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(2001/2/7)
「ゲームコラム10」
「里見の謎」
さて、先に書いておこう。わたくしこのゲームめちゃめちゃいいゲームやと思ってます。せやなかったら4周も5周もプレイしません(笑)。
特徴。スーパーファミコンにも劣るしょぼいグラフィック、いまどきメニューが全部1byteひらカタ、無茶な戦闘バランス、そして強引で自己中心的で無理無茶無駄なストーリー展開などなど。
バカゲーレビュでは定番になってるこのゲーム。でも、PS2を買って最初にプレイしたのがコレだったと言うことからも判るように、このゲームは面白いねん。
実際、レビュページなんかを読んでも、シナリオやらグラフィックにいろいろツッコミを入れてはいるが、「面白くない」「ダメゲー」という評価は非常に少ない。
私も、動作は重くてシナリオでは下らない説教を延々聞かされてあげくゲーム性最悪な昨今のRPGなどに疲れた時、よく引っ張り出してやってたりします。特にFF8の時なんか、何回途中で嫌になって気分転換に里見を起動したことか‥‥。多分、FF8を(取り敢えず)最後までプレイ出来たのは、里見のおかげと言っても過言ではない。いや、それはたぶん過言ですが。
さて、このゲームの一番の特徴といえば、汚いグラフィックPSゲーの中ではトップを争うほどの快適な操作性とセーブ速度でしょう。特にセーブ速度は、「サターンで動いてるんか!?」と錯覚させるほど早い。
●新機能F・E・C・S(フラッシュ・エンカウント・コントロール・システム)による、従来のCD-ROMの常識をくつがえす、マップからバトルへの瞬時の切り替え!
いや、確かにマップ移動や戦闘ではROMカセット並みのシーク速度なのだが、むしろあのグラフィックで戦闘ごとにシークされたら逆に不安になるけど(笑)。
戦闘。D.C.B.Sシステム(Sがシステムだからヘンだな‥‥)による快適なインターフェイス。まぁ早い話が□/△/○ボタンを同時押し連射してるだけなのだが。戦闘中の回復方法はマニュアルを読まないとまずわからない、回復にアイテムを使うか術を使うかをフィールドで選べない、等若干の難点はあるが、少なくともFF9のエンカウント-戦闘開始の時間で三回は戦闘をこなせるし、ストレスはない。
シナリオもセリフもストレートすぎてトンデモなのだが、よく考えれば、他の正統RPGだって言い回しがちょっと重厚だったりここまで露骨に出してないだけで、結局言ってることはトンデモない訳だしな。それに、余計なフラグ立て作業の連続でちっともゲームにならないよりはましだし(例:シェンムー)。
しかしこのゲーム、よくよく考えると、実は「MOTHER」を狙ってたんじゃないかと思う訳でして。MOTHERって、一歩間違えればトンデモない電波系作品と言われたっておかしくない代物なのだが、しかし、今じゃMOTHER・2共にファミコン時代の名作RPGとしてDQ1/2/3と並んで評価される逸品となっているしな。
ひょっとしてサンテックジャパン(メーカ)は、昨今の力業だけに頼りゲームとして「役割演技」という本来の意味を忘れた多くのゲームに対するアンチテーゼとして本作品を作ったのかもしれない。
かつて、DQ1で感じた「勇者と呼ばれる者のストーリーを自分で作る」感覚、MOTHERで感じた「訳のわからん世界を遊び回る」感覚、ゼルダの伝説で感じた「工夫と謎解き」の面白さ。
本作品は、一本道のクセに無駄なボリューム、操作も出来ない退屈なムービーがはびこる昨今のRPGに一石を投じた作品であり、その正当なる評価を受けるに値する作品ではないだろうか。
無いですか。
そうですか。
やっぱり。