レタス   2002/9/16

レタス畑レタス

植物としてのレタス

レタスの原産地

野菜としてのレタス

レタスの栄養

レタスの食べ方

レタスの見分け方

レタスの栽培方法

レタスの統計情報


植物としてのレタス
キク科アキノノゲシ属 LACTUCA
チシャ     Lactuca sativa


近縁のニガナ属を含め約100種あり南アメリカ及びユーラシアの温帯から熱帯地域にかけて分布している。
この属は、タンポポなど近縁のいくつかの種も含めて、組織を傷つけると、どろりとした白い汁がでてくる。 ローマの詩人ホラチウスや農学者コリュメラが使ったラテン語は、乳汁(lac−lactis)からでた語lactucus(乳汁に富むの意)という語に由来している。 この乳汁は種子をつけているときに特に多くなる。茎を傷つけて抽出した乳汁を乾かしたものは、ラクツカリウムといい、鎮静効果があると言われている。
「ほんの小さなケシといわれ、眠りを誘う乳汁を豊富に含むので、miconiaeと呼ばれているブラックレタスがある。もちろんレタス類はすべてにこの働きがあるが....」と大プリニウスは記している。
レタスは食用野菜として親しまれてきた。アドリア海東岸の古代国家イリュリアの軍人で、ローマ皇帝でもあったディオクレティアヌスがA.D.305に退位しダルマティアにある庭園で隠居生活を送っていた。そこへ、マクシミアヌスから、政権の座へもどるよう催促があった。ディオクレティアヌスは「私の育てている美しいレタスを見たら再びその名誉ある座につくようにとは、あなたはいわないことでしょう」と書き送っている。

レタスは1年または2年生の植物で主根がある。はじめは、短く幅広い、なめらかで柔らかい緑の葉の重なり合ったロゼットを地上に出す。やがて真ん中に茎がでて、1メートルほどにまっすぐ伸び、枝を広げ、包径葉は上に行くほど少なくなる。 葉は、卵形で、縁は波状の凹凸がありぎざぎざの歯状のものもあるが、とげはない。包葉が厚く総包をかこみ、薄黄色の舌状花が咲く。果実は長円形で痩果が横にぎっしり並んでいる。果実には冠毛があり、種子の色も白から黒までいろいろあり、この色で品種の区別もつけられる。多くの栽培品種がある。 目次にもどる

レタスの原産地

 

レタスの起源や原産地はわかっていないが、温帯に野生で繁殖しやっかいな雑草となっているトゲのあるレタス(Lactuca scariola)から派生したものではないかとされている。 目次にもどる


野菜としてのレタス

 

レタスと言っても多くの種類があり、結球する玉チシャ(クリスプヘッドレタス、バターヘッドレタス)、不結球で葉が立つ立チシャ(コスレタス、ロメインレタス)、茎を食べる茎チシャ(ステムレタス)、葉のちぢれる葉チシャ(リーフレタス)などがある。 日本では半結球する玉チシャ(バター型)をサラダナとよんでいる。この半結球レタスは、食用の他に料理の敷き葉としてよく使われる。
品種には、クリスプヘッド型(結球レタス)の”グレートレークス”、”サリナス”、”バンガード”、等、数多くの系統がある。ちなみに長野県では”Vレタス”、”ララポート”、”マイヤー”、”シナノサマー”、”シャトー”、”スティディー”等が栽培されている。
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レタスの栄養

 

水分95.7パーセント、ビタミン、ミネラルが豊富。生で食べることが多く損失が少ない。若干の糖2パーセントを含んでいる。品種により糖の量が異なる。”シナノサマー”は4パーセントと高い。ハーブとしての効果と、歯ざわり、舌ざわりを楽しむデリケートな野菜である。
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レタスの食べ方


レタスは煮てもおいしく食べられる。

長野県経済連の料理パンフレット1

長野県経済連の料理パンフレット2

レタスのスープ煮
球葉をよく洗い、丸のままほんの2〜3分熱湯に入れてゆでる。
タマネギ、ニンジン、セロリ、ラード、バターを敷いたキャセロールに入れ、少量のスープストックを注ぐ。
火にかけ煮立ったら、熱しておいたオーブンに入れる。
25分から45分でたいていやわらかくなる。
オーブンに入れている間にソースをつくる。
火にかけたなべに、バターを入れ、小麦粉を入れる。スープストックを少しずつ入れてなめらかにする。鍋を火から下ろしてレモンの汁、塩、こしょうと卵黄2個を入れてゆっくりかき混ぜる。
レタスが煮えたら、球をほどいて、縦に2つに切り、ゆで汁とソースをかける。
揚げたパンや落とし卵をのせてもよい。

でも、やっぱり生がいちばん!!
包丁は使わずに、手でちぎると赤く変色しません。クリスプとはパリパリな歯触りのこと。
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レタスの見分け方

 

切り口が大きい、小さいは品種による違いです。バンガードやサリナスの系統は切り口が大きい。
切り口の色は本来緑がかった白。茶色に変色したものは畑での乳汁洗浄が不十分か、高温にさらされた可能性がある。

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レタスの栽培方法

  栽培方法を写真で紹介します。
 

レタスの種子(たねまき)

白い粒がレタスの種

こんなふうに一度に200〜288粒まきます



 

レタスの苗(育苗)

ちょっと赤みがかったのはサニーレタスです。もう3、4日で畑に植えられます。
 


畑に植える前にマルチ張り

 このマルチ張りがなかなか難しい。

 遠くの林は、からまつ。緑が鮮やか。


 

植え付けられた苗
 

だんだん大きくなっていく

玉になり始める
収穫の頃


 

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レタスの統計情報

全国 長野県
順位 産地名 収穫量  トン 市町村名 収穫量  トン
537,300  187、700 
1位 長野 187、700 川上村  60、700
茨城  65、500 塩尻市  36、400
香川  40、900 南牧村  16、300
兵庫  28、900 小諸市  14、600
静岡  21、000 御代田町  14、100
群馬  17、600 朝日村  13、000
福岡  17、000 真田町   8、740
岩手  16、800 松本市   4、120
千葉  13、900 軽井沢町   3、280
10 北海道  13、600 小海町   3、080

と言うことで,長野県が全国1位,その中でも川上村が県内1位となっています。

川上村の収穫量は,ほぼ,全国2位の茨城県の収穫量に匹敵する。

全国の収穫量の約11パーセントを,人口4、000人の村で生産していることになる。
 

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