12月定例会 一般質問

 

 1番、三政会和田英幸でございます。

 

 私は、今、世界が景気の低迷に苦しむ中で、地方自治体はどのようなことができるのか。また、何をめざしてまちづくりを進めていくべきかという観点で、私見を交えて質問させていただきます。

 

わが国は、現在、戦後最大の経済危機に直面し、国も地方も財政運営に苦慮しております。このような中で、国は景気対策として「緊急対応プログラム」を策定し、2兆5千億円の第2次補正を組むことになっております。今回は、国債の発行がないということで、政府としては構造改革の実現を目指している中での、もう後がない景気刺激策ということができます。

最近の新聞記事でも、9月の中間決算の状況が連日のように出ています。NTTが9月の中間連結決算では初の赤字2618億円を計上し、また、アピック・ヤマダや長野日本無線などIT関連の地元企業や上田市や丸子町に主力関連工場がある東京特殊電線や坂城町の日精樹脂でも純損失を計上しているようであります。

また、株価の低下で遅れている不良債権処理や長引く景気低迷で金融業界でも地元銀行の八十二銀行が創業以来初の通期の赤字を計上する見通しであるなど、金融・保険・証券業界でも合併や倒産などで業界再編が進んでいます。

また、小売業関係では9月には大手スーパーのマイカルの倒産があり、スーパーや百貨店の10月の売上げも前年実績を下回るなど、商品の消費も停滞しているようです。

 

ITバブルの崩壊やアメリカ中枢同時多発テロ、狂牛病問題、景気低迷の長期化などで、構造改革による財政再建をもくろんだ政府の方針も転換期を迎えているのかもしれません。

「多少の痛みも感じていただきたい」と小泉総理は国民に理解を求めていますが、これによって失業者を増大させ、現在、わが国の失業率は過去最悪の5.4%となっています。

日本全体はいま不況にあえいでいる中で、物価が下がり続けるデフレ状態にあるといわれています。また、物価の低迷→買い控え→消費の低迷→企業の業績不振→リストラ・給与の抑制→消費の低迷→企業の業績不振という悪循環がすでに心配されており、現在、わが国は、こうしたデフレ危機のなかにあるということを認識しなくてはなりません。こうして、消費の落ち込みが進むことで、一番に影響が出るのは、中小の小売業者やサービス業者であります。

 

そこで、1として中心市街地商業等活性化基本計画について何点かについてお伺いいたします。

 

中心市街地の活性化の問題は、まちづくりの問題であり、住環境整備の問題と捉えて考えて見たいと思います。全国的に中心市街地の活力が低下している中で、当市の場合も状況はさらに悪化しています。平成13年度中にまとめられた「更埴市中心市街地商業等活性化基本計画」では、「空洞化が進行している商店街の活性化のために、どうしたら中心街に人を集め、賑わいを生み出すか、そして、それを点や線から面の対策に拡げ、中心街全体をいかに再構築するかが大きなポイントとなる」として、中心市街地活性化法の基本方針に基づき、市街地の整備改善及び商業の活性化を一体的かつ実効的に展開していくための基本的な事項を定めています。

更埴市の第4次長期総合計画の中でも「中心市街地の活性化は更埴市の重要な課題」として捉えているわけです。私は、基本計画策定協議会委員として策定に取り組みましたが、再三にわたって、この計画が絵に書いたもちにならないように必ず実行してほしいという意見を申し上げてまいりました。こうした、まちづくりの策定には何度か携わってまいりましたが、計画を策定するにあたってコンサルタントを呼んで、アドバイスを受け、視察を行い立派な計画書ができれば、そこで、その事業はすべて終わりということを経験してきています。

 

今回の中心市街地活性化法では、関係省庁や地方公共団体、民間事業者が連携して推進することが、特色となっており、多様な支援措置が盛り込まれています。長期総合計画でも「中心市街地の活性化は更埴市の重要な課題」として位置付けております。

今後、都市基盤整備を進める中で、市街地対策はすぐにでも手をつけなければならない事業ではないでしょうか。

活性化法によれば、この基本計画を実行するためには、その第1段階として、まず、まちづくり機関のTMOを設立しなければなりません。そして、道路整備や住環境整備などのハード的事業の推進や空き店舗の活用などの商業環境の改善施策、イベント開催等のソフト的事業の推進などの、次の段階に進んでいくのであります。しかし、今のところ活性化法に規定されているTMO設立のきざしが見えてこないのが現状です。

 

そこで、お聞きいたしますが、

 

1として、基本計画の実施方法と時期であります。

 

ご存知の通り、基本計画の実施には、TMOなどのまちづくり機関の設立や国・県の考え方や財政状況が重要な要素になりますが、いま、当市ではTMOの設立をどのように進めているのか。

また、国や県は中心市街地活性化法の推進に前向きなのかどうか、現状をお伺いいたします。

また、当市は今後どのような計画・スケジュールで基本計画実施に当たるのか方法と時期についてお伺いいたします。

 

