| 30番、日本共産党長野市議団の原田誠之です。浅川河川整備計画の早期樹立を求める意見書案に反対の立場から討論します。 長野県知事宛の本意見書案では、平成16年7月の豪雨災害や地球規模の異常気象による雨量の異常を指摘しつつ、さらに、台風23号による浅川での流出量が治水安全度100分の1にも行かないのに、下流域は100ヘクタールの洪水被害のあったことを指摘し、住民の生命と財産を守る上で、治水対策における県の対応に対して遺憾だと表明しています。そして、安全度100分の1、基本高水450トンで河川整備計画を早期に樹立すべきと強調しています。 最初に、1昨年10月の23号台風による浅川下流域における洪水被害についてであります。 このときの降雨量は100年に1回に匹敵するものでありましたが、中流域の冨竹では、260トンに対して44トン、千曲川の合流地点では基本高水450トンが120トンの測定でありました。それにもかかわらず、洪水被害のあったのは、千曲川の増水による逆流を防ぐために、水門を閉めざるを得なかったことが主な理由であります。しかも、行き場のない浅川の増水を、ポンプアップで千曲川に排水すべきところが、一部排水能力が落ちて十分な機能が果たせなかったところに原因がありました。千曲川と浅川との落差は4〜5メートルあり、千曲の増水は下流域の内水災害につながることは、当然で今回はそのことを改めて立証されたのです。基本高水100%の千曲川の速やかな改修や浚渫、および、今県も改善しようとしている、44トンの排水ポンプを70トンに引き上げる計画がありますが、長野市や市議会は県と協働して、国に引き続き要請したいものです。 意見書案はさらに、浅川治水対策について、知事の脱ダム宣言以来、代替案が示されていないので、流域住民の不安を放置しているといっています。 県は、今後20年間で上流部は30分の1、下流部で60分の1の整備計画と、さらに遊水地や浚渫をしながら安全度を高めていくとした計画案をしめし、国土交通省へも説明し、問題点や疑問点も指摘され現在、県内部で検討しており、協議が進行中です。けしていたずらに放置しているわけではありません。 先般、国土交通省の河川局幹部と「9年前に改定された河川法に基づき、長野県が作った案を国は認可しないのか」と懇談をしてきました。河川局河川計画課調整室課長補佐・治水課企画専門官・関東地方整備局河川調査官が対応してくれましたが、「12月16日に示してくれた「県案」について技術的に不明なところがあるので答を待っている」とのことで、県は先に申し上げましたとおり検討している最中であります。 不明朗な点は、基本的な計画の考え方。上流で30分の1、下流で60分の1とした考え方は。ため池と2つの遊水地の設置をしようとしているが、浅川は急峻で、勾配の急なところに遊水地を作るのは技術的に難しいのではないか。全国的に例がない。などで、国が指摘したこれらの問題点を、県は克服のために検討しているのです。 参加者からは、「11メートルも川を切り下げて、天井川を解消したので、問題は千曲川の合流点での内水対策と千曲川の改修である」ことを伝え、「納得できる県案であれば認可してくれるのか。」と質問したら、河川局は「県の案は間違っているわけではない、疑問点が解消されれば認可は可能で、長野県が自らの予算も考え妥当な計画であれば認可する」と明確に答えました。県案のうち今問題となっている、48万5千トンの貯水能力の持つ遊水地の案について、長野市は、田んぼや果樹園など優良な農地は無理だとしていますが、県は洪水になったときの貯水池、遊水地としての機能をもたせたいとして利用したい旨提案しています。県は農家の皆さんはじめ関係者と意見交換をしているようでありますが、用地買収なら同意できるのでは、との声も寄せられているようであります。 長野市や市議会は、少しでも安心・安全な住環境を築いていくためにも、県との協働は欠くことが出来ません。意見書案がいっているように、実現可能で住民の理解の得られる「河川整備計画」は、出来るものから順次行えば、安全度は日々高まっていきます。 問題は、意見書案の「安全度100分の1、基本高水450トンの充足」の計画は、市長が個人的意見としていますが、「そろそろ、根本に戻ってダムをやるべきかと思う」と記者会見で述べたことと通ずるのであれば、新しい河川法の精神とは外れてしまいます。全国で新しい河川法に基づき河川の整備計画を準備していますが、全国で河川整備計画を持っている河川は、国直轄河川で信濃川など109水系のうち、15の河川のみと国交省河川局での話でありました。千曲川も同様ですが、膨大な改修予算で財源が必要なことから、国はもちろん、県はじめ地方でも予算を考慮し、安全度は20分の1,30分の1で20年、30年かけた整備計画で検討中なのです。意見書案の言う、安全度、基本高水100%は、国の考えや全国の土木行政の流れとも相反するのではないでしょうか。よって、本意見書案には反対を表明して討論とします。 |