2日目 〜北の大地との出会い〜
目が覚めると時計は5時。まだ窓の外は暗い。 ぐっすりと眠れたとは思わないが、列車の振動がどこか心地よく、目覚めは良かった。 昨日の遅れがあって、函館に着いたのが午前6時前。 通常は、ほとんどの乗客が夢の中の時間。 帰りの列車でもあったのだが、函館では、列車の進行方向が変わる。 今まで最後尾の車両だったのが、この駅で前に気動車が連結され、最前車両になった。 鉄道路線図を見てわかったのだが、この函館がスィッチバックのごとく、入り込んでいるところにあるかららしい。
6時を過ぎて、車内の明かりが点き、アナウンスが始まった。 しっかり1時間半遅れたまま到着するようだ。 6時半から食堂車がオープンすることを思い出し、入れなくても弁当でも買おうかと覗いてみた。 オープンと同時くらいに行ったものの案の定ほとんどの席は埋まっていたが、合い席ならということで、座ることができた。 数食に限られているという和食を注文。1,600円の朝食は大きめのお弁当という感じ。 それでも、窓から内浦湾を望みながら、列車に揺られながらあたたかいご飯を食べ、食後にコーヒーが飲めたのだから・・・と勝手に納得した。 |
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特急への乗換駅、南千歳駅に10時前に到着した。
道内切符購入のため、新千歳空港駅へ。 北斗星のおかげ?で予定していた特急に乗れず、次の列車まで2時間も空いてしまった。 急ぐ旅ではないので、2時間後の指定席を確保し、新千歳空港内を見てまわることに。 |
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さすがに北海道の空の玄関という空港だけあって、広く、オフシーズンというのに人も多い。 空港内には、飛行機の歴史を紹介した展示物が置かれ、ちょうどスタンプラリーが行われていた。
折角時間があるのだから・・・と、16箇所を回ることに。 回り出して気が付いたのだが、この空港が結構広い、そして複雑。 結局1時間以上もかかってしまい、やっと最上階に来たと思えば『デッキは冬季間閉鎖』の文字。雪のことを考えれば当然。しっかり屋内からもスポットは見ることができるので安心した。
スタンプラリーのゴールである飛行機グッズのショップで時間を費やしてしまい、気が付けば列車の時間が迫っていた。 お昼は、空港内で札幌ラーメンでも食べてと思っていたものの、結局時間が無く、南千歳駅まで戻り、誘惑に負けて2回目の駅弁となる。蟹のたっぷり入った弁当で北海道に来たことを実感した。
南千歳から乗った特急『スーパーおおぞら』は、振り子電車らしく、揺れも少なく車内はきれいで、広い窓から見える北の大地は真っ白で、空の青とのコントラストが美しい。 釧路までの3時間。北海道らしい風景をたっぷり見ることができた。 数年前、バスで道内を移動したときは、あまりに変化の無い景色にうんざりしたものだが、さすがに列車は早い。 |
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午後3時を過ぎて、釧路に到着。 午後は釧網本線で、釧路湿原を・・・と思っていたものの、この時間では出掛けることもできず、諦めてホテルへチェックイン。 タクシーの運転手に聞いたら、今日はかなり暖かいとかで、厚着で動いていたら汗をかいたほど。ホテルの中も部屋全体が温まっているかのようで、きっと断熱がしっかりされているのだろう。乾燥を防ぐために加湿器が置いてある所などはありがたい。 |
シャワーを浴びて少し休んだ後、夕食に出掛けた。 ホテルの近くのフィッシャーマンズMooとかいう施設を覗いてみたものの、オフシーズンだからだろうか、観光客も少なく、飲食店も工事中だったり。 釧路川に掛かる幣舞橋周辺を見て回ったが、夜景がきれいだったほかは、見る施設もないようなので、目に付いた居酒屋で夕食とした。 北海道らしいものをしっかり食べたかったが、これというものがなく、早めに切り上げる。 |
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居酒屋を出たところに旅のガイドブックに載っていた寿司屋を見つけ、思い切って入ってみた。 「いわし屋太平」という店。 寿司の上に甘酢で漬けた大根の薄切りを乗せた『霧寿司』が有名。 夕飯というには寂しかったので、霧寿司のセットである夜霧寿司を注文してみた。 鰯や鯖など海の幸、なぜか牛肉まで一緒だったが、大根の薄切りがあっさりとさせていて、おいしかった。
それにこの店の大将がなかなか気さくな感じで、長野から丹頂鶴を撮りに来たことを話すと、釧路湿原の話をしてくれた。冬でも凍らない釧路川のことや、内地(本州)の魚とは比べ物にならないほど大きな魚がつれる話。お客さんが撮影した写真も見せてくれた。 「鶴を撮るなら列車で茅沼駅へ行こうか、それともバスで鶴居の方がいいかな?」と尋ねると、「茅沼駅の鶴は数羽だから貴重だけど、鶴居の鶴見台はありがたくないほど居るよ。レンタカーで回れば一日で湿原を一周できるよ。」と教えてくれた。 後から来た夫婦のお客も巻き込んで、楽しい夕飯になった。 はじめから、あの店に行っていたら・・・と後悔する。 |
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