4月16日up

特集   「油」

 

目次

1.はじめに

2. 脂肪酸の構造 〜 必須脂肪酸:オメガ3とオメガ6〜

3. α-リノレン酸(オメガ3系)のはたらき 〜 DHAはα-リノレン酸から合成される〜

4. 現代の油事情 〜精製油の製法/トランス脂肪〜

5. 必須脂肪酸不足 〜悪い脂肪が引き起こすこれだけの病気〜

6. かしこい油の摂り方 〜和食のすばらしさ〜

7. まとめ 〜上手にお付き合い〜


参考文献 

  「危険な油が病気を起こしている」J・フィネガン著 今村光一訳ー中央アート出版

  「油 このおいしくて不安なもの」奥山治美著ー農文協

  「完全栄養食ガイド」ドナルド・ラディン/クララ・フェリックス著 今村光一訳

                               ー中央アート出版

 

 

1 はじめに

 1960年代から70年代にかけてアメリカではいわゆる成人病による死者が急増

し、上院が総力を結集してその原因を追及しました。1977年にマクガバンレポー

トとして発表されたわけですが、その中で特筆すべきは「ほとんどすべての病気

は悪しき食習慣によるものである」と断定したところにあります。内容は膨大で

すべてを御紹介できませんが、悪しき食習慣の中で真っ先に名指しされた悪しき

食品は「砂糖、油、肉」です。アメリカではその後、肉食中心から菜食中心へと

意識が変わり、適度な運動や老後にも生き甲斐をもって暮らせる環境作りが整備

され、レポートから20年後の現在では100歳以上の人口は、人口比で日本の

3倍以上になっています。またその多くが介護を必要としない自立した老人だと

いうのですから驚きです。「コーラ片手にハンバーガーをほうばり、夜はビール

と分厚いステーキ」というイメージはもう過去のものなのです。

 そんな状況ですから、アメリカでは医学の分野でも「悪しき食習慣が病気を引

き起こす」ということはもはや常識で、お医者さんは必死で栄養学の勉強をし、

研究をしています。そのなかで油に関して重要な研究が発表されました。

 

 ○マーガリンには発ガン性がある

 ○紅ばな油には発ガン性がある

 

 マーガリンにはトランス脂肪酸が、紅ばな油にはリノール酸が高濃度に含まれ

るためですが、厚生省はそのことをちゃんと把握しています。しかし、メーカー

に配慮してかマスコミでは一切報道されません。とにかく今日から上記2つは避

けて下さい。お子さんが食べている場合はなおさらです。大手メーカーの市販さ

れているパンなどに含まれるショートニングや植物性油脂はマーガリンと同等と

考えて下さい。バターロールもバターではなくマーガリンが使われている場合が

多いので注意が必要です。

 「油」の特集では、現在市販されている油が食品と呼べないような代物である

こと、どのような油が体にいいのか等、できる限り分かりやすく解説していきま

すで「油」選びのご参考にして下さい。

 

2 . 脂肪酸の構造 〜必須脂肪酸:オメガ3とオメガ6〜

 「油」は学問的には「脂肪酸」に分類されます。「油」は常温で液体の脂肪

酸、いわゆる「脂肪」は常温で個体の脂肪酸で、それぞれ不飽和脂肪酸、飽和脂

肪酸とよばれています。まず脂肪酸の構造を説明します。

1)常温で固体の脂肪(肉の脂身など)=飽和脂肪酸

脂肪酸は C(炭素)、H(水素)、O(酸素)、OH からなり、CとH は2重結

合を含まない ( CにHがいっぱい付いて「飽和」した状態)安定した構造のた

め、常温では固体です。 C の数によって飽和脂肪酸の名称が決まってきます。

2)常温で液体の脂肪(いわゆる油)=不飽和脂肪酸

 常温で固体の飽和脂肪酸に対して、常温で液体の脂肪酸は不飽和脂肪酸と呼ば

れます。 CにHがいっぱい付いていない場所=「不飽和」な場所 が存在しま

す。 CにHがいっぱい付いていないところは2重結合になっているのですが、左

から数えて何番目の Cが2重結合になっているかによって大きく3つに分類されます。

 

