第4号                          1988/1/1
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DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY

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毎月1日発行[発行責任者:守 一雄]


 新年明けましておめでとうございます。DOHCは去年の4月に発足し、このDOHC Monthlyを10月から発行してきましたが、徐々に会員も増え、今年はさらに大きく発展できることと期待しています。新年は新しいことを始めるいいチャンスです。DOHCには会費も会則もありません。ぜひ、あなたも参加してください。                      (守 一雄)

【これは絶対面白い】

広瀬 隆『危険な話:チェルノブイリと日本の運命』

八月書館 \1600


 新年早々に不快な気分にさせる話で恐縮ですが、1987年に私が読んだ本の中で、一番刺激的だったものを紹介します。正真正銘絶対面白い(恐ろしい)本です。(1)チェルノブイリでの原発事故はソ連製の旧式な原発のずさんな管理が原因であると報道されてきたが、実は安全とされているアメリカや日本の原発と同じ安全装置が使われていたこと。(2)チェルノブイリの事故は不当に過小に報道されており、また、事故の被害はむしろこれから大きくなるということ。(3)日本の原発は実は極めて危険な状態に置かれていること。明日起こっても不思議ではないチェルノブイリ級の事故が33基ある日本の原発のどれに起こっても、チェルノブイリでの被害範囲から考えて、日本全土が汚染されること。(4)ジャーナリズムをも支配している原子力産業大資本が原発の危険性を隠ぺいし、危険性を知りつつ原子力利用を推進していること。の4点について、豊富な資料の裏付けにより、分かりやすく検証されています。
 「うそだ。」「大げさだ。」「著者は被害妄想にかかっているのだ。」とでも思いこまなければ、生きていかれないというのが、私の読後の真剣な感想です。敦賀に大きな原発基地を抱える福井県内の道路には県境のトンネルに大きな遮断機があって大事故の際には自動車をまったく通さないようにする準備がされているそうです。真偽を確かめるためにも、今度見に行ってこようと思っています。 (守 一雄)
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