チョウゲンポウ保護へファンクラブ

中野市教委設立準備

繁殖地調査、観察会も

信濃毎日新聞 掲載

平成17年10月18日(火)


 中野市教育委員会は、市内の国天然記念物「十三崖(じゅうさんがけ)のチョウゲンボウ繁殖地」の維持管理活動や観察会に携わる市民ボランティア組織「十三崖チョウゲンボウファンクラプ(仮称)」を設立する準備を進める。貴重な自然環境を守るため、支援のすそ野を広げていく考えだ。

 市教委は昨年、営巣数が減っている繁殖地の環境整備のため研究者らによる検討委員会を設け、巣穴を覆う樹木の伐採など検討委の整備計画を今年、報告書にまとめた。
望ましい環境維持を目的にした市民組織の設立は中長期的保全計画として、報告書で提言されていた。

 報告書に基づき、市教委は十一月から樹木伐採などを始める予定で、実際の整備事業に意見を寄せる、検討委とほぼ同じメンバーの環境整備委員会(委員九人)を十四日に設けた。初会合で市教委が「ファンクラブ」構想を説明した。

 予定している活動は、チョウゲンポウが繁殖地に飛来しない秋に行う現地の枝切りなどの作業や勉強会、繁殖地の調査。
現段階で、会員は県内外の小学生以上、会費は無料、活動資金は何らかの助成金を想定している。
来年以降の設立を目指すという。

 初会合では、ファンクラブについて、委員から「(肉眼で見づらい)チョウゲンボウに会員が親しんでいくには、望遠鏡や双眼鏡の用意を考える必要がある」「(地域づくりの支援に向けた)県のコモンズ支援金を活動費に充てられるのではないか」といった意見が出た。