第12巻第11号              1999/8/1
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DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY

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毎月1日発行[発行責任者:守 一雄]

(kazmori@gipnc.shinshu-u.ac.jp)


 夏休みです。暑いです。暑いので書名を5冊分並べて、少し手抜きです。

 『週刊金曜日』に連載されているものをまとめた本『買ってはいけない』がベストセラーになっているようです。私も買おうと思って手にしたのですが、「買ってはいけない」と書いてあるので買いませんでした、というつまらないギャグはやめて、その本の著者の一人、船瀬さんの本を紹介しようと思います。5冊並べましたが、どの1冊を読んでもかまいません。(『買ってはいけない』は妻が買っていました。実は、ここで紹介する本も妻が買っていたものです。妻はこの本を読んで、化粧品を全部捨ててしまいました。)                                   (守 一雄)


【これは絶対面白い】

船瀬俊介

『どうしても化粧したいあなたに』
『続どうしても化粧したいあなたに』
『続々どうしても化粧したいあなたに』
『買ってはいけない化粧品』
『続買ってはいけない化粧品』

三一新書\800-850


 「有害な紫外線をカットする」と宣伝されていた「UVケア化粧品」に、実は「紫外線をカットする効果はなかった」ことがバレ、公正取引委員会が大手化粧品メーカー各社に警告を出したのは1996年のことであった。それでも化粧品メーカーはめげない。とにかく何かを厚く塗れば塗らないより紫外線カットはできるのだからと、ベットリと厚く塗れる別の商品を作って相変わらずUVケア化粧品を売り続けている。確かにペンキを塗っても紫外線は防げる。

 もともと10円程度の原価のものを1万円以上の値段で「正価販売」しているのだから、こんなに儲かる商売はない。そこで、まず莫大な宣伝費をかける。この宣伝費はテレビや新聞などマスコミの「口封じ」にも効力を発揮する。たくさんお金を払ってくれるお客様をマスコミが批判するはずがないからである。

 もちろんお金の力は政治家を取り込むことにも使われる。化粧品メーカーからは毎年たくさんの政治献金がなされている。官僚には天下りのポストを用意する。厚生省の元官僚は日本化粧品工業連合会の専務理事に天下っているという。学会にもお金が流れる。資生堂は、日本人の皮膚をの健康を守るべき皮膚学会の後援団体である。本音を言えば、皮膚科医は化粧品が売れなくなると患者が減って困るのだそうだ。そういえば、コスメトロジー(化粧品学)研究振興財団が年間2400万円の研究助成金を出すという広告が我が『心理学研究』にも載っていたぞ。(「よし、ここから少し研究費をコスメトロー」などと考えたりしたが、化粧品業界はもっともっと大規模に女性からコスメトッテいるのだ。「コスメとる」というよりも「ブッタくる」という感じだけどね。)

 「政官業」の癒着に加えて「学会」も「マスコミ」もグルになって、化粧品サギ商法で儲けているのである。エイズ薬害問題が起きたときの構図と同じである。というより、日本ではもうほとんどなんでもこの構図になってしまうのだ。

 男もダマされている。政官業学マスコミの男たちがバカな女をダマしているだけだと思っている男性諸君、君らも(「私も」だったけど)ダマされているのだ。男性用化粧品だけでなく、君の使っているシャンプーもリンスも化粧品と同じなんだぞ。さらには、大人だけではない、子どもまでダマされている。小学生の使っているリップクリームも口紅と同じなのだそうだ。唇の荒れを防ぐはず(うわーっ、手抜きのつもりがスペースがなくな


(っと言っても、このWeb版ではスペースに自由が利くので、この終わり方はヘンですが、紙版の方ではホントにここで終わっているんです。)(蛇足)
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