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(3/17)

★「COMIC 快楽天(4月号)」

ジャンル:月刊誌
発行:ワニマガジン社

 私が好きなレビューページ(リンクページ参照)で、毎回かなり良い評価を受けている雑誌。普段行く本屋ではあまり見かけなかったのだが、某大手のコンビニエンスストアで毎月置いてある所を見つけたんで、しばらく買ってみるつもり。

 さて、作品の質は、かなり高いレベルにあるな。で、各連載作品は独自の雰囲気を十分持っており、しかも全体での調和も取れている。大したものだ。

 さて、その中でも気に入った何本かを紹介してみましょう。

 「スクール」(OKAMA)
 この絵、線、カラー、いいですね。変化のある細い線、白い画面にも独特なコントラストを感じるトーンバランス。ポップで妖しいオブジェクト。まぁ、ストーリーのほうはあまり言わないが、主人公ってどっち? ^^;

 「洗う生活」(夏蜜柑)
 この雑誌は、こゆい絵よりも細くて白い画面がにあう、メンタルな面を押し出した作品群である。そんな雑誌を象徴する作品。

 「男根平次」(加藤礼次郎)」
 すっさまじいまでの濃さと強烈なキャラクターで、雑誌内では浮きまくってるのだが、それ自体で一つの世界が出来てるんでまったく問題ナシな作品。濃いわ。


(3/9)

★「豪快な歌声 '97冬」

ジャンル:CD-DA、CD-ROM、カバー
著者:オリンポス参拾弐歌神 発行:不気味社GRL

 不気味社。その筋には非常にメジャーな団体である。名前は聞いたことがなくても、「ピンクのセーラームーンスーツ」「三角マスク」「豪快な歌声」「吾妻ひでお公認」などの伝説を知っている人は多いはずだ。

 さて、この豪快な歌声シリーズ。私は知りあいから情報を入手&秋葉で購入したのだが、どんな代物かというと、古今東西のアニソン・J-POPSをテノールとバスの見事なハーモニーで謳い上げるすばらしい逸品である。
 現在まで収録されている元曲を上げてみると、「ラムのラブソング 」「老人と子供のポルカ」「ムーンライト伝説」「兄弟船」「おしえて」「魔女っ子メグちゃん」「ムーミン」「キャンディキャンディ」「サザエさん 」「銭形平次」etc・・。これを、全て男性数人のコーラスで謳うのである。

 実際にどんなものか。リンクページに不気味社へのリンクがある。そこではサンプルもいくつか聞けるのだが、取り敢えず「ムーンライト伝説」は必聴。悶絶必至である。


 実際に持っているのは、今回のタイトルのいちまいだけだが、これには新作・再録含め5曲集禄。何か少ないと思ったら、これがまた凄いおまけが付いてるんだ。

 歌よりもおまけのほうに感銘をうけたやもしれん^^;。すげぇぜ、玉砕バスター。二号でいいから欲しい。つーか作るかも、自分で。

 全国発売はしてないんで、コミケや秋葉原の一部店舗でしか手に入らないが、探す価値あり。つーか、まにきゅあ団やここ、XROGERは聴いとけ。


(3/3)

★「真夜中の弥次さん喜多さん(全2巻)」

ジャンル:コミックス
著者:しりあがり寿 発行:MAG COMICS
初版:1997/6/20・1997/10/23 購入:1998/4/15 第四刷 価格:948円(税抜903円)

 この濃さは・・・すごい。表現する言葉すら見つからない。
 分裂症のようなキャラの構成。計算つしくした上で崩壊するストーリー。目眩いと、そして感動を呼び起こす作品である。

 麻薬中毒の弥次さんと、彼の恋人喜多さん。御伊勢さんに行けば、きっと麻薬から足を洗える。御伊勢さんに行こう。というストーリー。


 現実と幻覚と、生と死と、そして夢と絶望が交錯する世界。見ているもの、感じているものが現実であれば、幻覚もまた現実。誰かにとっての現実、それは幻覚。
 「今」は現実?、唯の夢?それとも、死者の終わらない回想なのか・・・。

 否。
 現実とは、生とは、それは「今」。たといそれが誰かの妄想の世界であったとしても、戯れに産み出した意味のない世界だとしても。

 それは、現実。その中の生は、決して相対化されることの無い存在は、幻想と絶望の淵を渡りながら、夢を抱き、生きる。それが出来るから、そうしようとするから、そうしたいと願うから、命は限りないかがやきに満ちている。

 この作品の続編であり、そしてさらに高いステージに上った作品「弥次喜多 in DEEP」もあわせて、とりあえず読め。


★「宇宙おてつだい★やよいさん」

ジャンル:コミックス・SF
まんが:佐々木亮 原作:藤波智之 発行:HOBBY JAPAN COMICS DELUXE
初版:1997/2/1 購入:初版 価格:1,000円(税抜971円)

