第11号                          1988/8/1
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DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY

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毎月1日発行[発行責任者:守 一雄]


 読書をする理由として、(1)その領域に興味があるから、面白いからという主体的なものと、(2)仕事上必要だから、課題を出されたからという主体的でないものの2種類があると思われます。(1)のタイプの読書は楽しく、内容も良く頭に入り、理想的なものですが、(2)のタイプはどうしても苦痛になりがちで、内容もよく理解できないことが多いものです。学生に課題図書を課してはきているものの、やはり読書は(1)のタイプでないとダメなことは良く判っているのです。それでも、最近ひょんなことから、(1)でも(2)でもない第3のタイプの読書があることに気づきました。最愛の息子が恐竜を好きになり、せがまれて、子ども向けの本を読んでやったり、「パパは何でも知っててすごい」と思わせるために大人向けの本も読んでネタを仕入れたりしているのですが、ちっとも苦にならないのです。主体的でない(2)のタイプの読書なのに、(1)のタイプの読書のように楽しく、内容も良く頭に入るのです。これは大発見でした。学生諸君の場合に置き換えれば、かわいい彼女が専攻しているから西洋史の本を読むとか、いとしの彼が好きな作家の作品を読むとかいったところでしょうか。お試し下さい。   (守 一雄)
 そんなわけで、今月号は恐竜の本だ!!!

【これは絶対面白い】  


ヒサ クニヒコ「恐竜図鑑」新潮文庫 \480  
恐竜の専門家ではないが、恐竜が好きでたまらないという人が書いた本。どこを読んでもスゴク楽しい。夏休みにはこの本をポケットに入れて、茶臼山恐竜公園に行こう。(ペルム紀のディメトロドンなど3種と翼竜のプテラノドンは厳密な意味で恐竜ではないので、この本には載っていない。トラコドンはハドロサウルスとして載っている。)
D.ピーターズ「巨大生物図鑑」偕成社 \3800  
恐竜だけでなく、ゾウやキリンからクジラまで、地球上に生息したすべての巨大な生物を1/22.5の縮尺に統一して描いたもの。45cm離してみると、実物を10m離れたところから見たことになる。写真のように写実的で、また、現存する生物といっしょに描かれているため、恐竜が本当に身近に感じられる。
長谷川善和ほか「地球絶滅恐竜記」竹書房 \8800  
これで決まりという感じだが、何とも高い。この6月に出たばかりなので、内容も最新で、参考文献のリストも豊富。ただし、索引がないという重大な欠点がある。(実は、お奨めしているのではなく持っていることを自慢しているのだ。)

【恐竜情報】新宿紀伊國屋書店には恐竜本コーナーがあるぞ。
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html化1996.8.31