  オメガ3 = 2重結合が3番目のCのところ

  オメガ6 = 2重結合が6番目のCのところ 

  オメガ9 = 2重結合が9番目のCのところ

 

    

3)まとめ

                一般的な食用油の成分割合

 

 油の主成分は不飽和脂肪酸ですが、飽和脂肪酸も含まれます。もちろん他の栄

養素も含まれます。また不飽和脂肪酸は1種類でなく、多種類含まれます。魚油

のように、動物性でも不飽和脂肪酸の割合が多ければ常温で液体の油になりま

す。

 人間の体の中で合成できない脂肪酸=必須脂肪酸は、オメガ3系列のα-リノ

レン酸とオメガ6系列のリノール酸の二つです。皮下脂肪は飽和脂肪酸であり、

体内で余剰の糖から合成できますので、食品中から飽和脂肪酸を取り込む必要は

ありません。

 

3 .α-リノレン酸(オメガ3系)のはたらき  〜DHAはα-リノレン酸か

ら合成される〜

 オメガ6系のリノール酸、オメガ3系のα-リノレン酸は人間の体内で合成することのでき

ない栄養素で、必須脂肪酸と呼ばれています。二つの必須脂肪酸は互いに協調してはたらくた

め、等量摂取しなければ問題が生じてしまいます。自動車でたとえればアクセルとブレーキの

関係と似ています。どちらも自動車には絶対必要なものですが、アクセルしかきかない自動車

は事故を起こしてしまうでしょう。リノール酸はアクセルの働きに似ていて、過剰に摂取する

とアレルギーやガンの発生を助長します。逆にα-リノレン酸はアレルギーやガンの発生を押

さえるなど、ブレーキに似た役割をしています。

 現代の食環境ではリノール酸は十分摂取でき欠乏することはありません。かえって摂取し過

ぎています。逆にオメガ3系のα-リノレン酸が不足しています(100年前と比較すると20%

しか摂取できていません)。

その理由は

 

1) α-リノレン酸は反応性が高く保存性が悪い。

 →ほとんどの食用油はオメガ6系のリノール酸かオメガ9系のオレイン酸が多い

2) α-リノレン酸を多く含む食品が食卓から減っている

 → α-リノレン酸を多く含む食品は、魚や海藻類、野菜、種子、胚芽類(熱帯のものではな

いもの)ですが、穀物の精白や肉食化でα-リノレン酸の摂取量が減っています。

 明らかに不足しているα-リノレン酸ですが、その役割は非常に重要です。

 

< α-リノレン酸の役割>

1)細胞膜の重要な構成要素である

 生命活動の最終単位である細胞は、その膜を通して栄養素や老廃物の交換をし、様々な異物

の侵入を防いでいます。必須脂肪酸の欠乏により丈夫な細胞膜が作られなければ細胞は機能で

きず、多くの問題が生じます。

2)脳、神経系の発達や働きに重要な役割を果たす

 「頭を良くし、血液をさらさらにする栄養素」として、 DHAはよくテレビに出てきますの

で皆さんご存知かと思います。DHAはオメガ3系の脂肪酸でα-リノレン酸から体内で合成さ

れます。脳神経系にはオメガ3、6系の脂肪酸が多く含まれ、特にオメガ3系の脂肪酸が重要

な役割をしています。脳神経系の成長段階でα-リノレン酸が欠乏するとDHAが合成できず、

十分な発達ができないことが分かっています。

 また視力にも重要な役割があり、ぼけや痴呆にも関与していると考えられています。

3)アレルギーやガンの発生を押さえる

 人間の体は、絶えず中枢神経系の命令が、上位ホルモンから下位ホルモンに伝わり、さらに

その下位ホルモン(プロスタグランジン)から酵素に伝わって様々な化学反応を行っています

。このうち第三のホルモンと言われるプロスタグランジンは必須脂肪酸から合成されます。オ

メガ3系から合成されるプロスタグランジン(免疫機能を万全に働かせ るのに欠かせない)

