Photo by ハットリ&友紀&青
ハットリ談
ホテルの窓から見たクアラルンプールの街。
なかなか緑の多い美しい街だ。
しかし、右手に見える木々はまさに熱帯雨林!
色とりどりの鳥が樹冠を行き交っている。
ナショナルジオグラフィックでみたボルネオの熱帯雨林そっくりだ。

ハットリ談
何だかわからないが、元気と活気と暑さの国マレーシアだ。
今でこそアジアバブルがはじけて、もしかしたらしょぼんとなってるかもしれないが
<俺達うかうかしていられないぞ!!>と思わせるなにかがある。
それは、<希望をもって一所懸命働く!>所にあるのかもしれない。
この活気は自分には一種の刺激と焦りを呼び起こすのだ!

 このツインタワーだって無駄に高いぞ。
ネオアールデコといったデザインはなかなか夜なんかサーチライトに照らされ
20世紀フォックスかジュールベルヌって感じだ。
しかもそれが二つ!いったい何のためなんだ。
これ正直言ってすごく高い。
真下で見上げると首が痛くなってしまう

熱帯雨林国International Local ED参戦記

「プロローグ」

「いゃあ青ちゃん、今回のコンセプトはねえ、「汚い」でいくつもりなんだ。
バイクはKX500にしようかとも思ったんだけど、‘85年式のホンダXR600にしたよ!
シートもあのまんまだよ。
それにね、ウェアもちゃんとボロ着てコーディネイトしようと思ってんだ。 まあ、逆威嚇ってやつだな。」
電話の向こうから聞こえてくる相変わらずのイカしたセンスについうれしくなってしまう。
そんな水戸のハットリさんとのマレーシア行きが決まった。

ハットリ談:しかし、逆威嚇どころか、全く目立たなかったというのが実情である。
      つまり木を隠すには森に隠せとの例え通り、うまくやり過ぎてしまったのだ。

「行け!生け神スペシャル!」
マレーシア3Daysエンデューロの魅力は熱帯雨林のジャングルを走れるところにある。
ただ、第1回目の開催ということもありレースに関する情報がまったく無く、中身がどうかは開けてびっくりの
大バクチである。 さて、出場にあたっての一番の心配は愛車91年式のスズキDR350Rの耐久性である。
なにせ初おろしが16H耐久レースで、その後は山中で殴る蹴るの暴行にも似た酷使に次ぐ酷使。
見た目もかなりイっちゃってるが、エンジン中身も何度も修理を受け、
16才にして妊娠中絶20回みたくなってしまっているのだ。

そんなDRちゃんを清純派アイドルとしてマレーシアの大舞台に立たせる為に、エンジンは浦和のハーレー屋で
メカニック業を営むガミちゃん(池町のパリダけメカニックで活躍)にオーバーホールをしてもらう。
そして1ヶ月後、ロードバイク「グース」のカムを組み込む等、細部にわたってチューンナップされた
「愛染恭子処女膜再生手術大成功!神様!仏様!生けガミ様スペシャルDR」ちゃんは、無事横浜港から
遠きヤシの半島向けて船出したのだった。


「熱帯コーラン国」

しかし今回のレースに関しては緊張感が全くない。気分としては気仙沼のフォレストレイドに行くのと
ほとんど変わりない感覚で飛行機に乗り込んだ。
そんな機内で、期待も股間も膨らませっぱなしの男と隣り合わせる。
彼の名はカリ高君もしくはカリダカール君という新世代の男だ。彼の持参したマレーシアのガイドブックで
マレー語の勉強をするうち、赤道直下のくそ暑い国に飛行機は着陸した。
到着は夜であった。

                    
世界一高い高層ビル「ツインタワー」が夜空にニョキっとそそり立つクアラルンプールの街にハットリさんと
出かけ、さっそくビールとめしをゲット。
ちょっと歩いただけで、Tシャツはグチョグチョに汗ばむ。すげえ湿気。
しかし、その分ビールがうまい。

 明け方、薄らぼんやりとした街にコーラン(アザーン)の音声が異国情緒をかもし出しつつ神秘的に漂っていた。
ここはモスリム国なのである。







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