北アの山々秋と冬同居

信濃毎日新聞 掲載

平成17年10月25日(火)


 高度約三千三百b、上空から望む初冠雪の北アルプス。二十四日、両耳を立てたような鹿島槍ケ岳の頂をはじめ稜線(りょうせん)付近はすっかり雪に覆われていたが、山腹の木々は赤や黄に染まりまだ秋の風情だ。二つの季節が短い間、同居している。

 県内は南部と山沿いを除いて晴れ間が広がった。安曇野から眺められる常念岳など通称「前山」は山頂がかすかに白くなっているだけだが、奥にそびえる槍、穂高などはすっかり冬の装いをまとっている。

 北ア最北部の白馬岳付近は一面、やや厚めの雪に覆われた。営業を終えた山頂直下の白馬山荘も雪に埋もれかけたように見える。

写真:鹿島槍ケ岳(手前右)、五竜岳など初冠雪で白く装いを変えた北ア北部の稜線(りょうせん)。左後方は白馬三山=24日午前9時40分