は、アレルギーやガンの発生を押さえるはたらきをします。

4)心臓病や脳血管病を防ぐ

 血中のコレステロールをコントロールしたり血液をさらさらにし、血圧を下げ、心臓病や脳

血管病を防ぐはたらきをします。

 

その他体内で起きる多くの化学反応に関係しています。

 

4 現代の油事情  ~精製油の製法/トランス脂肪〜

 オメガ3系列のα-リノレン酸がいかに重要な栄養素かおわかりいただけたことと思います。

しかし現代の油事情で問題なのは、α-リノレン酸の摂取が少なくなっていることだけではあ

りません。健康より経済が優先された結果(食用油=製品と扱われた結果)、自然界には存在

しない油=トランス脂肪酸を含む食用油ばかりになってしまいました。

 

<現在市販されている大手メーカーの食用油>

   

 図1は食用油精製法を示します。大手の多くのメーカーの精製法は左側のラインです。安い

原材料をできるだけ早い時間で製品化することに腐心するメーカーの食用油は、多量の化学物

質を用いて抽出され、高温にさらされます。(昔ながらの圧搾法ではありません)

そのため

1)酸化、変性しやすいオメガ3系のα-リノレン酸を多量に含む原料は使用できない

2) 自然界に存在しないトランス脂肪酸が含まれる

3) 脂肪酸以外の栄養物質も破壊され、有害物質やフリーラジカルが含まれる

 

 油の主成分、不飽和脂肪酸は C が2重結合の部分が存在しています。この部分は反応しや

すく酸化変性の起きる場所でもあります。酸化変性しづらい原料を使用しても現代の製法では

酸化変性は避けられないので、2重結合の部分に強制的に水素を添加して2重結合を減らして

います。その過程で残った2重結合がシス型からトランス型に変化してしまいます。トランス

脂肪酸は水素添加をしなくても、高温にさらされるような場合(例えば揚げ物に何度も油を使

ったような場合)にも生成されます。

 

    

 

以下に書籍「危険な油が病気を起こしている」の訳者、今村光一氏が1997年に行った、日本の

食用油メーカーの分析結果を示します。

 

SGS研究所(カナダ)でサンプル分析した日本の食用油とメーカー

味の素       サラダオイル、一番しぼりごま油、オリーブ油

日清        サラダ油、純正ごま油、オリーブ油

ホーネン      豊年サラダ油、白絞油

ボーソー油脂    調合コメ油

米沢製油      無添加なたねサラダ油

吉原製油      一番しぼり天麩羅油

ジャスコ      純正ごま油

九鬼産業      純正ごま油

岩井の胡麻油    金口 岩井の胡麻油

花王        エコナ揚げ油

創健社       えごま一番、有機栽培べに花一番

三育フーズ     オリーブ油

リノール油脂    サラダ油

兼松        オリーブ油

モンテ産業     オリーブ油

キューピー     マヨネーズ

ナチュラルグループ 圧搾絞り紅花油、圧搾絞りごま油

日本生協連     コーンサラダ油

日本アムウエイ   エサンテ

鹿北製油      なたね黄金油

 

<トランス脂肪酸の多かった食用油>全重量に対するトランス脂肪酸の重量比

米沢製油          無添加なたね油     8.5%

ホーネンコーポレーション  豊年サラダ油      2.4%

ホーネンコーポレーション  白絞油         2.4%

吉原製油          一番しぼり天麩羅油   2.1%

日清            サラダ油        1.6%

花王            エコナ揚げ油      1.5%

日本生協連合会       コーンサラダ油     1.2%

味の素           サラダ油        1.0%

キューピー         マヨネーズ       1.7%

 