2として、基本計画に盛り込まれている具体的な事業について、いくつか提言をさせていただき、その見通しについて順次お聞きするものであります。

 

はじめに、商店街の空き店舗対策についてであります。屋代商店街・屋代駅前商店街・杭瀬下商店街・稲荷山商店街などでは、どこも空き店舗が目立ち店舗の連続性が損なわれています。魅力ある商店街を築くための条件としては、店舗が連続してなければならないし、店の歯抜け状態では商店街全体としての活気・元気も出てきません。

そこで、積極的な空き店舗対策として、市内・市外を問わず、出店希望者を募り、小売業やサービス業の開業希望者には一定の条件のもとで、数ヶ月ないし半年ぐらいの家賃を無料にするという事業をしたらいかがなものか。

商売を始めたい人のとっては、開業資金の負担が大きくのしかかってきます。したがって、空き店舗については市の制度資金により資金融資制度は用意されていますが、空き店舗を活用したくとも、その後の見通しに不安を感じて、結局手をつけないということになるのではないでしょうか。融資制度が用意されてからここ2年ほど利用者はないと聞いております。

ですから、開業に当たっての家賃補助の支援は空き店舗対策として有効な施策となります。もちろんこの分の負担はTMOが負うことになりますが、当面は、市または商工会議所が行うべきであると思います。

11月1日から、中野商工会議所でも2週間の家賃無料事業を始め、すぐに1件の利用があったところです。この事業の利用者によれば、「このケースでは内装もする必要がなかったので開業資金はほとんどゼロに近く、試しに開業できる気軽さがメリットである」と語っていました。おまけに、新聞やテレビなどのマスコミが取材してくれたので、多大な宣伝効果も手伝ってすべりだし上々とのことであります。

すぐにできるいち推しの活性化事業であると思いますが、このことについて、すぐに実施するお考えがあるのかお伺いいたします。

 

次に、旧屋代郵便局跡地の活性化事業についてであります。これにつきましては、この12月議会に取り壊しの予算案が提出されておりますが、取り壊し後は迅速に企画立案を進めていくことが地元屋代の皆様の願いであります。中心市街地活性化基本計画でも、旧郵便局跡地の活性化計画として、一時的な単なる駐車場や広場でなく、将来的には市街地再開発事業や土地区画整理事業などを視野にいれて面的な整備を推進していくべきかと考えます。周辺沿線の道路拡幅も含めて、このあたり一体の整備計画について今後どんな考えがあるのか、また、どのように進めていくのかお伺いいたします。

 

次に、屋代商店街や屋代駅前商店街の中やその界わいに高齢者住宅や老人福祉施設を建設して市街地の活性化につなげることについてであります。

お年寄りにとっても市街地は商店が身近にあることは、お買い物にも便利で、商店街で人とのふれあいができることは、家に閉じこもりがちなお年寄りにとっては精神的にも良いことではないでしょうか。

空き地や空き店舗等を再開発して、施設を整備することは地域にとっても商店街にとっても、有効であり、お年寄りにとっても生活しやすい空間となります。こうした市街地の面的整備を通して定住人口の定着を図る施策についてどうお考えかお伺いいたします。

 

 次に、商店街の駐車場整備や小公園(ポケットパーク)の整備についてであります。これも、基本計画に盛られていることですが、駐車場整備は言うまでもなく、車社会に対応して商店街には不可欠な施設です。商店街の中央に整備する駐車場も必要ですが、空き店舗や空き地を利用して2台から5台ぐらいのミニ駐車場、または、お店のすぐ脇に止められるロードサイドの駐車場整備も顧客の入りやすいお店の条件となります。

 また、小公園の整備は人が商店街に憩いを感じる空間であり、商店街のイメージアップに有効な施設です。こうしたハード面整備は行政に頼らなければならない施設であり、中心市街地の活性化にはなくてはならないものです。このことについてどうお考えかお伺いいたします。

商業者も顧客も地域にお住まいの方も皆さん市民です。中心市街地の整備は商業者だけのものではなく、そこに住む市民や市全体として考えなければならない都市基盤整備の一部であり、更埴市としての、まちづくりの問題であることを申し上げて次に移ります。

 

2として、「スポーツ推進都市構想」についてであります。

 

スポーツは人の健康を増進し維持するためのものであり、仲間や家族とのコミュニケーションを図るものであり、または、精神の修養の場でもあり、その概念は人それぞれ様々であります。

いまやわが国は世界一の長寿国であり高齢社会となりました。老後の生きがいや健康維持のためにもこれからは高齢者のスポーツもますます盛んになっていかなければなりませんし、学校が完全週5日制になることで、スポーツ少年団やその他スポーツに携わる子供たちが多くなることも予想されます。私は、普段、早起き野球や40歳以上の寿野球などにいそしんでおりますが、更埴市内の多くの若者や各層の方々が早朝や休日に野球を楽しんでおられ、年に何回か大会が組まれております。特に、寿野球では毎年春に戸倉町を主会場に1市3町のあらゆる野球場やグランドを会場に使用して、寿野球の全国大会が行われています。

