*オレも田舎で考えた!

にこ1田舎暮らしってなんだろう?
     

     ☆プロローグ
     ☆はじめの一歩 「天からの恵み?雇用保険」
             「オイラは、観光写真屋さん」
             「熱海の夜」
             「夜明け前」
             「旅立ち」
             「どしゃぶりの決断」
             「春よ来い」
             「試験日」
             「楽勝!!かな?」
             「戦い終わって」
             「サラバ!!熱海よ」
             「親技寮」
     ☆第二章     「職人への道」
              「高石教官」
              「副寮長」
              「エビフライの朝」
             「原田のおばさん」
             「爆発コロッケ」
             「入所式」 

              



「入所式」

「夢屋さん」
ポンと肩をたたかれたので振り返ると
「あっ」
頭をバリバリかきながら照れくさそうに高橋がたっていた。
「どうも、どうも」
「いや〜こっちにきてたんですか、うれしいなあ」
あいかわらず子供みたいな笑顔を浮かべて本当にうれしそうにしている人だ。
「まあ、知らん人ばかりでちょっと心細かったんですわ」
「ああ、よかった」
胸をなでている様子から本当に安堵してみえる。
知人と言ったって、ここの試験日に一度駅まで歩いただけなのに・・・・
「そうですか、それで」
いかん、いかん余計な詮索はしないようにしなくては。
「いやねえ、一昨日こっちへ引っ越してきましてね」
「役所への手続きやら小学校の挨拶やらでもうめちゃくちゃですわ」
やっぱり・・・・家族全員で九州から来ちゃったんだ。重そうだな・・・・
「まあ、あれから、かあちゃんとじっくり話しましてね・・・・四十のカケですわ!!」「うわあっはっは」
豪快に笑う高橋にはもう迷いは感じなかった。
「ところで夢屋さんは寮に入ったんですか」
「ええ、なんとかね。」
「で、何人くらい来てるんですか」
「十五人ですよ」
「よろしいなあ、仲間に囲まれて」
仲間といわれてもまだ何とも言えないけれど・・・・・・・・・・・・(ほんとうにね)
「そうだ、この街にええ道具屋をみつけましてね、今度一緒にどうですか」
「道具??」
いつでも前に進む人だなあ、この人は・・・・感心してしまう。
たわいのない雑談をしていると、突然校内スピーカーが鳴り響いた。
「入所式を始めますので作業場に集まって下さい」
入所式????
「へー、一応式みたいな事やるやねえ」
「なんか学生にもどったみたいでうれしいね」
つくづく、高橋は子供のようだ。
「ほな、いきましょう、いきましょう」
高橋に即されるように作業場に入ると赤白の幕が目に飛び込んできた。
まるで何かの大売り出し会場みたいだな・・・・・・(おーっと失礼)
前列には礼服を着た数名の来賓と思われる人達が厳粛な雰囲気で中央の演台を見つめている。
もちろん演台の上には大きな花瓶に花が生けられ、おまけに「日の丸」まで飾ってある。
「げ〜〜〜場違いだぜ」
おそらく自分だけではなかっただろうこの違和感は。
取り合えず後ろから押されるままに前の方まで進み指示されるままに席に着いた。
「え〜だいたい揃われたと思いますので式を始めさせていただきます」
「それでは全員起立!!」
へ〜〜〜い、こりゃ本格的だ!!
世間一般に入学式は同年代でしかも新人の「雛達」がこれからの前途を
祝す出発式、周りを見渡せばお世辞にも新人にはほど遠い顔が並んでいる
よくもまあ、むさ苦しいヤツばかり集まったもんだ・・・・・・
お〜〜と自分もふくめて。
そうこうしている間に式はごくごく一般的に進められている。
例によって型にはまった挨拶に始まり、誰に話しかけているのか解らない激励の言葉・・・・あ〜〜〜あ(失礼!!)
どうにか眠らずに式は一時間ほどで終わった。
「さあ、!!」っと
席を立とうとすると、勢いよく入り口があいて「は〜い、お疲れでした」どやどやと数人のおばさま方がなだれ込んできた。
もちろん原田のおばさんも飛び跳ねている。
しかも手にはビールのケースやおつまみを一杯抱え込んで。
「え〜いったい何が始まるのだろう」・・・・・高橋はもちろん新入生達も、「ぽっか〜んとして周りの慌ただしさを眺めているばかりだ。
「はいはい、席をたって椅子をかたずけてくださいよ」
言われるままにその場を開けてとりあえず窓際に立ちつくした。
その手際よさに目を奪われるばかりだ。
あっという間にシートがひかれテーブルがならんでいる。
オ〜〜〜〜!!「宴会だぜ!!」これは。
「さあさあ、皆さん突っ立ってないで座って、座って」
先ほどまで司会進行をしていた「たしか??名前??名前っと」
う〜〜〜でてこない。
とにかくその人がどうやら、この宴会をしきるようだ。
「え〜〜それではこの場をお借りしまして」
なになにまた挨拶合戦かよ・・・・
「校長のわたくしめに乾杯の発声をお許し下さい」
え〜〜この人、校長だったの。
「朝から長い間、ご来賓の皆様、そして新入生の諸君、お疲れさまでした
木曽谷の春は遅く・・・・・・(すいません長いので)・・・・・
それではおおいに喉の乾きをうるをしていただきましょう!乾杯!!」
ゴク!!ゴク!ゴクっと、うっ〜〜〜め〜〜〜い!!
パチパチパチ・・・・
どうしてこういう状況になると何故か参加者のほとんどがニコニコ顔で
拍手をしてしまう・・国民性というか宴会的というか不思議だなあ。
と思いつつ、つまみなどに目星をつけてっと。
「さあさあ」誰かが後ろからかたを叩いた。
「まあ一杯。空けて空けて」校長だ!!
「こりゃ呑める口だねえ」いや〜〜それほどでも。
そうそう、ここ信州で「呑める!!」なんていったらさあ大変、強者が揃っていますぞ。
「空けて空けて」
いや〜〜いただきます
たわいもない話を酌み交わしていると、みょうなことに気が付きはじめた。
ビールが注がれたコップがいつも満杯状態になっている、しかも一口飲むと待っていたように誰かがコップを満杯にする。横から、うしろからまるでわんこソバのようにだ。
周りをみると新入生達のコップは決してカラにはなっていない。
そしてこの「注ぎ上手」は他ならぬ校長を初めとする来賓の皆様だ。
酔いが回った頭の中で思い出した言葉が浮かんだ。
「信州のからっ茶」・・(わたくしのいい加減な知識ですので)
信州人はお茶を注ぐペースが早い(と思う)。一口か二口すすると直ぐに継ぎ足す。その為か急須にはいつも満々とお湯が満ちている。
少しすすると「はい、どうぞ」と繰り返され、いつも茶碗は一杯になっている。しかもお茶だかお湯なのか解らないほどのアメリカン茶だ。
あれ〜〜訳が分からなくなってきたな。
「う〜〜〜こりゃいかん、酔っぱらってきたぞ」
一時間も過ぎると新入生達は一人、また一人とその場に崩れ始めた。
高橋は汗びっしょりになって誰かに熱弁をふるっている。
長老は・・・・あちゃー眠ってるなあ。森田は何処だ・・・消えている。
それじゃわたくしめも消えるとしますか!!っと立ち上がった瞬間
世界がぐる〜〜〜と回った。
「だめだ」・・・・・・・・・・・。
           
 つづく

筆者の都合により暫くお休みを頂いております

興味のある方は続けてご笑覧下さいませ。

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