国政府の間には、協力の基礎となる相互信頼の基盤も築き上げることができると思います。
 私たちは、「歴史を直視し、未来に目を向ける」精神で、両国民の相互理解と相互信頼を増進し、二十一世紀における日中両国の友好協力関係を希望にあふれたものにするため、たゆまず努力していくべきです。
 各界の指導的な立場にある人々、とりわけ政府の最高責任者は、そのために有益なことを積極的に行うべきであり、反対に、その妨げとなるようなことは決してすべきではないと考えます。

 私たちは、本日の通常総会で、この条約締結二十五周年の今年を、昨年に続いて日中関係を発展させる好機と位置づけ、若い世代の交流を軸にした多彩な民間交流活動を行っていくことを柱とする、新年度の事業計画を決定いたしました。
 そして、八月に東京へ中国の要人をお迎えし、さらに、十月には北京に日中双方の各界の人々がつどい、それぞれ盛大な二十五周年記念行事を行うため、ただちに準備を進めていくことを確認いたしました。
 私たちは、国民各層の人々と手を携えて、これらの事業を推進し、日中民間交流を発展させていくとともに、全国の協会組織のいっそうの充実と拡大を図ってまいります。ご在席の皆さまがたのご支持とご協力を心よりお願い申し上げます。
 終わりに、ご出席の皆さまのご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げて、私のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。

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