とみせかけて
あとがき

3/25(木)

今朝の散歩はゴミ捨て場。
島のゴミ問題は深刻だ。処理施設が無いから、たいていの場所は村外れの崖から
投棄し、ある程度になったら火を着けて燃す方法をとっているようだ。
大原でも朝の散歩でゴミ投棄の崖を見た。
そして、そーゆう場所はカラスを筆頭とした動物達の獲ずけ場ともなってしまう。


ここで猫を見た。
茶黒い毛に黒い斑点・・・もしかしたらイリオモテヤマネコか?と夢中でシャッターを
切った。もしイリオモテヤマネコならこの現状は悲劇だ。
しかし、ご安心あれ。
本物のヤマネコは耳の先が丸い。耳の先が三角にとがっているのはイエネコ。
尻尾にもヤマネコは斑点があり、縦じまのあるのはイエネコの証拠。
顔もこんなひねた顔じゃなくもっと野生のツラだ。
それにヤマネコは群れない。
そんな違いがわかったのは今日の午後、野生動物保護センターに行き、そこで色々と
お勉強したからだ。
しかしながら、県道215号線を走っていると「ヤマネコ飛び出し注意」の看板が目にタコ
が出来るほど現われるし、現に数年前には年間で10匹のイリオモテヤマネコが交通
事故死したそうだ。
そーいえば夜に首にビーコン(発信機)と思われる首輪をつけた猫がヘッドライトに浮
かびつつ、サッと森の中へと消えていったけど、あれがもしかしたら・・・・。

ちなみにここには野生のニワトリもいました。
ちゃんと猫と共存してるところが餌が豊富であることを物語ってますねえ。


ここにも野生化しつつある人間が獲ずけされています。
今朝の食卓にはシークアーサーもあるもんね。
(写真見て思い出したけどマグカップも持ってくの忘れちゃって、使い捨てコップを使い捨てずに
洗いながら使いまわししてました)


今日は朝から晴れ渡っていい天気!
本日の目的は島東部を流れる後良川(シーラ川)をカヌー探索すること。
当初にイメージした亜熱帯マングローブのジャングル探検に一番近いことをやるわけだ。
後良川(シーラ川)の解説:とりわけマングローブが美しく、静寂な雰囲気。
                周辺で鳴く生き物達の声は日本音風景100選に選ばれている。


ここもエコカヌーツアーはあるようだが、先日のピナイサーラに比べるとはるかにマニアック。
少なくとも本日この川で俺ら以外に人は見かけなかった。

さて、大山猫号ことUSA AIRE社の「スーパーリンクス」を世界中のどこへでも運んでくれるのが
手前のnoguchi-MADEのインフレータブルカヌーキャリーバック(略して“赤ベコ”)
かなりでかいが、航空手荷物寸法基準に適合した寸法取りなので飛行機での持ち運びは無料の
範囲内である。
物の出し入れは上フタがファスナーで観音開き式に開けられるので、そうとう大きなものでも無理
に詰め込む必要は無い。物を詰め込んだ後はバックルで締め上げられる。
持ち運びの際はこのバックル部を掴んでもよし、2人いる場合は左右にフックがついているので
そこを持てばよい。
バックの生地はホワイトウォーター艇であるスーパーリンクスと同じものなので丈夫なことこの上
ない。
裁断についてもラリー用シートで定評のある(有)野口装美製なので完璧である。
このバックにカヌー・パドル2本・座席2ヶ・ライフジャケット4人分・ポンプ・釣竿3本・テントマット4ヶ
を入れて搬送した。ありがとう!野口!


後良川へのアプローチは河口の後良橋の横から行う。
河原へ降りる階段もあり、数台程度なら車の駐車スペースもある。
また、すぐ近くに「野生動物保護センター」もあり、西表島のウィルダネスに入り込む前に
ぜひここでお勉強すべきに思う。


午前9時半。広い河口部を漕ぎ出す。
広大なマングローブ地帯が広がる。
遠く見える山が島の最高峰の古見岳(469.5m)である。
背後には橋があり、そこを観光バスがゆっくりと観光速度で走りぬける。橋の向こう側は太平洋。


午後になり、潮が引くと蛸足の根が剥き出しになる。


これがマングローブの種。
種には落ちてそのまま沈むものもあれば、浮いて流れていくものもある。
繁殖地拡大の為に色々なDNAが隠されている。


トゲトゲの葉っぱのアダン。
丸いパイナップルの様な実が成り、黄色く熟すとヤシガニがこれを食う。
ちなみに実は酸っぱく人間には食えた物ではない。


観光バスの排気音も届かない静寂へと変わる「とぷん」とした中流部。
川幅も狭くなり、鳥のさえずりと沢山の蝶が舞う世界。


コミノクロツグの群生


川底が見えるようになってきた。木々の枝が張り出し、それを避けながらの遡行となる。
このへんになるともうマングローブは無い。
川もぐねんぐねんと蛇行を繰り返す。


カヌーによる遡行限界が近い上流部。
舟の下を無数の魚達がシュンシュンと泳ぎぬける。


もはやこれまで。
上陸地点。
最高!最強!のウィルダネス。


だが、遭難家族的には歩きで更に上流を極める。
あのカーブの向こう側が見たい。
驚く何かがありそうな気配なんだ。



ま、無理はいけない。
いつかまたの楽しみにとっておきましょう!
それよりもお昼にしましょう!



そんなわけで遭難家族の西表島冒険はほのぼのながらも大成功に終わった。

この濃厚な大自然が少年の感性にどう刺激となって突き刺さったかは
いささか知る由も無い。



おしまい




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