標高1300m八ヶ岳野辺山(のべやま)高原は「旧石器のふるさと」ともいわれるように、今から2万2千年前〜1万2千年前までの1万年間の後期旧石器時代後半の遺跡がたくさん見つかっています。 ナイフ形石器の遺跡(2.2〜1.6万年前)・尖頭器(せんとうき)の遺跡(2〜1.4万年前)・細石刃(さいせきじん)の遺跡(1.4〜1.2万年前)がそれです。ここでは、野辺山高原の代表的な旧石器遺跡をご紹介します。 |
八ヶ岳は、日本列島のほぼ中央に位置します。 |
野辺山高原の旧石器時代遺跡群は、小河川流域を単位として矢出川(やでがわ)遺跡群・ハケ遺跡群・中ッ原(なかっぱら)遺跡群・柏垂(かしわだれ)遺跡群・馬場平(ばばだいら)遺跡群・横尾遺跡群などによって構成されています。 |
雄大な八ヶ岳の野辺山原矢出川流域に広がるのが矢出川遺跡群です。11ヵ所の遺跡と77の旧石器出土地点が確認されています。日本ではじめて細石刃が発見された矢出川第T遺跡もここにあります。 |
中ッ原では13ヵ所の旧石器遺跡が見つかっています。そのうち5B遺跡と1G遺跡は八ヶ岳旧石器研究グループによって発掘調査がなされ、細石刃文化の様子が明らかにされています。 |
ここからは1.3万年前の北方系細石刃石器群が発掘され、この地に矢出川遺跡とは性格の異なる細石刃文化が花開いていたことが解明されました。詳しい内容を知りたい方は、出版された報告書をご覧下さい。 |
5B地点と同様1.3万年前の北方系細石刃石器群が発掘されました。その後5B地点と1G地点の石器の遺跡間接合が確認され、両遺跡の関連性が証明されています。 |
中ッ原には大きな梨の木があり「梨の木平」とも通称されています。第6遺跡では、AT火山灰の上層から2万年前頃の水晶製のナイフ形石器や掻器が発見されました。 |
雄大な八ヶ岳を背景に小海線が走る。そんな一角にあるのが柏垂遺跡です。柏垂遺跡1972年に東北大学によって発掘され、尖頭器やナイフ形石器などが出土しました。また、表面採集などで1000本を越える大量の尖頭器が見つかっています。 |
H 矢出川(やでがわ)遺跡の発掘風景(1980年代初頭:明治大学)
日本で初めて細石刃が発見された矢出川遺跡では、芹沢長介先生や明治大学考古学研究室などによって発掘調査がなされ、その性格が明らかにされています。 |
三沢遺跡からは、1985年の発掘で、石蒸し料理など調理用施設と見られる礫群が検出されました。 |
三沢遺跡からは2万年前頃のナイフ形石器群が検出されました。石器ブロックは、礫群と折り重なるように分布していました。残念ながら発掘後は造成され、ゴルフ場となってしまっています。 |
野辺山高原にいらして、旧石器の空気を存分に吸ってみてください !!! アクセス : 中央道須玉インターから国道141号線を小諸方面に、20分 |