第4巻第3号 1990/12/1
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DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY
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毎月1日発行[発行責任者:守 一雄]
(PDC00137, dmori@c1shin.cs.shinshu-u.junet)
1990年もあと一月を残すだけになりました。ここ3カ月ほど面白い本に出会わなくて、DOHCのネタに困っていたのですが、会員諸氏から情報をもらったり、そこそこ面白い本を見つけたりで、12月号ではどれを紹介しようか迷っていました。ところが、先月末になって、この本が出版されたため、今月号はこれで決まりとなりました。その本とは、竹内久美子『男と女の進化論』です。「読んだ後他人に話さずにはいられない」という本に本当に久しぶりに出会いました。 (守 一雄)
【これは絶対面白い】
竹内久美子『男と女の進化論』
新潮社1,250円
竹内久美子3冊目のこの本は、1冊目の「大胆な解釈」、2冊目の「大胆な仮説」を超越して、ついに「大胆なホラ話」となった。ホラ話は大胆でトッピであるほど面白いのだが、本当に面白いホラ話でいっぱいである。しかし、このホラ話、ダーウィンの進化論程度には信じられる。読むと信じ込まされる。
早く内容を言いたくてウズウズするけど、ヘンにしゃべって面白さを損なってはいけないので、以下に目次を列挙することにする。(ああ、しゃべりたい。)
「女のシワはなぜできる?」「背の高い男は何故モテる?」「上流夫人は何故老けない?」「口のうまい男がモテるワケ?」「理科系男の歴史」「子どもっぽい女に男は何故ヨワイのか?」そして、キワメツケは「男を恐怖のどん底に陥れるハゲ--その真相に迫る」(あなたはもう読まずにはいられない。そして、1冊読んだら、残りの2冊も読まずにはいられないヨ。) (守 一雄)
【竹内久美子の本あと2冊】
日高敏隆・竹内久美子『ワニはいかにして愛を語り合うか』
PHP研究所1,000円
京都大学理学部動物学教室の日高先生が筆頭著者になっているが、実質的には教え子の竹内久美子さんの処女作。専門の動物行動学を背景にしながらも、研究者の立場を離れることによって大胆な解釈がなされているために、とても面白い。ただ、日高先生に遠慮してか、他の2冊に比べ、まだホラが少ない。
竹内久美子『浮気人類進化論』
晶文社1,200円
DOHC1989年3月号で紹介済み。本のタイトルの意味するところは、「人間は男女ともいかにしてうまく浮気をするかということに頭を使ってきた、だから人間は知能が進化したのだ」というトンデモナイ説。動物行動学を基にヒトの男女関係についての大胆な仮説が散りばめられていて、人間を見る目を変えてくれる。 (守 一雄)
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