 米沢製油のデータは突出していますので、この食用油を販売している生活クラブや日本子孫

基金に確認したところ「ちょっと信じられない値だ」ということで、メーカーに確認するそう

です。米沢製油は、原材料には十分気を付けている良心的なメーカーです。生協も原材料にこ

だわってはいるものの精製法に関する知識が無いためにこのような結果になっているようです

 現在市販されている大手メーカーのトランス脂肪酸はだいたい1〜2.4%ぐらいです。ト

ランス脂肪酸をまったく含まない油を、揚物に何回も使って使い古しても、2.4%という値

にはならないそうです。それだけトランス脂肪酸2.4%というデータは危険な数値なので

す。欧米では使用適当な食用油のトランス脂肪酸含有量の上限値は0.1%ですから、市販さ

れている大手メーカーの油はお勧めできません。

 外食で使用されている食用油は、多くがトランス脂肪2.4%ぐらい含む可能性の高い食用

油です。外食事には油物はできるだけ避けましょう。ファーストフードで使用されている油

は、常温で固体の状態まで水素添加した植物油を使っているようで、使用前に熱を加えて融解

しているそうです。トランス脂肪酸が2.4%以上含まれる可能性が高いので、ファーストフ

ードは危険です。マヨネーズも毎日食べるのは問題がありそうです。

<上田市でも購入できる食用油でお勧めできる食用油>

鹿北製油のナタネ油が安心だと思います。原料から精製法まで昔ながらの方法を守り続けてい

るようです。別所線、赤坂上駅近くの「のんどり」tel 26-9355 というお店で購入できます。油

本来の香りがあり、色も濃く、天ぷらなどの美味しさは格別です。

ただし、どんなにいい油でも取り過ぎは禁物です。ほどほどに。

 

 

<マーガリン>

 水素添加によってに2重結合の割合を人為的にコントロールできますので、液体状の油を固

体にすることも、またその中間の状態にすることも可能です。中間の状態、つまり液体でも完

全な固体でもない状態で、パンに塗りやすくしたものがマーガリンです。食用油より水素添加

を多くして精製しますので、トランス脂肪を含む割合も多くなり、食品と呼べない代物になり

ます。日本では報道されませんでしたが、トランス脂肪酸を多く含むマーガリンは悪性リンパ

腫の原因になることがわかり、欧米ではマーガリンからトランス脂肪酸を除去して売られてい

ます。

 下に、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸の分析値を示します。データは、1997年のもの

です。トランス脂肪酸が多量に含まれることは、厚生省も日本のメーカーも知っていますの

で、現在ではトランス脂肪酸を除去した製品になっているかもしれません。

仮に現在でも下のデータのままならば、日本のマーガリンは絶対食べてはいけない食品です。

食用油と比較してもトランス脂肪酸の含まれる割合が多すぎます。

 

<マーガリンのトランス脂肪酸含有量>

日本生協連合会  コーンソフトマーガリン  13.9%

雪印乳業     ネオマーガリン      13.8%

日本リーバ    ラーマソフト       11.8%

明治乳業     コーンソフト       10.9%

小岩井牧場    小岩井マーガリン     検出せず

 

 トランス脂肪酸が存在しなくてもマーガリンそのものが工業的に作られたプラスチック食品

である事に変わりはありません。化学的に精製する過程で未知の物質が含まれる可能性もあり

ます。ですからトランス脂肪酸が不検出でも、そのマーガリンがいいマーガリンとは言えませ

ん。腐ることのないマーガリンは、メーカーとしては好都合ですが、人間の体内では分解しき

れず必ず不都合が生じます。分解しきれず体のどこかに溜まっていくとしたら、いつか問題が

起きることは明白です。マーガリンそのものを食べる必要はありません。パンにどうしてもと

いう場合は、バターを選択していただくことをお勧めします。

 

現代人の油環境は、

1)油、脂肪の総摂取量が多い

2)オメガ6系のリノール酸の摂取量が多く、α-リノレン酸の摂取量が極めて少ない

3)有害な脂肪酸=トランス脂肪酸の摂取量が多い

 

この様な状況では、油が様々な病気を引き起こす原因になっている可能性があります。

 

5. 必須脂肪酸不足 〜悪い脂肪が引き起こすこれだけの病気〜

1)精神分裂病、その他の精神病

 α-リノレン酸が脳神経系に欠かせない栄養素なので、その欠乏によって何らかの精神疾患

が起きる可能性があります。精神疾患のある患者さんに対する治療には、多種類のビタミンや

ミネラルが処方されていましたが、現在ではそれに加えてα-リノレン酸も与えるようになっ

てきているそうです。

 

