「世界の屋根」に鉄路完成

中国チベット振興を誇示

信濃毎日新聞 掲載

平成17年10月16日(日)


 【北京15日共同】中国政府は十五日、青海省ゴルムドとチベット自治区ラサをつなぐ青蔵鉄道(全長千百四十ニキロ)のレール敷設が完工したと発表した。二〇〇六年七月に仮運行を開始、〇七年七月に旅客輸送を始める予定。

 今年はチベット自治区成立四十周年で、中国政府は同鉄道が主要プロジェクトの一つとなっている内陸部振興策「西部大開発」の成果を内外に誇り、チベット統治の正当性を強調していく構えだ。

 国営通信の新華社は同鉄道によって「物流が盛んになり経済振興が進展する」と指摘。チベツト族と漢民族などの交流活発化に期待を示し、漢民族の移住促進で自治区の融和政策を強化する政府方針を確認した。

 青蔵鉄道は〇一年月六月に着工。「世界の屋根」チベット高原を縦走する路線の平均標高は約四千五百bに達するため、工事では「作業員ら数十万人が高山病を患った」意に達する毫工一(新華者)という。

写真:中国チベット自治区のラサと青海省ゴルムドを結ぶ青蔵鉄道の路線=8日、同省で撮影(AFP=時事)