2003.05新刊
 (政治経済関係)
「ネオコンの論理」アメリカ新保守主義の世界戦略
 
ロバート・ケーガン著(光文社)
強い軍事力を背景としたアメリカの世界戦略理論がわかる。9.11以降、アフガン攻撃から、イラク戦争まで、アメリカの2度の武力行使までの行動の背景は、ネオコンの論理である。
 アメリカ超大国の一極支配による、最近の世界の動きの中で,日本のおかれる立場は?イラク戦争の戦後処理はどうなるのか。有事法制の先にある日本の自衛隊派遣問題は。アメリカの世界戦略が見えてくる一冊である。(和田)

 「ヨーロッパは軍事力への関心を失った。(中略)歴史の終わりの後に訪れる平和と繁栄の楽園、十八世紀の哲学者、イマヌエル・カントが『永遠平和のために』に描いた理想の実現に向かっているのだ。これに対してアメリカは、歴史が終わらない世界で苦闘しており、十七世紀の哲学者、トマス・ホッブズが『リバイアサン』で論じた万人に対する万人の戦いの世界、国際法や国際規則が当てにならず、安全を保証し、自由な秩序を守り拡大するにはいまだに軍事力の維持と行使が不可欠な世界で、力を行使している。」――『はじめに』より

なぜアメリカは軍事力中心でしかものを考えられないのか――?(光文社)
在ヨーロッパのアメリカ人ジャーナリストによる、既に分裂した欧米の比較と分析。 (光文社)