2010.6新刊
 (歴史哲学関係)
「最強の人生指南書」−佐藤一斎「言志四録」を読む
 
齋藤 孝著(祥伝社新書)
西郷隆盛が座右の書としていたことで有名な幕末の儒学者佐藤一斎の「言志四録」。弟子であった佐久間象山をはじめ、吉田松陰、勝海舟、坂本龍馬、伊藤博文といった幕末維新の志士たちは皆この本に多くを学んだ。佐藤一斎は幕府の学問所である昌平黌(昌平坂学問所)の総長まで務めた人で、今でいえば東大の学長のようなものです。学問の中心は、儒学の中で当時主流だった朱子学ですが、道教や、陽明学も加わっている。東洋のさまざまな学問が佐藤一斎を介して日本人にとって重要なものだけが絞り出された言葉の集積です。