MY植物図鑑

(カ行)
    


カキドオシ (シソ科)
山というより野の花、道端の花といったほうがふさわしい。
茎がつる状になって地表を這い、垣根を通過するほどに生育力旺盛なことからこの名前がついたと言われる。
地上に姿を現した茎は、直立した形で20cmくらいまで成長し、4〜5月ごろ、上部の葉の脇から、唇のような形をした薄紫色の花を咲かせる。その後、茎は倒れて地表を這うようにして伸びていく。
 胆嚢、尿管結石、糖尿病などに用いる漢方薬にもなる。

長野市茶臼山('04.4.24)



カタクリ (ユリ科)
1枚の葉ができるのに3年、2枚目の葉ができるまでにさらに3年、6年たってようやく、その可憐な花を咲かせる早春花。かつては、鱗茎から片栗粉を作った。
長野市里島発電所、牟礼村矢筒山公園、戸隠荒倉など


長野市里島発電所(00.4.8)



カライトソウ (バラ科)
高山帯の草地に見られ1mほどの高さにまで伸びる。5〜10pの花穂は先端から順次咲いていく(有限花序)。根元に近いほうから咲き始める(無限花序)ヤナギランなどとは反対の咲き方である。
唐糸草と書き、紅紫色の垂れ下がる花序を中国から渡来した綿糸(唐糸)に見立てたところから名がついた。



戸隠森林植物園('03.7.26)

カラマツソウ (キンポウゲ科)
キンポウゲ科なのに名前がカラマツという摩訶不思議な植物。花弁はなく、花のように見えるのはおしべである。カラマツの葉に似ているところからついた名前だと想像がつくが、なにゆえにあの可憐なミヤマキンポウゲと同じ仲間なのか…、分類学上で整理したみた。
(1)被子植物門…雌しべにある胚珠が子房につつまれている。
(2)双子葉植物網…種子が発芽するとき最初に出る葉が2枚(単子葉は1枚)
(3)離弁花亜網…花弁が1枚づつ離れている。(花弁がないのも含む)
(4)キンポウゲ目
(5)キンポウゲ科…花弁がないとか目立たないという点で似ている。
    ↓ここから先が分かれる。
(6)カラマツソウ属(カラマツソウ、・・・)
   キンポウゲ属(ミヤマキンポウゲ、・・・)
湯の丸池の平('01.7.7)

ガンコウラン (ガンコウラン科)
高山帯の砂礫地に群生する常緑の小低木。花を紹介した図鑑は少ないが、紅色の小さな花が6〜7月に咲くそうである。筆者は写真の状態しか見たことがな い。この果実はほろ苦く甘い。
岩高蘭と書くがラン科の植物ではない。


四阿山(00.8.15)

キオン (キク科)
山地の草地に生える多年草。ハンゴンソウかなと思って近づくと、「あれ、葉の形が違うぞ」、これがキオンである。ハンゴンソウの葉は羽状に3〜7に深く裂けているのに、キオンは広披針形〜長楕円形で分裂しない。ふちに浅い鋸歯がある。



飯綱大谷地湿原('01.8.26)

キクイモ (キク科)
花が菊に似ていて根に芋ができるからキクイモ、単純明解な命名である。江戸時代末期に海外からやってきて、その後食用に栽培された時期もあったようだが、現在はその名残りで野生化したものが残っている。
花葉とも簡単な造りなので物体としての熱意が感じれられず、山に存在するのもミスマッチのような気もするが、山に咲く花が少ない時期の貴重な花だ。

長野市台ヶ窪('02.10.14)

キクザキイチリンソウ (キンポウゲ科)
アズマイチゲと見間違うことが多いが、葉の切れこみ具合で区別。戸隠では薄紫のことが多いので、これも識別要素。 花弁状のものはがく片。別名、キクザキイチゲ。


戸隠天命稲荷(99.5.1)

キショウブ (アヤメ科)
明治時代に輸入栽培されたのがきっかけだそうだが、いつのまにか山野にまで広がり、その強靭ぶりがうかがえる。菖蒲湯のショウブは、白い部分を剥ぎ取られたミズバショウのような感じの花で、分類上もアヤメ科ではなくサトイモ科である。
アヤメ、カキツバタとの違いはヒオウギアヤメの項を参照

