12月定例会 一般質問

 1番、三政会和田英幸でございます。

現在、国会に提出されている 2000年度補正予算案によりますと、総額で4兆7千832億円の大型予算となっております。「景気の自律回復に向けた動きを本格的回復軌道に確実につなげる」という経済対策を景気対策の柱を形にしたものであります。しかし、相次ぐ国債増発で、国の財政事情は一段と悪化の一途をたどっています。

 来年の3月末の国と地方の長期債務残高は、 642兆円となり、その内訳は国が484兆円で地方は184兆円、重複分が26兆円であります。

 このたび、国の総合経済対策の重点分野は@情報技術(IT)関連、A高齢化対策、B環境問題への対応、C都市基盤整備となっています。

 財政再建と景気対策の両立を目指さなければならない国の政策として、公共事業を大型なものから国民生活に身近なものへとシフトをしています。

 今後は国からの地方交付税もかなり縮小されるであろうし、国も地方も本気で財政確保に努力しなければならない時期に差し掛かっています。

 しかし、更埴市は国民生活サービス度においても地方都市の中でも優れて、市民に密着した行政サービスが行われていることは、先の9月定例会の賛成討論で申し上げましたとおりであり、更埴市民としては今後も繰上げ償還など財政の健全化に向けながら、少ない投資でより利益の上がる市民生活に密着した、しなやかな行政運営を望むものであります。

 さて、経済企画庁の調査局が 11月6日に発表した9月の景気動向指数(速報値)の一致指数をみると71.4%で、17ヶ月連続で50%を上回り、景気が着実に回復していることが示されています。しかし、更埴市においては、景気の悪化から商工業を取り巻く環境はこうした景気指標とはかけ離れ今一つ回復感に乏しく、依然思わしくない状況にあります。

 特に、当市においては、建設・不動産・小売業などの企業による業績悪化による影響がおおきいと思われます。

 市では現在、中心市街地活性化法を受けて基本計画の策定に向けて調査を進めておりますが、ここでは市民に対し幅広くアンケートを実施しています。その中で「中心市街地の活性化には何が必要だと思うか」との質問に商業者、中心市街地に居住する方、郊外に居住する方のそれぞれの結果も、全体としての結果も次のような結果が出ています。

 主なものは、

  1. 中心市街地へのアクセス道路整備を行い、十分な駐車場を確保し、自動車交通への対応を図る。
  2. 大規模小売店舗を中心市街地に誘致し、集客力を高める。
  3. 鉄道・バス等公共交通機関の利便性向上を図り、人の流れを作る。
  4. 朝市等、地元の農産物を活用したイベントを定期的に開催する。

また、「中心市街地活性化の必要性について、どう考えるか」との質問に対し、回答者の多くの方が、更埴市の顔である中心市街地の活性化は必要であると回答しています。

 そこで、中心市街地の活性化に関連して、3点ほどお伺いをいたします。

 1点目として、 旧屋代郵便局跡地の利用計画についてであります。

 旧屋代郵便局跡地は、昭和 54年に更埴市が特約付で国から買収したものであります。屋代公民館分室を指定用途として、取得から10年間という契約でありましたが、その後地元の屋代第1区からの使用の申請や使用期間延長等の申し入れがあり今日を迎えております。

 その間、昭和 5710月1日には使用について、屋代第1区区長と覚書の締結をしています。内容は、屋代公民館第1分館の臨時的使用・維持管理費の費用負担・臨時設備の設置不可・駐車場は建物使用の際の車両のみという条件で、市が公用・公共用および公共事業に必要な場合は、無条件に還付するというものです。

 平成4年 10月7日には、屋代区長会会長・屋代第1区区長・屋代商工振興会会長の連名により利用計画の陳情書を提出いたしました。

 陳情書の内容は、屋代地域の発展と屋代商店街活性化のための施設建設として、建物規模3階建のコミュニティ機能を有した売店・食堂・事務所・便所・集会場等を機能した施設の建設でありました。しかし、その後この構想で建設することはできないとの回答が市から出されたのでした。

 その後、平成5年3月には資源物集積用のハウスを設置し、平成6年1月には再び利用に係る懇談会が開催されました。参加者は、市の担当課・区長・屋代商工振興会・屋代スタンプ会・屋代商工青年会で、当時私は屋代商工青年会の会長の立場でこの懇談会に出席しております。ここでの協議内容は、屋代公民館利用は時間的な制約があるので補足的な形で利用している。駐車場は、屋代商店街の駐車場として使用している。また、地元としては商工会の青年部が夏祭りで使用する設備や道具を保管したり、会議で夜遅くまで使用するなど有効に利用している。広場としての場所がほしいなどの意見も出ました。市では、利用目的を検討する中で建物は取り壊すという見解であり、計画もないままただ取り壊すことはしないという結論に達しました。

 そして、平成 1010月の市民会議においては、屋代地区区長会から利用の提案がされました。提案内容は、地域のコミュニティセンターの建設、老朽化した後楽館をセンター内に同居させ、さらに商業の活性化の拠点として活用できる施設の整備であります。回答は、建物は老朽化して極めて危険である、地元の了解を得られれば取り壊しをしたいので、区長会や商工会を含めて、活用方法について再検討をしたいということでありました。

