毎月1日発行[発行責任者:守 一雄]
(kazmori@gipnc.shinshu-u.ac.jp)
雪印、日本ハムと続いた大企業の不祥事隠しが、また発覚しました。今度は東 京電力です。福島県と新潟県にある13基の原子力発電所で、80年代後半から90年 代前半にかけて自主点検記録に29件もの虚偽の記載をしていたことが、内部告発 をきっかけにバレました。雪印・日本ハム同様、社長をはじめとするトップが辞 任に追い込まれることは必至ですが、それだけで終わらせてはなりません。雪印 製品や日本ハム製品は消費者からボイコットされ、スーパーから引き上げられま した。これと同様に東京電力に対しても「会社の存亡が危ぶまれるくらいまで社 会的な制裁をすべきだ」と思います。しかし、電力会社の場合には地域ごとに独 占市場になっているため、東京電力「製品」をボイコットしようとすると、電気 そのものを使わないでいる以外にないわけで、牛乳やハムのように他社の製品で 済ますわけにいきません。だからこそ、電力会社は一般消費者である国民をなめ きっているわけです。「どうせ電気は使わずにはいられまいって」(電力会社の 陰の声)。
現に今までも原子力発電所で小規模な事故があるたびに、報告の遅れや過小報 告などのごまかしを続けてきた前科があります。ごまかしがバレてもトップが 「形だけ」謝罪すればそれですんできちゃったため、消費者はすっかりなめられ ているのです。
今回はなめたマネを許してはなりません。少なくとも次の2つはできるはずで す。
(1)徹底的に節電する。
「地球環境を守るため」とか「教育研究費を節約するため」とかいった、やた ら大きな目的や逆につましい目的での節電はなかなか実行に移せないものです。 しかし「東京電力に制裁を加える」という目的ならやれるんじゃないでしょう か。一人二人が電力消費を減らしても東京電力全体では痛くも痒くもないでしょ うが、少なくとも「消費者の意志がわかる程度」にまで減れば、電力会社も少し は慌てるでしょう。「目標5%削減」
(2)10月26日土曜日正午から5分間電気使用を一切ストップする。
東電全体から見れば一人ひとりの電力使用は微量ですから、たとえ丸一日電気 を使うのを止めてみたところで、これもまた気づいてももらえないでしょう。そ こで、「みんなで一斉に電気を止める」ことにしないと効果はでません。一斉に 止めればホンの5分間だって東電はビックリするはずです。ただ、問題はその5 分間をいつにするかですね。もう少し前なら、「終戦の日の黙祷の時」なんかが 使えたんですが・・・。そこで、ちょっと先になりますが、来月10月26日の「原 子力の日」はどうでしょう。土曜日で、会社や学校も休みなので電力使用総量も 少ないでしょうから、一斉ストップの影響も表れやすいはずです。正午から5分 間(できればその後もできるだけ長く)電力利用を一切ストップする。冷蔵庫と か待機電力とかの「見えない電気使用」も断ち切るため、ブレーカーのところか ら完全シャットアウトしちゃうのがいいですね。
電気を使うのは止められないけど東電に制裁は加えたいという人は使いすぎる とすぐブレーカーが落ちるように「契約アンペアを下げる」のはどうでしょう? 電力料金の自動引き落としを止めて、面倒でも支払いに行くようにする手もあり ます。ちょっと支払いが遅れるときっとあっちから電気を止めてくれます。 (守 一雄)
大企業がごまかしをしても「最後には法律がそれを裁いてくれる」と思ってい たら、司法の世界にもごまかしが横行していることがわかった。「司法修習生」 というのは、司法試験合格者が裁判官・検察官・弁護士のどれかになる前に、司 法研修所というところで国から給料をもらいながら最後の勉強をするときの身分 で、「司法のタマゴ」である。東電の不正も内部告発で明らかになったが、この 本もそのタマゴたちによる「内部告発」である。検察庁の調査活動費についも、 大阪高検前公安部長・三井環氏が内部告発しようとしていた。(ただし今は別件 で逮捕されている。真相が早く明らかにされることを望む。)しかし、裁判所や 検察庁にはどう制裁すればいいんだろうか? (守 一雄)