飯綱大谷地湿原('02.6.15)

キツリフネ (ツリフネソウ科)
湿った林内や湿原などに生える1年草。ツリフネソウの黄色タイプだが、他にも相違点がたくさんあるので、表にまとめてみた。

キツリフネ ツリフネソウ
花(正しくは"萼片")の色 紅紫
距(花の根元の部分) 垂れ下がった感じ くるりと巻き込んでいる
花の咲き始め やや早い やや遅い
生育地の標高 やや高い やや低い

実が熟してパンパンに膨れ上がると、果皮が急に裂けて、種子を勢い良くはじき飛ばす。学名のImpa-tiens(ラテン語)は「我慢できない、耐えられない」の意味である。

品沢高原('03.9.7)

キバナノカワラマツバ (アカネ科)
野の花として紹介されている本もあるが、私が意識して見たのは標高千六百メートルの砂礫地だった。草原の中にあったら目立たない雑草の類になってしまうかもしれない。黄花の河原松葉と書き、その名のとおり松葉のような線形の葉を持つ。花期7月。

遠見アルプス平(00.7.16)

キバナノヤマオダマキ (キンポウゲ科)
オダマキとは麻糸を巻く管のことで、拒の立った花の形がこれに似ているところから命名。紫のがく片のものをヤマオダマキといい、黄色のものを、キバナノ〜という。ツリフネソウとキツリフネなど一般に黄色は特別扱い。ムラサキバナノヤマオダマキでは呼びにくい。

菅平裏太郎山腹(99.7.20)

キブシ (キブシ科)
山の中には、いろいろな演出をする植物があるものだ。雪解けが盛んな頃のセピア色の山林の中で黄色いぼんぼりを下げている。
キブシは発音では3文字なのに漢字だと4文字で「木五倍子」と書く。漢字にもサイレント文字があったのを初めて知る。
果実を五倍子(フシ)という黒色染料の代用に使うので木五倍子の名がついた。昔はお歯黒の原料として使った。

花に止まっているのは成虫のまま冬を越したクジャクチョウ、いったい雪の下でどんな生活をしていたのだろう。

大町市龍神湖畔('02.4.15)

キンミズヒキ (バラ科)
全国各地の山野に自生する多年草。黄色の細長い穂をのし袋につける金色の水引にみたてたもの。なんともありがたい、めでたい名前を頂戴したものである。これが秋に実になるとトゲ状になり衣服にくっついて、ありがたいどころか迷惑この上ない代物になる。ミズヒキという植物もあるが、これはタデ科であり、性格が全く異なる。色は紅白系だがおせじにも「水引」に似てますねとは言えない。


戸隠高原('01.8.26)

ギンリョウソウ (イチヤクソウ科)
葉緑素がなく純白になっているが植物であり、銀竜草と書く。別名はユウレイタケ。
エライ花もあったもんだ。色がつけばコマクサになれるのに。
触れるのもいやだと思いながらそっと触れてみたら、なかなかどうして肉厚でしっかりとした感触、かわいた感じであった。
山地の薄暗い林内のやや湿り気のあるところに生える。

木島平村カヤの平('02.7.7)

キンロバイ (バラ科)
高山帯の岩れき地に生育する落葉低木。園芸目的の盗掘が相次ぎ自生種は絶滅危惧種にあげられている。
金露梅と書き鮮やかな黄色の花が特徴的であるが、山野草店で鉢植え7,000円の値札を見た時は哀しくなった。自然の中で会いたいものだ。



志賀高原東館山高山植物園('02.8.8)

クガイソウ (ゴマノハグサ科)
輪生する葉が層をなしているところから九蓋(階)草と名付けられたと聞くが、九層まであるのはまだ見たことがない。昔の人は"多い"ことを"9"と表現したのだろうか。後述のクリンソンも同様の名である。
高山植物図鑑にも載っているほどで、低山から亜高山帯まで広く生えている。

霧ケ峰(01.07.29)

