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ミクロシスチンの毒性 | |
藍藻類のミクロキスティス Microcystis属、アナベナAnabena属には、カビ臭の原因となるばかりでなく、肝臓ガンのプロモーターとなる藍藻毒素ミクロキスチン Microcystinを生産する種が含まれています。 ミクロキスチン(MC-LR)の毒性の強さ(LD50)は50μg/kg(青酸カリの200倍毒性が強い)であり、フグ毒(テトロドキシン、8μg/kg)より毒性は弱いですが、肝臓ガンの発ガン促進作用があることから、フグ毒よりも危険な毒素であるといえます。水道基準の目標値としては、ミクロキスチン-LRは0.0008mg/L以下(暫定)です。 海外では、藍藻毒素を含んだ水を飲んだり触れたりすることなどにより、人体や家畜等に被害が発生していることが報告されています。 |
人体への影響 | |
ハワイ、オアフ島海岸で遊泳する人が、海産藍藻類Lyngbya majusculaと接触することにより皮膚炎を起こすことが有名な事例として知られています。日本でも、1968年に沖縄本島の具志川海岸で遊泳していた学童が集団で皮膚炎になったことが報告されています。 アメリカ、オーストラリア、イギリス、ネパールなどでは、湖沼やダム湖で発生する淡水藍藻類により、胃腸炎、肝炎様症状、頭痛、吐気、目の炎症、発疹、血小板の減少、長期間の下痢などの人体への影響が報告されています。 ミクロキスチンはこれらの症状を引き起こす他に、肝臓ガンのプロモーターとなることから、WHOやオーストラリアでは飲料水中のガイドラインを設けています。 なお、ミクロキスチンが人体へ入るルートは、上水の飲用の他に魚・野菜などの食物経由があります。例えば、有毒藍藻類を多く含むかんがい用水を使用した野菜は、ミクロキスチンを吸収していたり、葉に付着していたりします。このような野菜を食べることで人体へミクロキスチンを取り込むことになります。 |
プランクトンネットによる藍藻類の採取 | エックマンバージ採泥器による底泥の採取 |
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