墓石選びにはこのポイントをチェック
墓石の形、大きさの決定には個人の好みが最優先
 お墓は本来、仏さまを拝んで仏法に帰依するという仏塔としての意味がありました。  ですから、昔は仏さまを勧請する仏塔として墓石には戒名を刻み、その上に梵字(サ ンスクリット文字)や仏像が彫られていました。現在では戒名の代わりに◯◯家之墓、 梵字や仏像の代わりに家紋が彫られるようになりました。
 したがって、今日のお墓には仏塔としての本来の宗教概念はなく、形だけが残ったわ けですから、その形にこだわる必要はなくなっているのです。最近、個性的なニューデ ザインのお墓が、見られるようになってきたのもその表われでしょう。
 しかし、一般的に多く見られるのは角柱塔型の和型と、横幅が広く奥行きが薄い洋型 です。お墓の大きさを表す単位は尺寸法(1尺は30センチで計算される)が用いられ ており、石材店の店頭、あるいはパンフレット等に八寸型、九寸型といった具合に表示 されています。
 和型の場合、九寸型というのは竿石(角柱)の太さが九寸角である(八寸なら八寸角) ということを表しており、竿石のサイズが決まると上台、中台、芝台等々の寸法は自動 的に決まる仕組になっています。
 しかし、同じ九寸型でも、竿石の太さはどこでも九寸ですが、上台、中台、芝台等々 のサイズは都道府県によって多少異なります。
 洋型の場合は、横幅の長さで大きさを表しますが、江戸時代からある和型と違って歴 史の浅い洋型には、統一された規格はありません。
 では、墓石の大きさや型は何を基準に決めたらよいのかという問題ですが、これにつ いては先ほども述べたとおり、まったくこだわる必要はありません。
 大きいからよいというものではありませんし、墓石の色や型によって吉凶が定まると いうことでも決してありません。墓地の大きさと釣り合いのとれた型、自分の好きな石 で、お建てになられたらよいと思います。
 また、生前にご自分のお墓を建立される方は、自分好みの自分らしいお墓をデザイン されるのもよろしいのではないでしょうか。
 大切なのは形とか大きさではなく、ご自分と家族の満足が得られるお墓づくりを心が けることです。なお、墓地によっては大きさや高さなどに、基準が設けられている場合 がありますのでご注意下さい。
 
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