第2号                          1987/11/1
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DOHC(年間百冊読書する会)MONTHLY

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毎月1日発行[発行責任者:守 一雄]


【第2号ご挨拶】

 第1号はおかげさまで好評で、会員数も増えました。(新聞にも取り上げられてしまいました。)

 「1212運動(1週間に2冊読む、1単位につき2冊読む(読ませる)」の普及を当面の活動にしようと考えております。第1号で【書評】となっていたのは「特に会員に奬めたい面白い本」という意味です。本号からはそのとおりの見出しに改めました。なお、本号よりハードカバー部門と文庫・新書部門との2本だてにしてあります。

 会員(会費ただ)と「これは絶対面白い」欄への投稿(書名・推薦文)を募集しています。教官・学生とも歓迎いたします。


【寄稿】

 DOHC発会おめでとうございます。まったく、大学生に1年間に100冊も本を読むことを勧めるなど、なんと、だいそれた考えを持ったことでしょう。しかし、これで信州大学教育学部もやっとひょっとすると大学の一つとして認められることになるかも知れません。

 先日、あるアメリカ人と話していた時、イギリスの大学生に比べると、同じ年齢ならアメリカ人は高校生で、日本人は中学生だという話を聞きました。大学に入ってくるまで、教科書と参考書、それに学校からの課題図書ぐらいしか読んだことのない大学生がほとんどだという大学などめったにないこととは思いませんが、大学に入ってきて、何を勉強したら良いのか、何を読んだら良いのかを先生に教えてもらおうなどというのは、なんと見上げた心がけなのでしょうか。

 ということで、早くDOHCが解散されることを願ってお祝いの言葉といたします。DOHC万歳!! (川島一夫)


【これは絶対面白い】

高野陽太郎『傾いた図形の謎』

東大出版会 1987初版 1,800円


「図形を傾けると見え方が変わってくるのはなぜか」という問題について「本格推理小説風」に書いた学術書。エラリークイーン流の読者への挑戦もある。松原仁氏によるSF風の解説がついている。学術書は本来面白いものなのだということを再認識させてくれる。   (守 一雄)

吉田ルイ子『吉田ルイ子のアメリカ』

講談社文庫 1986初版 480円


 「少年マガジン」と同じ紙が使ってあるから、厚い本なのにすぐ読み終わる。マンガ世代向きの本。女性カメラマンが見たアメリカの知られざる部分の紹介。男女関係、人種問題、宗教問題など教えられるところが多い。 (守 一雄)
【ニュース】

 昭和62年10月26日の読売新聞によると、日本人成人の37%は調査の実施された9月前後の1カ月間に1冊も本(文庫本を含む単行本)を読まなかったと回答している。5冊以上読んだと回答したのは9.5%であった。


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