 そういや、これはまだ書いてなかったよな。この系統の作品好きだから、もう書いたと思ってた・・。

 宇宙におけるエントロピーの増大を緩和するために、厳選な選抜と過酷な試練をもって選ばれた「宇宙おてつだいさん」であるやよいさんが主人公である。

 宇宙お手伝いさんとか、宇宙電車とか宇宙お花見とか宇宙おつきみとか、ハードコアSFを連想させるキーワードではないか。洗濯物の手伝い、宇宙漫画家のアシスタント、引越しの手伝い、買出し、料理と、宇宙お手伝いの任務も過酷を極める内容である。この生と死の狭間をくぐり生きる宇宙お手伝いさんのストーリー。

 生きるためにペット(猫)を飼い、イチゴジャムを作ってあまったイチゴでイチゴ酒を漬け、ストーブにはやかんをのせ、仕事が忙しいために部屋が散らかるピンチもその気転で切り抜ける。

 宇宙おてつだいセンターで学んだ師匠との悲しい別れ、宇宙お手伝いであるがゆえに避けられない別れ。それらを乗りこえ、今日もまたやよいさんは、生きて帰れる保証のない任務に赴くのである。

 さて、多分ウソは書いてないはずだが^^;。


★「SSディッガー(全2巻)」

ジャンル:コミックス
著者:都築和彦 発行:ゲーメストコミックス
初版:1994/9/20・1995/6/10 購入:初版 価格:410円(税抜390円)

 さて、氏の作品にしては珍しくダークなストーリーである。
 と書き初めて見たが、この時期って、結構こんな感じのストーリーを書いてたな、そういえば。

 しかし、なんともはや暗い主人公だ。氏は大抵の作品で女の子に非常に力入れてて、その他のキャラ(主に男)が霞気味なのだが、この作品だけはもぉ、そんな力をも食いつくす暗さ。しかも、科白が無い(90年版)。
 全15話中6話までは90年に連載、その次が94年から再開している。さすが未完漫画家 ^^;、半端じゃない休載だ。94年版からは、主人公も少し喋るようになってきて、展開が明るくなってきたのだが、その分あのすさまじいまでの存在感と威圧感が薄れてたのは否めない。


★「余談」

 私は学生のころから「でっち上げ読書感想文」が妙に得意で、たとえば太宰治著「人間失格」の感想文、大体1/3位読んだところであまりのつまらなさにそこで打ち切って、そのまま序盤を思いっきり膨らませたテーマで感想文を書いたところ、AA評価をとってしまいました。いやー、結末すら知らない作品でもらっちゃうのも悪いとは思ったんだけど、せっかくだからもらっときましたが。
 で、ここで問題です。実はこのなかに、10Pほどしか読んでないのに書いたものが一つ入ってます。どれでしょう ^^;。

#個人的には、高橋ぴょん太著「人間合格」のほうが面白かったぞ。

★「余談その2」

 「世界の終わり萌えー」といいつつ「命は輝きに満ちている」とか、いったいどっちが分裂症じゃボケ、なこと書いてますが、どちらも真実であることは確かです。

 世界の終わり。ここでいう世界とは、どちらかというと「人類の世界」。つまり「世界の終わり」=「人類の滅亡」といった感覚で捕らえてください。
 世界の終わりは必ずあります。たうぜんですね。地球誕生から今まで、何兆種類もの生物(匹ではない)が絶滅してきました。当然人類も絶滅します。人類が永遠であるわけがありません。たとえ後何千年と生きていても、太陽の寿命があり、ほかの星系に移住したって、究極にはこの宇宙が終わるときには終わるんですから。
 当然、地球の環境が人類が生存するのに適さないように変われば、絶滅するしかありません。ところで、「環境破壊」って言葉は止めましょうよ。別に人類がちょこちょこっと毒を撒き散らしたくらいで「破壊」できるくらい自然や環境、食物連鎖ってのはやわくありません。「環境変化」ってのが適切ですな。

 閑話休題。

 もし人間が、いや生物が永遠の時間を生きることができたら。
「この仕事、今日終わらないかも」「いいじゃんべつに。100年後位には終わるでしょ」
「ページを更新するひまがない」「いいや。5,600年位ほっといたって」
今日も明日も、そして100年後も1000年後も無い世界。そんな世界では時間の存在意義は無い。なにも時間によって物事を区切る必要が無いんだから。何時間でも何年でも、何億年でも、それは何の意味も無い単位。

 限りある時間の中で、終末を運命とする生命が、終わりが約束された生命だからこそ、その生には限りない価値があるのである。




 あー、くそ、尻切れとんぼだ。もちっとうまくかければいいのだがなー。