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WordsWorth
of July

Tazan no Ishi

A whetstone for a wit

 

7月の四字熟語

他山之石

四字熟語に秘められた先人の思い

 

copy by Ko Tamura

a staff writer of zuzu creations

鶴九皐(奥深い澤)に鳴き 聲野に聞ゆ
 魚潜みて淵に在り 或いは渚に在り
 彼の園を楽しむ
 ここに樹ゑたる檀(まゆみ)有り

其の下にこれ擇*あり
 他山の石 以て錯(さく)と為すべし

 鶴 九皐に鳴き 聲 天に聞ゆ
 魚 渚に在り 或いは潜みて淵に在り
 彼の園を楽しむ
 ここに樹ゑたる檀(まゆみ)有り

其の下にこれ穀あり
 他山の石 以て玉を攻むべし

註: 擇*は実際には草冠に擇

* * * *

    hyakusetsu futou

たざん-の-いし【他山の石

「鶴鳴  詩経 巻十一 小雅」

鶴鳴于九皐 聲聞于野
魚潜在淵  或在于渚
楽彼之園
 爰有樹檀  其下維擇*
 佗山之石  可以為錯
 

鶴鳴于九皐 聲聞于天
魚在于渚  或潜在淵
 楽彼之園
 爰有樹檀  其下維穀
 佗山之石  可以攻玉

他山の石以て玉を攻(オサ)むべし
これには2通りの解釈がある。

1 (よその山から出た粗悪な石でも、自分の宝石を磨く役には立つという意から) 自分より劣っている人の言行も自分の知徳を磨く助けとすることができる。

2 別の山にある石を使って玉器に彫刻、仕上げられる意味。この言葉は現在、他人、別地、他国の先進的な物事や経験を借りて、自分のことを良くする喩えとして用いられる。

この諺の出典『詩経』は、中国最古の詩集であり、孔子が編纂したものと云われている。この詩の背景にはこんな逸話がある。

*

田舎から志を抱いて都へ出て来た若者が、望みを叶え低官吏のポストに着く事ができた。が夢が叶った彼の前に繰り広がった現実と云えば、腐敗しきった職場環境であった。それを嘆いた若者が詩を詠む。

「我が身はとるに足りない路傍の石のような存在かも知れない。たとえそんな自分でも(砥石がわりにでも)使ってもらえれば、玉を磨く事もできるだろうに、それすらもできず、せっかくの玉は曇ったまま都の人々に放って置かれている。情けないではないか? 」

このオリジナルの意味から、歳月と共に解釈が変化を遂げ、文頭に記したふたつの意味に至ったようである。

* *

毎日繰り広げられるニュースと云えば、最悪の失業率、凶悪化する犯罪などとひたすら暗いものが多い今日この頃。自然と周囲や社会に閉息感を感じる度合が高まってしまう。

そんな状態においてもネガティブな雰囲気に引きずられる事なく、自分の道を見失わぬように心がけたいものである。


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