毎月1日発行[発行責任者:守 一雄]
(kazmori@gipnc.shinshu-u.ac.jp)
新入生の皆さんご入学おめでとうございます。
DOHC(Dokusho One Hundred Club)は、1987年の春に発足した読書クラブです。特別な活動は一切していませんが、「私もたくさん本を読もう」と思ったら、その時からあなたもDOHCの会員です。「1週間に2冊、1単位につき2冊、本を読む」という「1212運動」が会員の唯一の活動です。1年は約50週ですから1週間に2冊で年100冊になります。また大学における1単位は45時間の勉強時間(=1週間の勉強時間)ですから「1単位につき2冊」も「1週間に2冊」も結局は同じことになります。
この「DOHC Monthly」は、会員拡大のための宣伝を兼ねた書評ミニコミ紙です。本は読みたいけど何を読んだらいいかわからないという人のために、【これは絶対面白い】という本を毎月1回紹介してきています。「DOHC Monthly」は、授業で配布したり、学内に掲示したりするほか、電子メールで全国の会員にも配布されています。研究室(教育学部北校舎N224室)前の箱からも自由にお持ち下さい。また、バックナンバーもインターネットhttp://zenkoji.shinshu-u.ac.jp/mori/dohc/dohchp-j.htmlで読めます。 (守 一雄)
数百億円を投じて建設されるコンクリートのダムは、看過し得ぬ負荷を地球環境へと与えてしまう。さらには、いずれ造り替えねばならず、その間におびただしい分量の堆砂を、これまた数十億円を用いて処理する事態も生じる。(中略) よしんば、河川改修費用がダム建設より多額になろうとも、100年、200年先の我々の子孫に残す資産としての河川・湖沼の価値を重視したい。長期的な視点に立てば、日本の背骨に位置し、あまたの水源を擁する長野県においては出来うる限り、コンクリートのダムを造るべきではない。 就任以来、幾つかのダム計画の詳細をつまびらかに知る中で、かくなる考えを抱くに至った。これは田中県政の基本理念である。「長野モデル」として確立し、全国に発信したい。(後略)
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平成13年2月20日 長野県知事 田中康夫 |
それにしても「知らない」ということは罪なことである。ダムについて、このどちらかの本に書かれていることの一部だけでも知っていたなら、「なんとなく容認派」や「消極的な賛成派」にはならなかっただろう。テレビも新聞も、学校でさえも、ダムの問題点は指摘されてこなかった。いや、あるいは少しは触れられていたのかもしれない。しかし、それをすっかり包み込むように「ダムの利点」が強調されていたため、問題に気づかないようにされていたのだろう。その結果、国民や県民のほとんどが「なんとなく容認派」になってしまっていたのである。
「なぜ、テレビや新聞や学校ではダムの問題点が指摘されないのか?」DOHCの会員ならすぐにその答えがわかるはずだ。それでも、新会員やまだ会員になってない学生にはわからないかもしれない。答えを知りたい人はぜひDOHCの会員になってもらいたい。
まずさしあたっては、上記2冊のどちらでもいいから読んでみよう。答えがわかる。今ならどちらの本も長野県内の本屋さんに平積みになっている。どちらを選んでも、読み終わった後、「長野県民であることが誇らしく思える」というオマケつきだ。(守 一雄)