2)心臓病、脳血管障害

  心臓病や脳血管障害は、動脈の内壁がコレステロールや中性脂肪でふさがって血液の流れ

が妨げられて起きます。 α-リノレン酸は血液中のコレステロールや中性脂肪のレベルを正常

な状態に保つのに不可欠ですので、 α-リノレン酸の不足によって血圧が上昇したり、血栓が

形成されれば心臓病や脳血管障害が起きる可能性があります。

 さらに 現代の精製油はα-リノレン酸が含まれないことだけでなく、

・精製油には有害なトランス脂肪酸や、フリーラジカルが含まれている

・ベータカロチンビタミンEなどの抗酸化物質であり、重要な栄養素が無くなっている

これらのことも心臓病や脳血管障害の大きな原因だとされています。

つまりα-リノレン酸欠だけでなく、現代の食用油そのものが心臓病の原因に成り得ると考え

られます。

 

3)ガン

 遺伝的にガンになりやすい系統のラットに5種類の油を与え自然にガンになる率を比較した

研究では、亜麻仁油( α-リノレン酸の含有率が高い)では2匹、魚油では6匹、ラード(飽

和脂肪酸)では32匹、コーン油(リノール酸含有率が高い)で60匹、紅花油(リノール酸

含有率が最も高い)で66匹という結果になったと報告されています。( 1988年:ライナ

ス・ポーリング科学医学研究所)

その他にも同じような研究結果が多数報告されています。

これらの研究から、

 

・オメガ3系とオメガ6系の必須脂肪酸バランスが重要

・オメガ6系のリノール酸の過剰摂取がガンを起こしやすい

 

 紅花油は高リノール酸の油で、リノール酸が必須脂肪酸であったことから健康に良い油と宣

伝されていました。しかし現在ではリノール酸の過剰摂取は発ガン作用を示すと考えられてお

り、メーカーも「リノール酸が豊富に含まれる」と宣伝しなくなりました。リノール酸は多く

の食品に含まれ、現代の食環境でも不足することはありません。(リノール酸はごはん2杯半

で1日の必要量が摂取できます)

 

4)アレルギー

 細胞膜にトランス脂肪酸が入り込むと細胞膜自体が弱いものになってしまいます。細胞は細

胞膜を通じて必要なものを取り入れ、有害物質を排泄していますが、細胞膜が弱くなるとこの

作業が滞ってしまい、アレルギー症状を起こすと考えられます。 α-リノレン酸は細胞膜を構

成する重要な栄養素ですので、この欠乏でも同じようなことが考えられます。リノール酸の過

剰摂取によって生成されるプロスタグランジンはアレルギー症状を助長するように働きます。

 

5)糖尿病

 インシュリンが機能しているのに血糖値が高いタイプの糖尿病は、インシュリンの命令を受

けたプロスタグランジンがその機能を果たしていないために起こる場合があります。 α-リノ

レン酸不足によりプロスタグランジンの生成に問題がある場合、 α-リノレン酸の摂取と、食

物繊維の摂取によっ糖尿病が改善される場合があります。(食物繊維の摂取が十分なら、イン

シュリンの必要量が少なくできることが臨床的に明らかにされています。食物繊維は消化管の

中で緩衝装置として働き、血中に糖が放出されるのを遅くする役割を果たします。またコレス

テロールの代謝を正常にし、必須脂肪酸の働きを助けます)

 

6)肥満

 肥満は、食事の取り過ぎとそれを体でうまく燃焼できないことによって生じます。体の中で

脂肪を燃焼するためには、α-リノレン酸が必要なのです。食べても食べても脂っこい物がお

いしいと感じるのは、体が「 α-リノレン酸を取れ」と命令しているからです。しかし現代食

では脂っこい物の中にα-リノレン酸が含まれていませんので、さらに脂肪をつけることにな

ってしまいます。

 肥満の解消には代謝が正常になることが重要ですので、適度な運動と正しい栄養が必要にな

ります。食べないだけで減量するのは大きな間違いで、特にα-リノレン酸欠の食事では病的

な状態になってしまいます。不要な油は減らしてα-リノレン酸を十分摂取しなければなりま

せん。

 

