2008.11発行
 (政治関係)
「若者のための政治マニュアル」社会を変える最大の武器は民主主義である
 
山口二郎著(講談社現代新書)
権利を使わない人(選挙に行かない人)は政治家からも無視される。政治教育の不毛が若者の政治的無関心をもたらした一つの原因となっている。高校教育の文科省の定めた学習指導要領が絶大な支配力を持っているため、学校で使う教科書はその枠をはみ出すことができない。政治経済は、人名や語句を並べた教科書を読み、それらを暗記するという退屈な授業になっている。文科省の役人や自民党文教族の政治家が、若者が反体制運動を行うことを恐れているからである。
2005.11発行
 (政治哲学関係)
「国家の品格」情緒を育む武士道精神の復活を
 
藤原正彦著(新潮新書)
先進国の荒廃は近代的合理性線の破綻であり、論理だけでは世界が破綻する。自由、平等、民主主義ははたして完全な理論なのかを疑う。民主主義の前提は「成熟した国民による判断」である。国民はいつの時代も常に未熟である。したがって、民主主義は危うい。民主主義は放っておくと戦争をおこす。それを防ぐには、「真のエリート」が必要となる。日本は情緒と形の国であり、情緒を育むのは武士道精神である。人間にとっての座標軸は道徳であり、武士道は鎌倉時代以降、多くの日本人の行動基準、道徳規準として機能してきた。ヨーロッパ貴族は、支配者として権力、教養、富の3つを独占したが、江戸の武士は、権力と教養は手にしたが、まるっきりお金がなかった。このことに、欧米の歴史学者は驚いている。だから、武士は庶民から尊敬された。
 品格ある国家の特徴は、独立不羈(どくりつふき)、高い道徳、美しい田園、天才の輩出である。日本は、金銭至上主義を何とも思わない野蛮な国々とは、一線を画す必要がある。それは国家の品格をひたすら守ること。経済的斜陽がたとえ一世紀続こうとも孤高を守るべきである。世界を救えるのは日本人しかいない。
 2010.6新刊
 (歴史哲学関係)
「最強の人生指南書」−佐藤一斎「言志四録」を読む
 
齋藤 孝著(祥伝社新書)
西郷隆盛が座右の書としていたことで有名な幕末の儒学者佐藤一斎の「言志四録」。弟子であった佐久間象山をはじめ、吉田松陰、勝海舟、坂本龍馬、伊藤博文といった幕末維新の志士たちは皆この本に多くを学んだ。佐藤一斎は幕府の学問所である昌平黌(昌平坂学問所)の総長まで務めた人で、今でいえば東大の学長のようなものです。学問の中心は、儒学の中で当時主流だった朱子学ですが、道教や、陽明学も加わっている。東洋のさまざまな学問が佐藤一斎を介して日本人にとって重要なものだけが絞り出された言葉の集積です。
 2003.09新刊
 (歴史哲学関係)
「武士道」いま、拠って立つべき”日本の精神”
 
新渡戸稲造著 岬龍一郎訳(PHP)
宗教教育のない今の日本に必要な道徳的思想教育はなにか・・・。
日本人の精神的な支柱は武士道にある。封建制はなくなっても、日本人の心の中には、武士道精神が宿っている。しかし、現代社会を見ると、武士道精神は戦後を境にしだいにすたれてきている。「武士道」とは何か。「武士道の究極的な理想は、平和である。」
 2003.05新刊
 (歴史政治関係)
「渡部昇一の昭和史」これが常識!日本が日本の立場で発する歴史認識
 
渡部昇一著(WAC BUNKO)
「今の日本に必要なのは、明治以来の日本の歴史を日本の立場から見直すことである。その見方が、コリアやチャイナの立場から見たものと異なっていても、それは当然である。」(渡部昇一氏)
 渡部氏独自の視点から、日本の昭和史を時事問題として捉え、日本人にとっての歴史認識を、熱っぽく語っている。
 2003.05新刊
 (政治経済関係)
「ネオコンの論理」アメリカ新保守主義の世界戦略
 
ロバート・ケーガン著(光文社)
強い軍事力を背景としたアメリカの世界戦略理論がわかる。9.11以降、アフガン攻撃から、イラク戦争まで、アメリカの2度の武力行使までの行動の背景は、ネオコンの論理である。
 アメリカ超大国の一極支配による、最近の世界の動きの中で,日本のおかれる立場は?イラク戦争の戦後処理はどうなるのか。有事法制の先にある日本の自衛隊派遣問題は。アメリカの世界戦略が見えてくる一冊である。(和田)

 「ヨーロッパは軍事力への関心を失った。(中略)歴史の終わりの後に訪れる平和と繁栄の楽園、十八世紀の哲学者、イマヌエル・カントが『永遠平和のために』に描いた理想の実現に向かっているのだ。これに対してアメリカは、歴史が終わらない世界で苦闘しており、十七世紀の哲学者、トマス・ホッブズが『リバイアサン』で論じた万人に対する万人の戦いの世界、国際法や国際規則が当てにならず、安全を保証し、自由な秩序を守り拡大するにはいまだに軍事力の維持と行使が不可欠な世界で、力を行使している。」――『はじめに』より

なぜアメリカは軍事力中心でしかものを考えられないのか――?(光文社)
在ヨーロッパのアメリカ人ジャーナリストによる、既に分裂した欧米の比較と分析。 (光文社)