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(Today)
(8/15)
★「黒鉄(1-4)」
ジャンル:コミックス
著者:冬目景 発行:OPEN KC
初版:1996/8/23 購入:1996/10/10(2版) 価格:520円(税込)
キャンバスに描いた油絵のような表紙。前から氏の作品を読みたいと思っていたが、取り敢えず最初に買った見た単行本。読んだのは今のところ1巻だけ。
江戸時代に生きる、生きる?、剣客、そして鋼の人形-迅鉄のストーリー。
一度死に、そして人形として生まれ変わった主人公。人形ゆえ、声帯が無いので、主人公は一言も喋ることはない。「喋れない主人公」にありがちなモノローグでの科白も一切無い。人間であった時の科白もたった一言。「覚悟は出来ている。斬らば斬れ‥‥」。
ストーリー、そして回りの人間、その全ての中で、初めて一人の「人間」としての輪郭が見える主人公。話しの構成、サブキャラ、そしてそれ以外のキャラが十分書き切れるという信念が無ければ、まず書くことができない話し。
そして、独特の直線を否定した「線」による描き込まれた絵。画面全体からにじみ出る「不安さ」感じさせる「影」。それらがストーリーを十二分に演出している。逸品である。
★「羊のうた(1-2)」
ジャンル:コミックス
著者:冬目景 発行:スコラSC
初版:1997/1/16 購入:1997/12/18(5刷) 価格:541円(税込)
どうも、この本2巻で止まっているらしい。まぁ、発行元のスコラが潰れちゃったんだからしょうがない。と言っていたら、今月別の出版社からまとめて再版されるらしい。それ待ってればよかったな(笑)。
取り敢えず、これも読んだのは1巻だけ。まだ背景がつかみきれない展開なので、なんか地に足がつかない感じ。非常に不安定な状態に置かれている読後感。
孤立する主人公、イメージとしての血、飲み込まれる自我、無意識に求める不幸、決して求めてはならない幸福、求める死、そして、希望の無い望み‥‥。
人は、「物」によって生きているのではない。人は、「想い」によって生きている。その「想い」を持てない。持つことが許されない。持ってはいけない。そんな「想い」を持った人間の、その生き方を。誰にも「そんなことはないよ」と言って貰えない。言ってもらえないと思いこんでいる人間の、その生き方を、迷いを、描いている作品。
★「いつもギラギラする日、Magic★Mushroom」
ジャンル:コミックス、えっちもの、ってゆーか戌年
著者:陽気婢 発行:茜新社、富士美出版
初版:1995/2/28,1992/7/5 購入:初版 価格:580円、800円(税込)
いきなり飛ぶが、こんなところ(笑)。
両方とも短編集なのだが、収録作品がほとんど同じなので、まとめて。どっちかというと、いつか〜の方が全体の質的に良いし、修正もかかってない(爆)ので、いいかも。
いや〜、なんつうか、氏の最近の作品に比べてえっち方面のネタが多くてなんとも。
‥‥なんかありきたりの言葉しか思い浮かばんな〜。
取り敢えずコレクターズアイテムとしては持っていてもいいけど、現在の洗練されたスタイルが好きな人はそんなに目くじら立てて探すものでもないと。
まぁ、アレ系同人本が好きな人にはお薦め(笑)。
★「ゆるゆるオヤジ」
ジャンル:コミックス
著者:しりあがり寿 発行:文藝春秋
初版:1999/7/25 購入:初版 価格:857円(税別)
これは、ギャグマンガの原点とそして終極を感じさせる作品である。昨今のギャグマンガがメタな方向に群がり、そこで破局を迎えようとしている現在、あえて「メタ」性を否定し、純粋な、そして有る意味異端である「だじゃれ」のみによって世界を構築した、終末思想へのアンチテーゼとも受け取れる作品集。
うむ。大ウソも、ここまで言って見るとまともな論旨にみえるのが不思議だ(笑)。
だじゃれによる作品は、唐沢なをき氏が「Gグチ平次捕物控」という作品でその可能性を示しているが、Gグチ(地口=だじゃれ、って判るわな、書かなくても)では一応ストーリー性やオチの存在から脱却していないのに対して、ゆるゆるは、純粋なだじゃれのみの、ストーリー性、オチ全て無視した、ある意味「だじゃれマニュアル」と言ってもいい構成をとっている。
まぁ、早い話がだ、表紙に載っている親父ギャグが全コマに書かれているワケだ。
どちらかというと、表題のゆるゆるオヤジよりも、巻末から始まる「フライング翼子」の方が、時事ネタやはやり物をネタにして、構成的にもまとまっていてよし。はやり物と言っても、一発ネタ的な物じゃ無くて「ある程度定着しつつある」物だから、そんなに風化しそうでもないし。
★「ももいろシスターズ(6)」
ジャンル:コミックス・えっちもの
著者:ももせたまみ 発行:JETS COMMICS
初版:1999/8/5 購入:初版 価格:601円(税込)
うむ〜。アレだな(笑)。
なんつうか、登場人物のほとんどがカップルとしてくっついちゃったんで、どうもネタが‥‥。いや、まぁいいんだけど。それ以外のキャラが全く出てこないというか、課長とかどこ行っちゃったんだ?
あ、そうか、オフィス編のキャラがあらかた結婚しちゃったから、オフィスが出てこないんだ(笑)。
しかし、1巻の中でほとんど環境の変化が無くなっちゃったなぁ。ま、もともと長期スパンでのストーリーを考えてなさそうだし‥‥。でもそろそろ新しい定番を作らんと辛いよな。