7)その他

喘息、カンジダ症、ウイルス感染、インフルエンザ、潰瘍、皮膚の症状、など

 

 α-リノレン酸は人間のからだの免役、代謝系をコントロールする重要な栄養素なので、 α-

リノレン酸欠乏は、上記以外にも様々な病気の原因になっている可能性があります。

 

6. かしこい油の摂り方   〜和食のすばらしさ〜 

 現代的な食生活では、どうしても α-リノレン酸が不足してしまいます。

ちょっと工夫して、α-リノレン酸欠乏にならないような食生活をしましょう。

1)野菜類=○

野菜は必須脂肪酸バランスがとても良く、特に冬野菜にはα-リノレン酸が豊富に含まれま

す。重要なのは必須脂肪酸バランスで、せっかくα-リノレン酸を摂取しても、それ以上にリ

ノール酸を摂取しては意味がありません。ですから野菜に市販のドレッシングや、マヨネーズ

(リノール酸系列の食用油から作られています)をかけることはお勧めできません。醤油をベ

ースにα-リノレン酸を多く含む亜麻仁油を使った自家製ドレッシング(巻末参照)をお勧め

します。

 寒冷地の農作物と海藻類には全般的にα-リノレン酸が豊富に含まれます。温室で光合成も

不十分なハウス栽培の野菜(特に青菜系の葉野菜)はα-リノレン酸の含有率が低下してしま

います。さらに化学肥料によって亜硝酸(猛毒です)を多量に含む可能性がありますので必ず

露地栽培のもの(できれば有機栽培)を選んで下さい。

野菜類に含まれるα-リノレン酸は熱しても壊されないようですが、海藻類は熱するとα-リノ

レン酸が壊れてしまうそうです。しかし海藻類には、α-リノレン酸以外にも現代人に不足し

がちな大切な栄養素を含みますので、熱しても結構ですから積極的に摂取しましょう。

2)穀類、種子類、豆類=○

 これも寒冷地で栽培されたものの方がα-リノレン酸を多く含みますので、長野県産のもの

はお勧めです。ピーナッツやアーモンドなど南国のものはほとんどα-リノレン酸を含みませ

ん。また遠方より運んでくるうちにカビが生える場合がありますので、ほどほどにしたほうが

いいでしょう。

 くるみ、くり、インゲン豆、大豆、などは特にお勧めです。またシソ科のエゴマ(ごまでは

ありません)はα-リノレン酸を豊富に含みます。ごまと同じように炒ってすりつぶすと(塩

とまぜて)おいしいふりかけになります。

 また穀物の胚芽も大切です。胚芽は次の子孫のための命が詰まっていて、必要な栄養素が凝

縮されています。 α-リノレン酸もこの胚芽のなかに含まれます。現代食では白米が常識です

が、できるだけ精製されていないお米、分撞き米や胚芽米を食べて下さい。

 

3)魚=ほどほどに、肉、乳製品=×

  α-リノレン酸を多く含む海藻を食べる天然魚にはオメガ3系のDHAやEPAが多く含まれま

す。人工的な餌で育った養殖高級魚より、安い小魚類の方がいいでしょう。あじ、イワシやさ

んまで十分です。

 現在手に入る肉類は、餌を与えられて飼育されたものがほとんどです。野生の動物のように

青草をあまり食べませんので、オメガ3系の脂肪酸はあまり含まれません。肉類はかえって余

計な脂肪を摂取することになりますので、 毎日食べることは避けたほうがいいでしょう。

 乳製品は高温で殺菌されていますので、α-リノレン酸はまったく含まれません。

 

