9月定例会 代表質問 三政会


 4番、三政会 宮下静雄でございます。



 私は、三政会を代表いたしまして、通告に


従いまして4点について順次質問させていた


だきます。



 1として、景観条例の制定についてであり


ます。3月定例会の、私ども三政会の代表質


問において、姨捨・棚田地域一帯が名勝指定


されると、必要なことはこの地域の景観を守


ることであると訴えるとともに、更埴市の観


光事業にも大変重要な資源である「あんずの


里」や「稲荷山蔵の町」に対して、自然景観


を保全するために更埴市の独自の景観条例を


早期に制定すべきではないかと提案させてい


ただきましたが、それに対する市長の答弁は、


景観形成基本計画の策定を考えているが、そ


れは第4次長期総合計画や都市マスタープラ


ンの策定作業に併せて準備していきたいとの


ことでした。


 3月定例会以後、この5月10日には正式


に姨捨・棚田地帯が文化庁より名勝指定され


ましたので改めて、景観保全を進めるために


も条例制定が必要ではないかと考え質問させ


ていただきます。


 姨捨・棚田地帯が長野県下で5番目の名勝


指定されたことは誠に名誉でもあり誇りでも


あります。名勝指定されたことの最大の理由


は、このあたりからの景観が良く「田毎の月」


と棚田が一体であることであろうと思いま


す。


 この姨捨地区をこのままにしておいてよい


ものでしょうか。また、全国的に名が知れた


観光地である森・倉科地区の「あんずの里」


や稲荷山地区の「蔵の町」の景観はこのまま


でよいのでしょうか。更埴市は日増しにその


姿を変えております。


 先日も、大正15年に建築された「スタッ


コ調」と呼ばれる大変珍しい屋代の日本キリ


スト合同教会屋代教会の礼拝堂や牧師館が建


築後70年の老朽化により取り壊されまし


た。


 このような古い建造物には、市も保存に力


を入れるべきではないかと考えます。稲荷山


にある蔵づくりの古い町並みも今から力を入


れていかないといずれ取り壊しということに


なりかねません。


更埴市の町並みを形成する歴史や文化を継


承しながら都市景観の形成を図るべきです。


「歴史的建造物」や「景観地区の保全」をう


たい、潤いのある総合的な街づくりと優れた


都市景観形成を進めるためにも、今後新築さ


れる建築物の都市景観から見た一体性の創出


や住宅商業地域における、いっそうの緑化推


進を図るべきです。こうしたことは、一刻も


早く進めなければならないことであり、早期


に総合的な景観条例の制定を進めるべきであ


りますが、市長のお考えをお伺いいたします。



 2として、「開かれた議会」を推進するた


めに、休日議会や夜間議会を開催する場合に、


行政の立場でどのように考えるかお伺いいた


します。



 平成9年7月に、国の地方分権推進委員会


から出された第2次勧告で、提言されており


ます、地方議会の活性化の項目の中で、議会


活動に対する住民の理解を深めるために、地


方公共団体は、休日・夜間議会の開催に努め


るものとしています。それを受けて、全国各


地の議会では、休日・夜間議会が開催され始


めています。



 このたび、私は、サンデー議会を実施した


京都府綾部市を行政視察した議会運営委員会


の委員としまして、そのことに若干触れたい


と思います。


 綾部市におきましては、以前から市民より


サンデー議会をしてほしいとの多くの要望が


あり、議会ではその声を取り上げ議会運営委


員会で再三にわたり、議論を尽くした後、全


員協議会にて全会一致で採択されました。そ


して、平成11年3月7日の日曜日に綾部市


において、京都府初の日曜議会が開催されま


した。


 事前に広報誌や広報車によりPRをしたこ


とで、議会開催当日は傍聴者の出足も早く、


綾部市の年間傍聴者数の132名を大きく超


える165名の市民が議場を訪れました。し


かし、傍聴席は40席のため庁内の各委員会


室を開放し、モニターテレビを設置して議会


の様子を中継し、議場に入れなかった市民の


便宜を図ったとのことであります。


 また、傍聴にこられた市民は、議員の質問


と市長の答弁に真剣な表情で聞き入ったとの


ことであり、実際に目の前で議員の質問や市


長の答弁が聞けたことに満足できる評価を得


