あいにくの天気に見舞われた日も多くありましたが、大きな日程の変更もなく、けが人が出ることもなく、無事第18次野尻湖発掘が終了しました。第18次野尻湖発掘の目標は「キルサイト(狩り場)の性格を明らかにするための証拠をたくさん発掘すること」でした。今回は新しい試みとして、グリッドの中にサブトレンチを掘り、地層をよく観察しながら発掘しました。グリッドの表面で見えるラミナを観察して、約4万数千年前の川の流れを調べました。川の流れが速かった粗い堆積物からたくさんの化石や遺物が見つかりました。
みんな「私も掘りたい」、「4万年前の野尻湖の様子を知りたい」という夢を達成でき、本当に楽しそうに毎日を過ごしていました。
この発掘をおこなうためにご協力、ご支援頂きありがとうございました。そして発掘に参加された皆様本当にご苦労様でした。
これからは、次の第19次野尻湖発掘に向けて準備する期間になります。みんなの目標、夢をもっともっと深いところまで解明できるように、研究し話し合い勉強し、再来年もまたこの場所で出会いましょう。
おもな出土化石遺物と出土点数 ( )は重要品
立が鼻砂部層(T2ユニット)約4万9千〜4万4千年前
総出土点数499点(うち重要品48点)
主な成果
28日、約4万9千〜4万4千年前の地層からナウマンゾウの切歯(牙)の先端、マツカサガイや植物の種子、昆虫の羽の化石も出土しました。
25日、26日も雪の降る悪天候にもかかわらず、沢山の哺乳類化石が発掘されました。ナウマンゾウの胸椎の一部、頭骨の破片や切歯片(象牙のかけら)などの骨片が見つかっています。他にも、貝化石や昆虫化石も見つかっていて当時の環境を知る手がかりとなります。25日夜は中日コンパ(親睦会)が開かれ結束を深めました。
23日、ナウマンゾウ中位胸椎の棘突起(32x12cm)の化石、野尻湖では3例目となる敲石(たたきいし/ 7.4x3.8x2.3cm)、24日、ナウマンゾウの臼歯片(下顎臼歯)や肋骨片など貴重な化石が産出しています。ここ数日は雪や雨の悪天候です。グリッドの上に特製のテントを設営し、皆さんかじかむ手を温めながら作業や調査を進めています。
発掘成果()は重要品
参加者