クサボケ (バラ科)
庭先に植えられているボケは中国原産であるのに対して、クサボケは日本原産の野生種である。名前のとおり、ボケより背が低く、地面を這うようにして茎を伸ばしていく。
この花、ユキツバキなどと同様、美しく咲いているものを見つけるのがむずかしい。たいていは色が褪せているか、花びらや葉が傷んでいる。
左の写真は、隠れるように咲いていた比較的色の良いものを撮ったもので、撮影後にまた元の状態に戻してあげた。
ちなみに、ボケは木瓜(木のウリ=実が瓜に似ている)であって、痴呆の呆けではない。

飯綱大谷地湿原('04.5.22)

クリンソウ (サクラソウ科)
山地に生える植物としては派手目な存在。すらっとのびた茎に輪生した多数の赤紫色の花を何段にもわたって咲かせる。花が9層になって輪生するという意味で「九輪草」と名づけられた。おしべの方が長い花とめしべの方が長い花が混在する。

戸隠鏡池〜天命稲荷(99.6.19)

クルマバツクバネソウ (ユリ科)
クルマ〜という植物は数多く存在するが、同じ仲間であることはまずない。これはツクバネソウの葉っぱが多いタイプという意味だ。頭もだいぶ派手に飾っており、元種とは感じが異なる。
糸状に垂れ下がっているのも花(内花被片)で、これはツクバネソウにはない。披針形の4枚が外花被片ということになる。
癒し系の植物が多い中で、激励系の花と感じるのは筆者の偏見だろうか。

戸隠鏡池〜天命稲荷('02.06.01)

クルマムグラ (アカネ科)
花は小粒だが、6枚の輪生した葉からにょきっと茎が出た姿が印象的。クルマバソウと似ているが下表のように随所に違いが見られる。

       クルマバソウ クルマムグラ
茎の形 円柱形 四角柱形
輪生葉の数 6枚〜10枚 ほとんど6枚
花 期 早い 遅い

鍋倉高原(99.6.13)

クルマユリ (ユリ科)
ついに出会ったクルマユリ。ユリといえばコオニユリだと思うほどに最近は高山に登っていない。あらためて実感した。
クルマユリはコオニユリよりずっと高いところ、亜高山帯から高山帯に生育する。輪生状についた葉、そして強く反り返った花被片、鮮やかな橙赤色、・・・高山に来て目にすることができる姿形だ。
さらに、写真のクルマユリは花被片に斑(ふ)(=小さい黒点)がないのだ。フナシクルマユリといって上信国境に多い変異型である。

岩菅山('03.7.31)

クロユリ (ユリ科)
暗紫褐色の花びらも異色ながら、悪臭があることは知らないほうが幸せかもしれない。出会うことが少ない花だけに、写真などを目にすると、その時々の思い出が鮮明によみがえる。初めての出会いは20数年前の八ヶ岳の西天狗だった。

乗鞍高原(00.7.29)

ケショウヤナギ(ヤナギ科)
垂れ下がるのばかりがヤナギではない。300種類もあるヤナギのうち、このヤナギは早春の芽吹きの前に、幼木の赤い枝が白いロウ質で被われて白く見えることから化粧柳と名付けられた。北海道と上高地、梓川流域でしか見られない貴重な樹木である。
撮影地の梓川橋付近は群生地として有名。上高地まで行かなくても楽しめる。

梓川村 梓川橋上流の河川敷 ('02.3.9)

コアジサイ (ユキノシタ科)
アジサイの仲間ではあるが、アジサイを特徴づける装飾花(本当はガク)を持たない。
雑木林に生え、花期は6月。咲き始めは淡い青色がかったものが多いが、次第に色褪せてくる。花弁5枚、おしべ10本と先が分かれためしべ1本で1ユニット。それらが多数集まって咲くさまは、本家アジサイとは違う華やかさがある。



経ケ岳自然植物園 ('04.6.13)

コウリンカ (キク科)
日当たりの良い山地の草原に生える多年草。紅輪花と書く。
茎葉はやや茎を抱く形の披針形で、その両面に綿クズのような白いクモ毛がある。
頭花は6〜13個がやや散状につく。まわりの舌状花は、出揃うと下に垂れ下がるので、だらしないような、萎れたような感じに見えるが、咲き始めは生気に満ちていて実に美しい。


