5月29日up

歴 史 の 道

「北 国 街 道」

塩 尻 狭 間

2001年5月28日


 

上田市の北部には「逆さ霧」で有名な「太郎山」があります。この山すそに古代の道があったようです。

その太郎山の西端は巨岩が千曲川に突き出ておりこの巨岩は「塩尻岩鼻」と呼ばれかつては

「塩尻狭間」(塩尻サマ)と呼ばれていたようです。ここは千曲川により削り取られ、

坂城と上田を繋ぐ交通の難所であったようです。坂城の鼠と塩尻を行き交うには、千曲川の寄せる水をさけ、

岩を登ぼり行き交かって、山すそにある塩尻の古道に繋がっていたのでしょう。

塩尻の古集落が山すそに延びているのは、千曲川の洪水の及ばない位置だったのでしょう。

岩鼻の切通し

かっての千曲川を推定した図

(櫻井松夫先生作図)

かつては養蚕で栄えた時代があり、お蚕のタネ屋さんや中買商で豊だったようです。

今でも立派な門構えのお宅や紬工房があります。近年は映画のロケ地として有名で、

「けんかえれじい」など数々の映画の撮影がされているようです。下記の信州上田ロケ地ガイド参照ください。

 

http://www.city.ueda.nagano.jp/

坂城の豪族の村上義清が上田へ侵入するには、この「塩尻狭間」を通らず、

山を越え傍陽の大庭から砥石城に入ったようです。

現在の岩鼻の切通しは幅4mほどもあります。しかし古代からこんなに立派な切り通しがあったとは思えないのです。

おそらく江戸時代に参勤交代など交通の改善のために整備されたのだと思うのです。

 

切り通しの塩尻側には「馬頭観音」があり、山すそを進んで塩尻の集落に入ると、

間もなく大きなヒムロの木があります。この木を目印に加賀の殿様が

「したに〜 したに〜!」と行列が始まったようです。

また殿様の休憩所があり、殿様専用のトイレが今でも現存しているそうです。

そして秋和には杉並木があったと伝えられ、正福寺の西側に杉の古株が残っております。

この地で人間が植樹した最古の木なのでしょう。

 

馬頭観音

ヒムロの木

塩尻の旧道

杉の古株

先日この岩鼻の切り通しに行って驚いたのですが!

ちゃんと道筋があるんです、よくよく見たら、どうやらカモシカ道のようです。

切り通しへの道

カモシカの足跡

そしてもっと驚く事は、岩に様々な機器が取り付けられているのです。1996年2月10日北海道積丹で

27,000トンの巨岩が崩落した事故が有りました。

http://www.yomiuri.co.jp/yomidas/konojune/96/96n2.htm

これ以来道路の管理者は異常に神経を使っているようです。この岩鼻でも落盤落石防止のために、

様々な処置をした上で、伸縮計やTVカメラまで設置しているのです。

カメラ

この機器は何?

 

様々な機器や落石防止処置

安全対策は大切な事です。しかし貴重な遺構にこのような機器を取り付けていいのでしょうか?

 私にはこの岩が100年1000年で崩落するとは思えないのです! 

緑色凝灰岩と呼ばれるこの岩は、確かにもろさがあります。

しかし畑山や金剛寺の堅岩と同じ質の岩で周りの岩が風化していく中で、

ガンと頑なに景観を形成している岩なのです。

しかも岩鼻の岩は地層面がそのまま傾斜しており、大変安定した状態だと私は思うのです。

それに対して膨大な予算をかけ、防護している道路管理者に「やりすぎじゃないの?」と思う私です。

 

畑山の竪岩 

塩尻の岩鼻 岩の真下を通る18号線

この岩鼻は私の高校生ぐらいの時まで、山岳家が岩登りをしていました。

ハーゲンを打ち込んでいる姿が下から見えたものでした。

今でも岩のあちこちに、錆びたハーゲンが残っております。

岩に残っているハーゲン

岩に残っているハーゲン

今回切り通しへ行ってみて植物が意外と多種生育していることに気付きました。

ネズミサシ、クヌギ、ケヤキ、エノキ、ネム、サイカチ、ズミ、イボタ、ヤマハギ、ヤマブキ、ウツギ、ニワトコ

これらの植物は岩のすき間に根を伸ばし、生き続けているのでしょう。

日本一の寡雨(かう)地帯でしかも岩の上に生育する植物の脅威を感じます。

 

ナンジャモンジャの木 はこの岩山の尾根にあると言われます。

塩尻小学校にはその子どもが育てられております。

ナンジャモンジャの木とは名前の分からない木に付けられた名前で、

本当の名は「フジキ」(別名ヤマエンジュ)といいます。

マメ科でこの場所の自生が最北端だと言われており上田市の天然記念物となっております。

対岸の半過岩鼻にも奇妙な植物があります。北海道の藻岩山の植物「モイワナズナ」です。

これは氷河時代の置き土産とも云われる植物でこの地が最南端です。

 

ナンジャモンジャの木

ナンジャモンジャの葉 

すごいトゲのあるサイカチ

花のモイワナズナ

モイワナズナ

鼠の伝説 昔々千曲公園の半過岩鼻は対岸に繋がっていた時代が合ったといわれています。

そのころ上田盆地は湖だったそうです。湖の西側でネズミが猛繁殖して、田畑を荒らしました。

困った農民は唐猫を集めて追い払いました。逃げ場を失ったネズミは岩山を食い破って逃げ出しました。

そして現在のような千曲川の流れになったと伝わります。

千曲公園の上には川原石がありかつての時代この上を川が流れていたことが伺えられます。

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