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(Today)

★「電波オデッセイ(3)」

著者:永野のり子 発行:アスペクトコミックス
初版:1998/1/4 購入:初版 価格:619円(税抜590円)

 なんで僕は、走っているんだろう。
 なんでみんな、走っているんだろう。

 立ち止まるとそこには、ソレが待っているから。
 そこには、自分が待っているから。


 どうして欲しいの?

 判らない。

 本当は何をしてほしいのか。
 判らない。


 何が出来るの?

 判らない。

 貴方には、何が出来るの?

 判らない。

 そう。本当は判っているの。
 だって、なにもできないのだから。


 何をしたいの?

 どこか、ここじゃないところへ行きたい。

 そこでは、何をしたいの?

 判らない。
 でも、どこかへ行きたい。


 そこには、自分が待っているから。
 何を欲しているのか。何が出来るのか。どんなことをしたいのか。
 何も欲せず、なにもできず、何もしたくない、自分が待っているから。


 だって、みんなそうじゃない?

 欲しがるな。だって、そう教えられたもの。
 飛び抜けるな。だって、そう教えられたもの。
 人と同じことをしろ。だって、そう教えられたもの。

 みんなみんな、そう教えられたんだもん。


 そうだよね。
 教えられたんだもん。
 教えられたことをそのまま覚えて、その通りにして、それを言い訳にしていれば、楽だもの。
 自分で何も考えなくていいんだもの。
 ただそこに居るだけで、何もしなくたって、それを言い訳にしていれば、何も悩まなくていいんだもの。
 自分で何も考えずにいることを、自分のせいにしなくていいんだもの。
 誰かにしてもらって、失敗したら誰かのせいにして、面白くなかったら誰かのせいにして、どうしようもなくなったら誰かのせいにして、自分は悪くないんだもの。

 貴方が。
 そんな貴方がそこに居なくても、きっと誰も気にしないけどね。
 もしかしてそこに居ても、だれも気にしてないかもね。


 何で僕は、走っているんだろう?
 何でみんな、走っているんだろう?

 きまってんじゃん。
 あの先には、いいものが待っているからにきまってんじゃん。

 誰が、教えてくれたの?

 誰も教えてくれてないよ。
 誰も教えてくれてないってことは、それはとってもいいものに決まってるよ。
 誰も教えてくれないから、それはとってもいいものなんだから。

 それでね、ひょっとしたらその先にも、


★「てきぱきワーキン(はーと)ラブ(3)」

著者:竹本泉 発行:アスペクトコミックス
初版:1998/1/4 購入:初版 価格:409円(税抜390円)

 え〜、ピカソの本名、やっと発見しました。
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・ディ・パウラ・ ジュアン・ネポムシーノ・マリア・ディ・ロス・リメディオス・ クリスピン・クリスピニアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ ルイース・イー・ピカソ」
 うーん、ちょっと二三ヶ所欠けてる程度かな<てきワラ2。細かい発音の違いはあるけど。

 ってゆーか、表紙のエダルト絶対ヘン。ナオミと同じ顔(って、それは禁句か?^^;)。

 肩こりの治る薬の話しと、キスのうまさを判定する機械の話し、あとじーく菜不機嫌な話しがよいっすね〜。特にじーく菜はかあ〜い〜。無理矢理お風呂に入れられてる時の表情がも〜、もきゅきゅきゅ〜ってかんじ〜。キスのうまさも84点だしね^^;。

 でも、別に部屋が散らかってたって、死なないと思うぞ。


★「ちいさなのんちゃん」

著者:永野のり子 発行:アスペクトコミックス
初版:1998/1/4 購入:初版 価格:672円(税抜640円)

 永野のり子のおやばか日記・エッセイマンガ。産経新聞に連載されていて、単行本は既にあきらめていたらまさかのアレ。うーん、アスキーLOVE ^^;。

 そう、このマンガはたった一言、「すげぇソリ」・・、じゃなかった「『親』がバカじゃなくってどうするよっなあ!!」に集約されるですな。

 あぁ、君にLOVE!!