高ボッチ('04.6.27)

コオニユリ (ユリ科)
どこが違うかと訊ねられても花の形からだけでは他種と見分けがつかない。ところが決定的な違いが下表のようにたくさんある。

 クルマユリ コオニユリ  オニユリ
分布 亜高山帯〜高山帯   山地 野原、田の畦
葉のつきかた     輪生 輪生でない 輪生でない
茎の色   緑色 紫色を帯びる
むかご     なし   なし    あり
全体的大きさ   中    大

四阿山登山道沿いの牧場(99.8.20)

コケイラン (ラン科)
山地のやや湿った林内に生える。花期は6月ごろ。
長野県では絶滅危惧U類(T類ほどではないが、絶滅の危険性が増大している)に分類されているだけあって、なかなか見つからない。
中国の尢魔ノ似ていて小型なのでこの名がある。別名ササエビネ(笹海老根)


戸隠森林植物園('04.6.17)

コケモモ (ツツジ科)
高さが20p位にしかならないがれっきとした樹木である。亜高山から高山帯にかけて普通に見られる。
葉は楕円形をしており中央に目立つ脈が1本通る。
秋に熟す甘酸っぱい果実は、ジャムや果実酒に利用される。
苔のように小さな桃からきた名前だが、富士山ではハマナシとも呼ばれている。


湯の丸池の平('02.6.26)

ゴゼンタチバナ (ミズキ科)
御前橘と書く多年草。御前は石川県白山の最高峰の名前。6枚葉と4枚葉の2種類存在するが、4枚葉の株には決して花がつかない。4枚葉がいつ6枚葉になるのか、それとも4枚葉のまま一生を終えるのか、観察するのは根気のいることである。中央のごちゃごちゃしたのが花弁。   

小遠見山〜アルプス平(00.7.16)

ゴバギボウシ (ユリ科)

ギボウシはつぼみが橋の欄干の柱頭につける擬宝珠に似ていることからきている。葉っぱの小さいのをコバギボウシ(小葉擬宝珠)という。似ているように見えるオオバギボウシとの違いを下表にまとめた。
  
 コバギボウシ   オオバギボウシ
  生育地  池や湿原の近く    山腹の草地
 葉の大きさ    小さい     大きい
  花の色     紫      薄紫  

志賀高原一沼('01.7.20)

コブシ (モクレン科)


      
実が握りこぶしのようになるところから名前がついた落葉高木である。早春の頃から大きな白い花をたくさん咲かせ一際目を引くが、非常に良く似ているものにタムシバがある。下表にそれぞれの特徴を示す。     
コブシ タムシバ
花のすぐ下に1枚の葉が  ある ない
葉の裏 緑色 白粉色
葉の形 横に広がった倒卵形 コブシより細長い
生育地 山のふもとや沢筋の比較的平らなところに多い 山腹や尾根筋の斜面、急斜面に多い  
花弁 やや丸みを帯びている コブシより細い
花の色 白色だが、日が経つにつれ緑がかってくる 最後まで純白
がく片 花弁の5分の1ぐらい 花弁の2分の1から3分の1
大きさ  高木(大木になる) 亜高木

長野県信濃町('02.4.29)

コマクサ (ケシ科)
高山の日当たりの良い砂礫地に生育。高山植物の女王などと呼ばれ人気が高いがゆえに盗掘も相次ぎ、また地域を越えた移植が行われるのを憂慮する。白山にコマクサはなかったはず。また、三方ケ峰のコマクサは白根山から移植されたものと言われている。
美しく、たくましく、多くの感動を人に与えるが哀しい想いの花。

湯の丸高原三方ケ峰(99.7.10)

コミヤマカタバミ (カタバミ科)
夏の針葉樹林内に群生する多年草。カタバミ科特有の葉の形と淡い緑色はなぜか幸せや円満さを感じさせ、日陰には居てほしくないと思う。
白い5枚の花びらには赤紫の脈が血管のように走っており基部には黄色斑がある。

志賀高原長池(01.6.9)