Leukerbad・Burgerbad(ロイカーバート温泉・ブルガーバートの湯?)
海外の温泉第1弾
マッターホルンを前に大感激!!!!■海外の温泉ってどうなのよ?

日本人ほど温泉に慣れ親しんだ国民はいないと思うが、日本以外にも世界各地に温泉がある。

中でもヨーロッパの温泉は充実している。バーデンバーデンが有名なドイツ、また、ミネラルウォーターで知られているエビアンはフランスの温泉地なのである。

ヨーロッパの温泉の歴史は古く、娯楽のためではなく、医療用として利用されてきた。現在では、レジャーの一つとなって温泉地全体がクア・ハウスを中心 に、ホテル、レストランなどで整備されている。


■スイスの温泉

あまり知られていないが、今回訪れたスイスにも19ヶ所の温泉地がある。日本で温泉入浴を趣味とする私としては、海外の温泉事情についても調査しな ければならない。せっかくスイスを訪れたならば、温泉に入浴しないわけには いかないだろう。

ロイカーバートは、スイスのアルペンリゾート、インターラーケンとツェルマットの中間に位置する、スイスでも有数の温泉リゾート地。日本人にはあまり知られていないスイスの温泉だが、「地球の歩き方」などのガイドブックにはちゃんと紹介されている。

ロイカーバートを訪れたのは、7月2日。11日間のスイス旅行の終盤8日目である。ジュネーブ−グリンデルワルト−ツェルマットと移動してきた我々の旅の目的は、アイガーやマッターホルン周辺でのトレッキングだったが、毎日歩き続けたためにいよいよ疲労が蓄積してきた。

■ロイカーバートへ

ロイカーバートで温泉に入浴することは、出発前から予定していたが、妻が連日のトレッキングによる膝の痛みを訴えていたので、1泊してゆっくり療養することにする。往復の航空券と初日のホテルしか予約していない、自由な旅なので、いつ、どこで泊まろうが自由だった。

ローヌ谷のブリーク駅からベンツのバスに乗り換え約30分、終点がロイカーバートである。この区間はスイスパスでフリー。バスの乗客はほとんどが温泉への客だが、年齢層は高いようで、車内を見渡すと白髪の頭しか見えなかったのが笑えた。

ロイカーバートに着いたのはちょうど正午頃だったが、バスターミナルの周辺はあまり人の気配がなく、とても静かだった。早速バスターミナルの隣の観光局(観光案内所)で今夜の宿の手配をする。英語で話したが、窓口のお姉さんは、あまり英語が得意でないよう。このあたりはドイツ語圏なのだ。

紹介してもらったのは、二人で1泊9,000円程度の部屋。バスターミナルから 歩いて10分ほどだろうか。部屋は豪華ではないが、十分である。スイスで3ヵ所めのホテルだが、慣れてきたせいか、安くて良い部屋を見つけられるようになった。

部屋で一服してから、歩いて近くの温泉センターに行くことにする。スイスでは、温泉付きのホテルは、一部の高級ホテルだけで、温泉センターを利用するのが普通らしい。フロントで割引券をもらった。

■温泉施設「ブルガーバート」

我々が向かったのはロイカーバートに5ヵ所ある公共の温泉センターの中で1番大きなブルガーバート。どこの温泉センターも、日本人が想像する温泉の情緒はなく、いわゆるクア・ハウスで、水着を着なければ入れない。入浴料は約1,200円。

更衣室は男性用・女性用の表示がないので戸惑ったが、1ヶ所しかなく、男女共用だった。中に試着室のような個室があるので、裸の女性を目撃することはなかった。受付で料金と引き換えにもらったカードがロッカーの鍵になっている。

この温泉センターの建物は3階建だが、地形をうまく利用して屋外に温泉のプールが段々に二つ、屋内に同じく温泉の25mプールと子供用プールがある。屋外のプールでは、アルプスの山々を眺めながら入浴できる。ちょうど山に日が沈むところで、空の色が青からオレンジ色に変化していった。

周りを見渡すと、客の年齢層は高いが、家族連れもいる。泳いでいる人はおらず、ジャグジーでぶくぶくとやっている。屋内プールではゆったりとした音楽にのって、みんなでストレッチ体操をしている。まさに療養という言葉がふさわしい。

■温泉としての評価は

プールの水温は35度くらいだろうか。かすかに硫黄の匂いがする。日本の温泉に入り慣れていると、こんなに薄い温泉では効き目がなさそうである。温泉というより、温泉の成分の入ったお湯である。こちらの人にはこれが普通なのだろうが。

プールのそばには洞窟風呂のようなものもあって、そこだけは源泉がそのまま使われていた。お湯の色は茶褐色で、硫黄の匂いが強い。ただ、閉め切られているのでサウナのように暑く、10分もいられなかった。

19時で閉館になるらしく、みんな帰りだした。我々は3時間ほど入っていたが、トレッキングの疲れも取れたようなので帰ることにした。温泉客の年齢層が高いので、夜も静かである。食事をして、さっさとホテルに戻った。

翌朝9時のバスで、町へ下った。グリンデルワルトやツェルマットでは、日本人の団体客にうんざりしたが、さすがにここまで来る奇特な日本人はいないようで、ロイカーバートでは1泊2日の間、日本人に一人も会わなかった。

ロイカーバートの温泉は、温泉というよりプールだったので、日本の温泉で私が重要視している風情はなかった。しかし、雄大なスイスの山々を眺めながら温泉に入浴できたことは、温泉好きとして、大満足。スイスの旅は有終の美を迎えた。

【入浴日】 1999年7月




  



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