★「男の一枚 レッド・カード (3)」

著者:島本和彦 発行:角川コミックA
初版:1998/1/1 購入:初版 価格:609円(税抜580円)

 多分これはサッカーマンガだ。きっと。作者が書いているから間違いあるまい。
 いかんせんサッカーマンガとはほど遠いストーリー。うむ。

 ただ、ストーリーが、そこはかとなく逆境ナインの焼き直しのような気が・・。しかも、あの強引で無茶苦茶な展開を全て食いつくし「名作」の名を恣にした「熱さ」が甘い。はっきりいってぬるい。
 構成的には「熱い」科白もあるのだが、いかんせんその前までの展開がその科白に向かって盛り上がってない。テンションが高まる前に熱い科白を聴かされても、「あ、っそう」としかならんのだ。

 さらに、へなへなな後書きがそれを増幅してくれるし・・・。コミックでやるネタじゃないよなぁ、あの後書きは。


★「カイジ (10)」

著者:福本伸行 発行:ヤンマガKC
初版:1998/1/7 購入:初版 価格:530円(税抜505円)

 今月前半のコミック不作は、いかんせんともな物がありますな。
 そんな訳で、少しメジャー系で水増しします。

 心理状態のせいなのか、それとも本当にそうなのかは判らないが、なんかここの所辛い評価ばっかりだ。気をつけて。

 はっきりいって、支離滅裂な内容だ。面白さを小出しにしてきたあげく、その面白さがつきたのに気がつかないで、ネタを小出しにし続けているという、いい例だ。
 たるい。ネタが面白くない。展開遅い。ム〜。


(1/22 ??)

★「黒豹スペースコンバット(上)(中)(下)」

著者:門田泰明 発行:光文社文庫
ジャンル:小説・ハードボイルドSF、実はスクランブルエッグ ^^;
初版:1988/10/20 購入:1988/11/5 5版

 この本、「トンデモ本の世界」で紹介されていて、ぜひ読んでみたいと思っていた所、親の本棚に発見してしまいました^^;。
 そんな訳で、上中下の三巻一気読み。

 感想。「最近のハードボイルドSF小説ってのはこんなもんでいいらしいです」
 個人的にはハードコアSFが好きなものだから、いろいろな描写に対して突っ込みたいこと色々。と言ってもまぁ、その辺の科学考証(初歩的な物理学)を除くと、それなりにまともな小説ではあるんだけど、一応。

 アクションシーン。
「ベレッタを、ドンドンドンと撃つ」
「地面に伏せていた三つの影が、拳銃を撃つ撃つ撃つ」
 この迫力があるんだか無いんだか判らんトホホな描画が、あらゆる、本当にあらゆる戦闘シーンで使われてます。もうこの主人公、世界中の人間から嫌われてるとしか思えませんな。どんな山の中でも、どんな国でも、果てはホテルの部屋でボーイに、エレベータ、ダンス・バー(??)の中、HIIIロケット発射場、揚げ句宇宙空間や月内部、あらゆる場所で襲われます。そのたびに愛用のベレッタで死体の山を築いて行く主人公。ま、お決まりと言えばそうなんだけど、いかんせん描写がえれ〜単調で。

 そして、大本命の宇宙シーン。
 「HIIIロケットがエンジンを停止するや、黒木の手元でベレッタがドンドンドンドンドンッと牙をむいた。ハイ・パワーの炸薬を用いているため、強烈な反動が、黒木の手首と肩をたたいた」
 ウソつけ^^;。そんな作用反作用の基本的な物理法則を無視した描写、今時小学生向けのマンガにも出てこんぞ。

 「次の瞬間、相手の先端部から一条の紫色の光線が、シャッっと発射された。真空中だというのに、それはたしかにシャッと言う音がしたように感じられた。MMUがガスを噴射し、黒木を斜め上方に押しあげた。黒木は(しめた・・)と思った。どのような性質を帯びた光線かは判らなかったが、妙に重く感じられる。かなりスピードの遅い光線であった。あるいは光線ではなく、熱線なのかもしれない」
 スピードの遅い光線!紫色の熱線!なんて秀逸な描写だ!。熱線は目で見えないと思うぞ。もし見えたとしても、紫色じゃ殆ど実用にはならんな。ちなみに、レーザも宇宙空間では見えません、軌跡すら。ミノフスキー粒子を撒くのなら別だが^^;。

 「急速に遠ざかる黒木を、追いかけようとしてか、少し前進した未確認飛行物体がぐらりと傾いた。徹甲弾が効いているのだ」
 う、宇宙空間でぐらりと傾く未確認飛行物体・・。なんて真に迫る描写^^;。

 他にも、日本上空にいる気象観測・通信用静止衛星の「傍らを米ソのスパイ衛星が極めてゆっくりとしたスピードで通過して行った」とか、普通のSF小説では絶対に見られない描写がふんだんにちりばめられており、なかなか楽しめる作品であることは確かだ。