第4巻第8号                    1991/5/1
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DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY

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毎月1日発行[発行責任者:守 一雄]

(PDC00137, dmori@c1shin.cs.shinshu-u.ac.jp)



  信州大学大学院教育学研究科第一期生のみなさま入学おめでとうございます。
 DOHC(Dokusho One Hundred Club:年間百冊読書する会)は、1987年の春に発足した読書クラブです。「私もたくさん本を読もう」と思ったら、その時からあなたもDOHCの会員です。DOHCは「1212運動」を推し進めることを会員の活動としています。「1212運動」というのは、「1週間に2冊、1単位につき2冊、本を読む。」というものです。1年は約50週ですから1週間に2冊で年100冊になります。また、「1単位につき2冊の関連図書」を読むようにすれば、学部生はだいたい180-200単位取って卒業しますので、大学4年間で約400冊、つまり年平均100冊読むことになります。(と、ここまでは先月号の要約ですが、大学院生は2年間で30単位しか単位を取りませんので、1単位あたり7冊にしないと計算が合いません。コマッタ!!ま、とにかく、たくさん本を読んで下さい。)
 さて、大学院生には学術論文もたくさん読んでもらいたいと思います。行動生態学の城田安幸氏が以前『読書のいずみ(No.29)』で、「ある先生に弟子入りを希望したら、英語の論文を1日1本読むことという条件を出され、大学院修士の2年の時にやっと1年間で365本の論文が読めた、さあできましたとその先生のところに行くと、1年間に365本の論文が読めるだけの実力がついたら私のところに弟子入りする必要はありません、といわれた」という話をしていました。365本とはいかないまでも、ぜひ英語の論文100本読破にも挑戦して下さい。
 と、こんな話を書くと、うわぁ大学院生ってスゴイんだな、そんな大学院生を指導したり、そんな大学院を卒業してきた大学の先生は本当にスゴイんだなぁと思われるかも知れませんが、実はそうでもないという実情をバラしてしまったトンでもない本があります。こんな本は読んではいけません。     (守 一雄)

【これは絶対面白い(しかし読んではいけない)】

鷲田小弥太『大学教授になる方法』 

青弓社(\1545) 


  大学教授の生活を面白おかしく描いた小説に筒井康隆の『文学部唯野教授』があったが、あれはまがりなりにもフィクションであった。(もっとも、M大学の人はあれはうちのことだと言い、H大学の人もあれはうちのことだと言っていた。)しかし、この本は真面目なノンフィクションである。まえがきにも、「偏差値50前後の人なら、方法さえ間違えなければ、大学教授になれるということを紹介したハウ・ツウ本である」と明言されている。著者自身の実例や、今をときめく「パン・サル」栗本慎一郎氏の例、その他多くの実例が、実名あるいは仮名で紹介されている。モラトリアム時代の今こそ大学教授を目指すべきだ、と著者は主張し、そのためのノウハウをやさしく教えてくれている。大学院への入り方、論文の書き方、就職の仕方など、表街道だけでなく、裏街道についても教えてくれる親切さである。この本で、あなたも唯野教授になれる!!         (守 一雄)
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