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「松根油」って知ってますか? 2000年9月8日

枯れゆく銘木

信州上田の山並みは「赤松」で多くが覆われています。かつて原始の樹林はコナラやクヌ

ギ・ヤマザクラやケヤキの雑木林だったのでしょう。先人が薪を採ったり、里山としての活用がはじまり、

赤松林の二次林が広がったようです。

このようにして日本民族と「松」とのかかわりがはじまったようです。

 

 太郎山の山麓を見ると赤松林の中でポツンポツンと枯れている赤松が見えます。

山道をあるくと所々にビニールで被われた丸太があります。

これは松くい虫により枯れた赤松が伐倒され、薫上処理されたものなのです。

 

 長野県で「松くい虫」の被害が発生したのが1982年木曽郡山口村にはじまりました。

1998年までに被害にあった赤松の木がおよそ71万本におよびます。

松くい虫とは「マツノマダラカミキリムシ」をいいます。実際に松を枯らすのは

「マツノザイセンチュウ」という線虫です。

 

「マツノマダラカミキリムシ」は松を食害します、弱った松や枯れた松に卵を産み付けます。

「マツノザイセンチュウ」という1mmたらずの線虫により枯れた松には線虫がうようよいます。

そこへ「マツノマダラカミキリムシ」の卵が産み落とされ、幼虫へと成長します。

成虫なって飛び出す前に「マツノザイセンチュウ」は「マツノマダラカミキリムシ」の体に付着します。

健全な赤松に「マツノマダラカミキリムシ」が食害して「マツノザイセンチュウ」は松に進入

しますが、健全な松では爆発的な繁殖になりません。

衰弱した松には進入し、猛繁殖して数ヶ月で松を枯れ死させることもあるそうです。

「マツノザイセンチュウ」の運び屋である「マツノマダラカミキリムシ」を松くい虫といいます。

 

(写真 枯れた陽泰寺の根上がりの松)

 

「松くい虫」により枯れた地域のシンボルはたくさんあります。

その中で上野の「鐘掛けの松」が1990年、下之郷「やまんばの松」が1993年、富士山の

「兜松」が1996年に枯れ、地域とこと、自然とのかかわりなど、数々の話題になりました。

なかでも「兜松」から作られたコカリナやバイオリンの話題は2000年7月20日のニュースでした。

 

(東信ジャーナル)

 

 

 

矢羽形の模様を刻まれた松

 

 

 

 

 東山道浦野宿の東ノ宮には、一人では抱えきれない大きな赤松が数十本ありました。

 

この赤松には「矢羽状」に刻まれた跡が残っております。その矢羽形の模様に刻まれた赤松が、

「松くい虫」におかされ、またたくまに枯れてきました。現在では東ノ宮の10本の赤松に、

矢羽形の模様が残っているのみとなりました。どうしてこんな跡が刻まれているのでしょう。

近くの民家の古老に尋ねると、この矢羽状の刻みの跡は「戦争中飛行機のガソリン不足のために、

松の根や幹から松根油(松ヤ二)を取り、その松根油を精製して飛行機の燃料を抽出したらしいのです。

 

 植物から樹液を取り出す工法は、漆やゴムを採る工法と同じく、幹にV字形の刻みをいれ、

V字の谷に集まる樹液を採取していく、たいへん気の長い作業だったのでしょう。

そして実際に採取された松根油で、戦闘機やジェット機が飛んだらしいのです。しかし、

ハイオクが低く、威力はいまいちだったようです。

忘れかけてきたものにもうひとつあります。ガソリンの代わりに炭で走る車「木炭自動車」です。

 

(木炭自動車) http://www.ymg.urban.ne.jp/home/nisimura/mokutan.htm

 

植物を科学すると!

みなさんは、疑問を感じませんか? 赤松からどうして飛行機の燃料が採れたのでしょう。

そこを少し科学してみます。植物は空気中の二酸化炭素を吸い、酸素を排出します。

そのために、植物物体に炭素が蓄積していく訳です。その炭素が植物体の47%もまでが

蓄積されていくのです。その植物体を炭化させたものが「炭」です。

バーベキューのとき、炭でお肉を焼きます。このとき炭素と酸素が結合して熱が発生して、お肉が焼けるのです。

もし植物体が自然の状態で「朽ちけると」炭素は徐々に酸化し、すこしづつ二酸化炭素が放出され、

大気に戻っていくのでしょう。

 

 石油や石炭は化石燃料といい、大昔の生物(植物が圧倒的に多かったのでしょう)の死骸です。

地下の深いところで、酸化せずに、圧力や熱により、炭素の塊(炭化水素)となったものです。

これは数億年という歳月の中で出来上がり。今のような空気構成が出来てきたのだそうです。

少なくても動物が誕生した時代には、空気中に酸素が約21%に成っていたのでしょう。

植物が誕生する前の地球の空気は炭酸ガス(二酸化炭素)やアルゴンガスで覆われていたようです。

それが海草や陸上の植物の光合成という代謝作用により、空気中に酸素量を安定させたのでしょう。

私たちは植物の代謝の恩恵の上に成り立っていたのです。

それが現代社会は化石燃料の消費により、空気中の二酸化炭素が増大し、地球の温暖化現象が起きてきたようです。

ここでみなさん考えてみてください。

 

赤松から飛行機の燃料を採った先人の知恵?

 

地球の温暖化現象を救うためには?
 

 

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