第7号                          1988/4/1
***************************************************

DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY

***************************************************

毎月1日発行[発行責任者:守 一雄]


【ご挨拶】

新2年生諸君、教育学部へようこそ。年度初めですので、DOHCとDOHC Monthlyについて簡単に紹介させていただきます。DOHC(Dokusho One Hundred Club:年間百冊読書する会)は、昨年の春に発足した読書クラブです。会合を開いたり、会費を取ったり、会員名簿を作ったりというような活動は一切していませんが、「私もたくさん本を読もう」と思ったら、その時からあなたもDOHCの会員です。DOHC Monthlyは、会員拡大のための宣伝を兼ねた書評ミニコミ紙です。面白い本を皆で推薦し合いたいと考えています。最近読んだ本で面白かったものを推薦文とともに守(N224)まで知らせて下さい。学生・教官とも歓迎いたします。

【「1212運動」について】

 DOHCには会則はありませんが、「1212運動」を推し進めることを会員の活動としています。「1212運動」というのは、「1週間に2冊、1単位につき2冊、本を読む。」というものです。1年は約50週ですから1週間に2冊で年100冊になります。また、「1単位につき2冊の関連図書」を読むようにすれば、ここの学生はだいたい180-200単位取って卒業しますので、学生時代に約400冊、つまり年平均100冊読むことになります。(もっとも、そんなことになったら、とても今みたいに200単位も取って卒業することはできなくなるでしょう。それでも、授業の関連図書だけを読むわけではないでしょうから、年間100冊はやはり実現するでしょう。)                          (守 一雄)

【これは絶対面白い】

広瀬 隆『億万長者はハリウッドを殺す』

(上下)講談社 各\1,200


19世紀末から20世紀の戦争・政治・経済・科学技術・映画界はモルガン・ロックフェラーのアメリカ2大財閥の思うままに動かされてきた。ファシストを叩きつぶすための戦争も、民主主義のための政治も、自由主義の経済も、人類の発展のための科学技術も、楽しみのための映画・テレビもみんな嘘だった。歴代のアメリカ大統領もこの2大財閥の使用人に過ぎない。近代史・現代史を見る目すっかり変えさせてくれるスゴイ本。
100名をゆうに越える歴史上の人物が登場し、「人道主義の大統領」、「今世紀最大の発明家」、「大西洋横断の英雄」、「篤志の慈善事業家」、「漫画王」、「OPECの石油相」などの仮面が次々と剥されていく。固有名詞が氾濫し、それらが互いに関わり合っているためすこし読むのに苦労するが、読みだすと止められない。
歴史の勉強は大嫌いだったが、歴史というのは、しっかりとした視点で見さえすれば、こんなにも面白いものなのだ。   (守 一雄)
バックナンバーメニューに戻る。