たようであります。


そして、翌8日には、地元の京都新聞、ま


た、中央紙の読売・毎日・朝日・産経の各紙


は一斉に「開かれた議会」「ナマの声を聞く


議会」を目指して、と言うタイトルで大きく


報道しております。


 また、綾部市議会議長さんは、今後の予定


として毎年3月議会の代表質問のみ開催して


いきたいと述べておりました。


 次に、夜間議会についてであります。私ど


も、三政会は、去る8月24日に山梨県の大


月市に夜間議会について行政視察を行いまし


た。


大月市におきましては、平成10年6月議


長交代時に、萩原議長さん就任あいさつの中


で、サラリーマンや主婦の方々、昼間働いて


いる市民が議会を傍聴する機会が少ないの


で、行政や議会に関心を高めてもらうために、


山梨県で初めて夜間議会を開催したいという


議長の強い要望があり、議会と行政とで約1


年間の論戦及び調整がされて、去る平成11


年6月8日に、山梨県内初の夜間議会を開催


することになりました。


議会当日は、議会開催前から市民傍聴者が


続々と議場を訪れ、25席の傍聴席は満席と


なり、さらに仕事を終えた市民、市の職員等


傍聴希望者が詰めかけ、普段は5〜6人程度


の傍聴者が100人程度訪れ、市議会始まっ


て以来の事態になり急きょ各委員会室を解放


し、モニターテレビ2台を備えて、75席の


傍聴席をもうけて対応に当たり、夜間議会は


大好評を得たと事務局は言っておりました。



一方、更埴市議会の昨年1年間の傍聴者は


242名。うち12月7日埴生小学校106


名が議会研修で傍聴に見えました。小学生の


傍聴分を差し引きますと136名が実質傍聴


者かと思われます。


そこで市長にお伺いいたしますが、更埴市


議会も市民に「開かれた議会」「ナマの声を


市民」にと言うことで、サンデー議会や夜間


議会を実施する方向で、議会意思が固まった


場合は、行政としての対応は可能なのか。ま


た、どんな課題が考えられるかお伺いをいた


します。



3として、スポーツ施設の充実についてで


あります。


はじめに、平成12年4月1日からスター


トする介護保険制度は、市民生活に大きな影


響を与える我が国社会政策の大きな転換期と


なります。


日本人の平均寿命は、男女ともに世界のト


ップクラスになり、また、長野県の平均寿命


も日本のトップクラスになっています。特に、


近年の高齢社会の到来により、人口に占める


お年寄りの割合が大きくなりました。


 介護保険制度は、簡単に言うと40歳以上


の者が被保険者となり、保険料を払う代わり


に、介護サービスを受けることができる制度


です。あくまで保険制度ですから、できるな


らば介護を受けることなく、健康で快適な老


後を送りたいと願うのが多くの市民の方の希


望であろうと思います。


ここで重要なことは、健康な身体維持のた


めに若いうちからスポーツに携わり、体を鍛


えておくことが、市民全体の福祉につながる


と言うことです。目指すところは、健康で長


生きすることです。


また、野球場については、更埴市早起き野


球連盟、更埴市軟式野球連盟、更埴市スポー


ツ少年団、更埴市各公民館、消防団、寿野球、


生涯野球、その他各種団体により、平成10


年度は約16,300人の利用がありました。


特に、平成7年には約24,300人の利


用がありました。



そのためにも、本格的に観客席のある、ナ


イター設備が充実した野球場や総合市民体育


館の建設が必要ではないかと考えます。


現在、更埴市において野球ができる運動場


は、中央公園グランド・平和橋グランド・千


曲川緑地A/B/Cが主なものです。その他


補完的に、各小中学校のグランドも一部使用


ができます。いずれにしても、観客席もナイ


ター設備もなく、特に千曲川緑地A/B/C


グランドについては、昨年の台風5号による


水害で流され、復旧費に、八幡親水公園・千


曲川ふれあい緑地分も含めての数字ですが、


約2800万円をかけて復旧作業を行ってお


ります。


 また、本年の8月14日の水害でも流され


2年連続の復旧工事をしなければならない状


況になっていますが、こちらは同じく約62


00万円の事業費が9月補正で見込んでおり


ます。


