AirMac BaseStationの互換性を飛躍的に上げるTips


AirMac BaseStationのパスフレーズとWEPの40bit KEY

  • AirMac BaseStationとAirMac Cardの間ではWEPのKEYは通常の文字列(スペースも含まれます)から内部で自動的に生成するので普通に「パスフレーズ」として入れれば良いので非常に人間的です。

    でも本来のWEPのKEYは40bit(内部では更に24bitを加えた64bitコードを使用)のコードですから各カードのデバイスレベルではこの40bitキーでやりとりされていて、大抵のメーカーのドライバーソフトではこの40bitを16進表示(Hex)にした10桁5バイト表示での入力をサポートしています。(例:37 7D EA 12 EC

    さて、ここでAirMac BaseStationに対してWaveLAN(ORINOCO)カード(Windows環境より)でアクセスする場合WaveLANのドライバーは16進KEY入力なのでこのままではWEP機能が使用できません。

    しかし、これはAirMac BSの内部の40bit KEYを読み出すことで解決ができます。

AirMac BaseStationの40bit KEYを読み出す方法

  • 方法は「AirMac管理ユーティリティ」を立ち上げAirMac BaseStationにログインしたうえで「ベースステーション」メニューの「ネットワーク用パスワード...」を選びます。



  • そうするとネットワーク用のパスワードとして16進数10桁のKEYが表示されます。

  • ここで読み出されたKEYは16進数(4bit)が10桁が連続した形ですが、環境によっては1バイト(8bit)ごとに区切られた5バイト表示で入力や表示するものもあります。その場合は単に2桁ずつ区切って 37 7D EA 12 EC と入れるだけで対応できます。

  • このようにしてAirMac BaseStationを親機に使う限りは大抵のカードをWEPオンで使用できるようにできるようになります。実際にこの方法で接続テストを行ったところ、テストした全てのカードがWEPをオンにしたAirMac BaseStationに接続することができました。(Planex GeoPortは製品版ドライバがWEP機能を実装していないので対象外)詳しくは互換マトリックス表の方を参照ください。


KEYの読み出しや計算機能で広がる互換性(注意点やヒント)

  • ところでこのWEPのKEYを読み出す機能ですが、実際にはAirMac BaseStationに毎回問い合わせを行っているわけでは無いようです。ベースステーション管理ユーティリティがベースステーションの設定を読み出すとき、一括して全てのパラメータをMac側に取り込んであって、メニューが選ばれた時それを表示しているのです。

    このせいか判りませんが、パスフレーズを変更した直後(BS再起動前)には読み出されたKEYの内容はでたらめ(ではないのでしょうが)な物になっています。設定を更新してAirMac BaseStationが再起動した後に改めて読み出しを行うと正しいKEYが表示されます。間違えるとアクセスできないですのでこの点は注意が必要です。

    なお、この例で使用しているKEY:377DEA12EC はアップル方式のパスフレーズの apple に相当するものです。こうやって知り得たKEYとパスフレーズの関係を逆に応用すると、アップル以外のAPで10桁16進数KEYでしか設定できない物にこのKEY:377DEA12EC を設定することによりAirMacクライアントでアクセスできるように設定できるようになります。この場合AirMacクライアントのパスフレーズ入力で apple と入れればいいわけです。

    この種の需要は一般的ではありませんが、マルチベンダーで無線LANを組んでかつWEPを使用して(企業等では必須です)かつMacもつながるようにセットアップするには必要なテクニックです。AirMac BaseStationをAPとして選べば問題はないのですが、世の中そんなに甘くない(互換性やSNMP管理機能から言えばどうみても最高なのだが・・)ので他社の製品を使用する際、これを知っているとMacをあきらめるかWEPをあきらめるかみたいな変な選択をしなくて済みます。

    もしAirMac BaseStationを使ってKEYを調べるのが面倒だと思う人や、そもそも持っていないぞという人には、同様の機能を提供できるものとしてSkyLINE Mac版があります。このカードのドライバユーティリティの暗号機能でもパスフレーズを入力するとその場でKEYを生成してそれを直接セットします。再起動なしでも正確にKEYが調べられるので便利でがKEYが表示されるのは一瞬なので読みとりにはこつがいります。

    さらにアップル方式のパスフレーズだけでなくMELCOが使用している「5桁アスキー文字」形式のパスワードの変換にも使用できますので、一部の人間にはものすごく重宝するカードですね。

    この辺の詳しい解説は別項に譲ることとしましょう。


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