4)亜麻仁油=◎

 ヨーロッパや北米では以前より食用に重用されていた亜麻の種の油で、オメガ3系の α-リ

ノレン酸を60%、オメガ6系の脂肪酸を20%含む他、ベータカロチンやビタミンEを豊富

に含みます。現在α-リノレン酸を摂取するには最適な食品でぜひご家庭でも常備していただ

き、積極的に摂取して下さい。ドレッシング用のオイルとして、あるいはそのまま朝晩小さじ

1杯ぐらい補給していただいて結構です。 

 他にα-リノレン酸を多く含む食用油は、エゴマ油、シソ油です。 α-リノレン酸は熱や光、

酸素などによって変性してしまいますので、

○低温の圧搾法で抽出されたものであること

○ 空気を遮断し、光を通さない容器で保存されていること

この2点が守られていなければ、良い製品とは言えません。現在市販されている日本のメーカ

ーの食用油は現状では不安です。カタログハウスでも購入できるエゴマ油も、紹介文の中に「

炒め物に使用」と書いてあります。容器も光を通す物のようです。メーカーも販売者も「 α-

リノレン酸は熱や光、空気で変性する」という基本事項を認識していない可能性があります。

上田市で購入できるお勧めの亜麻仁油は、オメガ・ニュトリッション社の亜麻仁油で、のん

どりというお店で購入できます。有機栽培された亜麻の種を原料にしていますので、安心して

使用できます。

 

亜麻仁油使用上の注意事項

○熱を加える料理には使用しないー炒め物に使用したらα-リノレン酸が変性する

 *炒め物、揚物にはオリーブオイルや菜種油を使用して下さい

○開栓後は冷蔵庫で保存し、1か月ぐらいで使い切る

 

7 まとめ  〜上手にお付き合い〜

 

1)脂肪の総摂取量を少なくする

2)市販されている大手メーカーの油はできるだけ避ける

3)外食やファーストフードで油物はできるだけ避ける

4) マーガリンは絶対食べないーお菓子や加工品に含まれる植物性油脂も同じです

5)α-リノレン酸を積極的に摂取するー亜麻仁油を積極的に摂取しましょう

6)野菜、大豆、穀物を中心とした和食を基本とする

 油、砂糖をほとんど使用しない和食は、必須脂肪酸バランスから見て

も理想的な食事です

レシピ:ドレッシング

<基本の醤油だれの作り方>

しょうゆカップ1、酢カップ1/2、水カップ1/2、削りがつおカップ1/2、白ごま大さじ2

1:鍋にごま以外の全部の材料を入れて火にかけ、ひと煮立ちしたらざるに流し入れて濾す。

2:ごまは炒って、粗くする。

3:粗熱のとれた1に2のごまを加える。

4:密閉容器に入れて保存する。

 

 これを冷蔵庫にいれておけば、1週間は持ちます。ちょっと1品・・というときにお役に立てるかもしれません。

 基本の醤油だれはノンオイルの和風だれですが、お家にあるものを加えて混ぜるとバリエーションが広がります。

 

<醤油だれのバリエーション>

A:亜麻仁油を加えて

基本だれカップ1/3、亜麻仁油はお好みの量。

焼豚を細かくしたもの+ワカメ+かいわれ+このたれをボウルで混ぜたのが好評でした。

 

B:あたりごまだれ

白ごま大さじ2、基本だれカップ1/3。(白ごまは炒ってするか白練りごまを使い基本だれと混ぜる。)

これを温野菜にからめると簡単ごま和えに。

 

C:ピリ辛だれ

豆板醤小さじ1、ごま油小さじ1、基本だれカップ1/3 (ごま油だけでなく亜麻仁油もどうぞ)

温野菜にかけて、即席中華料理に。お豆腐+わかめ+れたす+お好みでとりのささみをまぜたものにかけて中華サラダに。

 

D:香味だれ

しょうが・にんにく各1かけ(粗みじん)、長ねぎ1/4本(粗みじん)、基本だれカップ1/3

たっぷり薬味を加えて、温野菜とえび・ゆで肉をまぜたものにかけてもおいしい!!

 

おおの矯正歯科/大野秀徳

〒386-1102 上田市上田原688-1

TEL 0268-28-5611 FAX 0268-28-5615

E-mail jbhouse@janis.or.jp

 

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