 これからのスポーツシーズンに間に合うよ


うできるだけ早く、災害復旧工事に着手して


いただくよう、お願いするものであります。


また、この千曲川緑地公園は、建設省から


借入していて、国庫補助金が3分の2の補助


策があるとはいえ、水害が発生するたびに補


正で復旧工事をしていくだけでは、恒常的な


良いグランドは造れません。


 したがって、将来を見据え「第4次長期総


合計画」に市民待望の本格的野球場の建設を


盛り込むような計画を期待するものでありま


す。


また、新総合体育館の建設も、野球場の建


設同様、市民からの要望が多く寄せられてお


ります。これらのスポーツ施設は、快適で健


康的な住空間建設のためには必要不可欠な都


市施設です。


 更埴市は県内でも交通の便が最高に良い立


地条件にありますので、高校野球の大会場等


各種大会やイベントができる場所があれば、


更埴市への流入人口も増えるものと思われま


す。


そこで、1点目として、本格的な野球場の


建設に対して、市民からの要望が多いが「第


4次長期総合計画」への建設計画はどうなの


かお伺いいたします。


2点目として、新総合体育館の建設につい


ても同様に長期計画があるのかお伺いいたし


ます。



 4として、更級川水系の浸水被害について、


2点ほどお伺いをいたします。



(宮川樋門については、新和会青木議員から


も質問がありましたが、視点を変えて伺いま


すので、お願いいたします。)



 昨年9月16日台風5号による千曲川の増


水、宮川樋門の閉鎖による家屋床下浸水、農


作物の冠水等の被害を受けました。


 また、本年8月14日には、熱帯低気圧に


よる集中豪雨により各河川は増水し、千曲川


は警戒水位を大きく上回り観測開始以来、3


番目の記録的な水位となりました。


 更級川水系は、高速道関連工事、圃場整備、


農業用水路河川、中原地区をのぞく八幡地域


全体の雨水が一気に宮川樋門に集中し、樋門


閉鎖後は水位が急激に上昇するものでありま


す。


 また、志川区におきましては、区長はじめ


区民のみなさま、また、地元の更埴市消防団


第11分団の団員、市職員、樋門係等の地元


関係者の方々が宮川樋門に集結し、更級川雨


水の排水作業に没頭されたわけであります。


 宮川樋門の閉鎖につきましては、区長、第


11分団長、地元住民等協力により順調に行


われたようであります。地元区民には、サイ


レン、半鐘等により緊急事態発生の知らせを


し、また、事態は深刻と判断し、日赤奉仕団


による炊き出しの指示等、速やかに伝達され


るとともに、最大限の災害活動ができたもの


と思われます。


しかし、北堀地区・森下地区との完全な連


絡が取れず、北堀前川原団地の一部の方は、


急激な増水のために車庫より自動車を移動で


きなかったと聞いております。



また、北堀区においても、若干対応が遅れ


ましたが、すぐに体制を整え被害を最小限に


食い止めることができました。しかし、当日


の雨量は増すばかりで、12台のポンプがフ


ルに稼働し、更にポンプ3台を追加して排水


作業をしましたが、排水能力を超えた雨量に


より、志川地区の農地作物の冠水、集会所の


浸水、北堀前川原団地32戸すべてが床下・


床上浸水の被害に見舞われました。


 最近、排水ポンプ12台の設置場所を変え


たり、排水ポンプの増加、土砂・ごみ等の目


詰まりに対処され排水能力のアップを図られ


ましたことは、市民に信頼され、高く評価さ


れるものと思います。


 八幡地区区長会からも市及び議会に請願書


が提出されておりますが、宮川樋門に大型排


水ポンプの設置、また設置までの経過措置と


して水量に対処できる適正数量の排水ポンプ


の確保、樋門閉鎖時における排水ポンプの同


時稼働体制の確立を早期に図るべきかと思い


ます。



 そこで、1点目として、現地対策本部等の


設置状況は適切であったかどうかでありま


す。この点について、市ではどのように分析


しているかお伺いをいたします。



 2点目として、宮川樋門の大型排水ポンプ


の改善についてどのようなお考えでいるのか


お伺いをいたします。



 最後に、行政にはこの水害の被害を教訓に


今後の災害対策を講じていただくよう要望


し、三政会の代表質問を終わりにいたします。