 それを受け、平成 11年1月29日に市政策推進課・地元選出市議会議員・屋代地区区長による検討会が開催されました。この検討会では、旧屋代郵便局跡地の利用状況と屋代第1区集会所の後楽館の状況、地元屋代1区の意向について協議されました。ここでは、

地元屋代第1区の意向も検討しながら屋代地域全体としての利用計画を十分検討していくことになり、利用計画が決まるまで当面建物の取り壊しは行わないことをこの検討会で確認されました。

 先の平成 121020日の屋代地区市民懇談会においても、屋代地区から重点項目のひとつとして旧屋代郵便局跡地の利用について要望が出されました。検討するという回答が帰ってきました。

 そこでお伺いをいたします。

 平成4年に利用に関する陳情が出されてから8年を経過し、いまだ検討するという回答しか出さないのはいったいなぜか。これだけ、地元から要望が出されていることについて、時間がかかるのはなぜか。市民懇談会を開催して毎年出される課題をどう捕らえているのか。議会において一般質問をして市民の声を届けているのにどうなっているのか。今後の利用計画全般についてお伺いをし、市長には責任ある答弁を望みます。

 次に、2点目として、 屋代宮前通り(国道403号)および歴史公園線の道路計画についてであります。

 中心市街地の活性化や市民生活に影響のある都市計画路線となっている歴史公園線について、現在の状況と今後の実施計画についてお伺いいたします。

 また、これと関連して、屋代宮前通り(国道 403号)の拡幅計画について、先の屋代地区市民懇談会においても質問が出されましたが、現状と今後の計画について、特に中心市街地活性化と付近の区画整理事業の面からどうなのかお伺いいたします。

 3点目として、 しなの鉄道屋代駅のバリアフリー化についてであります。

  21世紀半ばには、国民の4人に1人は65歳以上という高齢社会が予想されています。こうした中で、公共施設のバリアフリー化を進め、子供もお年よりも、体の不自由な方も安心して住める明るい豊かな社会を築くことは行政サービスのひとつの柱であると思います。

 さて、しなの鉄道が第3セクター方式で開業してから、3年が過ぎましたが、更埴市の顔であり、中心市街地の活性化の核をなす屋代駅のバリアフリー化が市民の間で叫ばれています。

 先日も市内、稲荷山医療福祉センターおよび稲荷山養護学校から要望が具体的にありました。稲荷山医療福祉センターでは去る 11月7日と17日に屋代駅から篠ノ井駅までしなの鉄道を利用したときの状況を三政会同僚の戸谷議員に切実に訴えてこられたのであります。

その内容は、屋代駅を利用して気づいたこととして、

  1. 改札口通路が狭くて車椅子が自力で通ることができない。
  2. ホームと電車との段差が大きくて乗り降りの際車椅子を持ち上げるのが大変であり当然介護が必要となる。
  3. 歩行ができる方でも細かな機能が十分でないため、
30センチほどの段差があると自力で足を上げて乗り降りするのは困難である。
  • 電車とホームとの隙間が大きすぎて間に落ちてしまいそうな恐怖感で体が思うように動かなくなった。
  • 上田方面のホームに行くとき、遠回りをして線路を渡らなくてはならないので、考えてしまう。
  • (自力での歩行がやっとできる状態のお子さんをお持ちのお母さんより)一番線ホームの階段の途中に休めるような広い場所がないため、階段を上がっている間転落しないよう気をつけている。

以上のことを感じております。

 また、稲荷山養護学校では毎年5月、6月、 10月、11月に郊外学習を4回行っております。また、4月には通学指導のため3回ほど屋代駅を利用しておりますが、やはり先に上げたようなご指摘をいただいております。その結果、屋代駅は危険であるので、篠ノ井駅から乗り降りするように指導をしているとのことであります。更埴市にとってこの事態ははなはだ遺憾であり、恥ずかしいことではないかと感じます。しなの鉄道の経営上の問題ではありますが、こうした問題を解決し、市民に親しまれる駅を作ることが、しなの鉄道の利用者を増やし収益をあげるひとつの施策でもあるはずです。

 少子高齢社会の到来が言われている今日、今回の国の補正予算編成でも、日本新生経済対策のうち社会資本整備の一環として、新生プランの柱であるIT特別対策費や高齢化特別対策費・都市基盤整備特別対策費・生活基盤充実特別対策費などに重点的に配分されています。こうした、国の施策と時宜を的確に捕らえ、市民の要望が高い屋代駅全体のバリアフリー化を実現していただきたい。また、屋代駅は更埴市の玄関口でありますから、更埴市の福祉に関する姿勢がわかってしまう場所でもあります。平成 13年3月22日に開業予定の新駅仮称「屋代高校前駅」はバリアフリーなすばらしい駅として、建設が進んでおりますが、屋代駅の存在も更埴市がどういう市を目指すのかが一方では問われる施設であります。

 そこで、市ではしなの鉄道に対し屋代駅のバリアフリー化に対しどのような要望をしているのか、今後どのような対策および計画を考えているのかをお伺いして、質問を終わります。