私がガーデンニングを始めたひょんなきっかけ

このところ私もガーデニングとやらに大いに興味が湧いてきました。とはいっても、私の場合は主に庭の造形的デザインといった面に関心を持っていて、個々の花や木々のことは、もっぱら妻に任せています。色々な方のガーデニングのホームページをのぞいてみると、その多くは様々な花のトピックで持ちきりのようで、私のような者がガーデニングだといってホームページを始めるのは、ちょっと気が引けます。

しかし、花や木々を植えるのも、庭という大きな舞台の中に配置をして育てるわけですから、この舞台の出来不出来が、花や木々をいっそう魅力的にしたり、貧弱に見せたりするのではないかと思います。その意味から、私が関心を払っている庭の造形面も、ガーデニングの主要なパートを占めているといえるのではないでしょうか。そんな考えから、私のつたないガーデニングの試みを、少しずつ発表してみようかと思うようになりました。

ピアノ教師の仕事に追われている私は、それまで庭にはある程度関心があったものの、自分が何をするということはほとんどありませんでした。そんな私が突然ガーデニングにのめり込んだのには、二つのきっかけがありました。

その一つは、一昨年のことですが妻の方から、サンルームの先にウッドデッキがほしいという希望が出たことです。私もウッドデッキには、あこがれにも似たようなものがありましたので、これにはさっそく賛成しました。「これで近いうちに我が家にもウッドデッキができるぞ!」としばらくの間はほとんど信じ込んでいました。しかし、どんな形のどんな大きさのウッドデッキを作ってもらったらいいのか、とにかく庭に出て測ってみることは必要だろうと、メジャーを持って実際に測ってみました。

しかし、測ってみると、頭の中だけで描いていたイメージとはずいぶん違うものです。もともと狭くて細長い我が家の庭のことです。それなりに使い勝手のいいウッドデッキをつけるとなると、庭のほとんどのスペースを占領してしまうことが分かりました。庭の全てをウッドデッキで覆ってしまうようなデザインを、本の中で見たことはあります。とはいっても、そんなふうにして地面の上を歩くスペースが制限されてしまったり、地面が途中で遮断されてしまうような設計は好きになれませんでした。これは、本気になって庭のデザインを考え始めないことにはどうにもならないな、と思い知らされたことが一つの動機になりました。

もう一つは、80歳を過ぎて急に足の衰えを見せ始めた父の姿を見たことです。誰でもそうだと思いますが、私はこの歳になっても(とうとう妻も私も五十路を超えて、二人併せてゆうに百歳を越えてしまいました)自分の足があれほど衰えることなどつゆとも考えたことがありませんでした。しかし、健脚が自慢であった父の足取りが、急速に衰えるのを目の当たりにして、ガーデニングを楽しむなら足が衰えてからでは遅すぎる、と思い知らされたのです。とにかく、今すぐ始めるしかない。そう思いました。

皆さんがガーデニングにのめり込む動機は、私の例とはおそらく違ったものかもしれません。でも、私の場合はこんなことがきっかけになって、私の妻でさえ想像できなかったほど、ガーデニングに強い関心を持つようになったというわけです。私の家の庭は巾は狭いけれど、その代わり長さの点ではけっこう奥行きのある庭です。このような特長を活かして、「道なりにストーリーが変化していく庭」というのをテーマにして、デザインを考えることにしました。洋風ガーデンの方の設計は、パーゴラやレンガの水場、イタリアンタイルのテラスやレンガの池等、細かい寸法を含めて全て私がデザインしました。和風の庭の部分も、私たちの考えを庭師に細かく伝えて作っていただきました。そんなふうにして生まれた庭ですので、これが私たちの庭だという満足感があります。こんな私たちの試みの数々が、皆さんの関心を誘うことができれば、とてもうれしく思います。また、私たちの庭造りのアイディアや経験が、皆さんのガーデニングの何かのヒントになれば、この上ない幸せです。

それでは我が家の庭を散策ください


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