また、更埴市バスケットボール協会では、更埴地域(北は川中島、更北、松代、篠ノ井、そして、更埴、戸倉、上山田、坂城をエリアとして)の高校生や中学生の技術指導や各種大会を実施する中で、選手の技術向上のために、自らの会費をもとにボランティア活動を行っております。

宮坂市長は、教育施設の整備を積極的に進めておられ、市内ではすべての小学校の校舎建替え整備を終え、中学校では屋代中、埴生中の校舎整備が完了して、屋代中の屋内運動場が本年度整備中です。また、埴生中の屋内運動場とプールの整備計画も進み、13年度には設計が終わり、14年度には着工の予定となっております。

合併を控えたこの時期に、市民からは多目的室内総合運動場(体育館)の建設や陸上競技場、高校野球の公式大会ができる野球場、トレーニングセンター等スポーツ施設の建設を望む声が数多く寄せられています。

現在、財政構造改革の中で、公共工事の見直しが進められておりますが、

当市では、こうした運動施設は社会資本整備の一環として位置付け、合併を機に整備していただきたいが、これについてはどうお考えかお伺いいたします。

 

21世紀は物から心に時代であり、潤いのあるまちづくりには欠かせないものです。老若男女、健康な方も体に障害のある方もすべての人が、使える施設として整備し、先ほど申し上げた中心市街地の活性化とスポーツを通しての市民の健康とが備わることにより、活気に満ちた「活力ある知的存在感のある都市」の基盤ができるのではないでしょうか。

施設の整備・建設に必要不可欠なことは、それぞれの施設が全国大会や国際大会を誘致できる規模であることです。幸い、長野市や上田市、または松本市の施設も視野にいれ、交通の要衝としての利便性を生かして、各種大会を誘致できることが大きな立地条件です。

その上で、次のような事業をあわせて進めていくことをご提案申し上げます。その中には、すでに実施されているものもあろうかと思いますが、1市2町の合併をひかえ広域的な視野でこれらすべてを連結・融合してベクトルを合わせることによって、成果が上がるものと思います。

 

@           更埴市の交通立地の良さを利用し、全国大会を含め各種競技大会を年間を通じて実施する

A           県外の高校、大学、社会人、プロなどの合宿や練習地として誘致していく

B           世界に通用するスポーツ選手の育成にむけて協会や団体に奨励金や補助金を出す(オリンピック選手やプロ選手を輩出するだけでまちの活性化になると思います)

C           宿泊施設(旅館やホテル等)に対する体育施設の使用の便宜や補助金制度の実施

D           高校、大学、社会人等の実力選手や有名な選手と地元の小中学生競技者の交流事業をとおして、夢や希望や憧れを与え、技術向上に役立たせる

E           学校の完全週5日制の受け皿として、スポーツ競技者のボランティアによる有償技術指導者制度を創設する

F           各種大会や市外からの競技者の宿泊地を提供し市内滞留時間を長くし、商業者による大会のバックアップ事業やキャンペーンを実施し経済効果をあげる

G           高齢者にスポーツを奨励し、高齢者のスポーツ大会を実施し、生涯いきいき健康都市事業を推進する

H           スポーツ推進都市として体育施設の充実や環境整備を体育学部や人間科学部などの大学の学部とか、またはIOC事務局などと連携し、アドバイスを受けながら企画設計・建設を進めることにより、それぞれとの結びつきを強め、使用頻度を高める一助とする(ただし、長野市のオリンピック施設のような維持費のかかる施設は造るべきではない)また、市民と学生の交流によりスポーツや健康に関心のあるまちづくりを進め全国一国民健康保険の安い都市を目指す

I           「スポーツ推進都市宣言」をおこなう

 

この他にも、現在行われている施策があればすべてを統合して、スポーツ推進都市計画を将来構想として策定し、1市2町合併後の特色あるまちづくりの柱としていったらいかがなものか、

先ほど申し上げた中心市街地活性化の基本計画は庁内の関係課による検討が行なわれ、まとめられておりますし、スポーツ推進都市計画構想も、いずれもまちづくりの問題であり、政策の柱として進行していただきたい課題でありますが、市長はどうお考えかご所見をお伺いして、質問を終わります。

 

 

 


(再質問)

 ただいまは、ご答弁ありがとうございました。

 そこで、スポーツ推進都市計画構想について再質問させていただ

きます。

 

1点目として、多目的室内総合運動場(体育館)や陸上競技場、

トレーニングセンターの建設については、スポーツ、レクリエー

ション、文化活動、研修、宿泊施設等を備え、子供から大人、高

齢者、障害者が健康の増進と社会参加の促進を図り、またコミュ

ニティーの場として活用できるような施設。長野県障害者福祉

センター(サンアップル)をイメージした施設もいいのではないか。

 

 

以上、お伺いして再質問といたします。