乗鞍岳落石で一部に連絡遅れ

携帯も連絡網に

松本市教委報告に市会側

信濃毎日新聞 掲載

平成17年10月12日(水)


 北アルプス乗鞍岳で松本市清水中学校の二年生が落石事故に遭い四人が重軽傷を負った六日の事故について、松本市教育委員会は十一日、市議会教育民生委員協議会に事故の概要を報告した。事故当日、不在だった一部の保護者に連絡が遅れたとの報告があり、委員から携帯電話の活用を含めて緊急時の連絡網のあり方を見直すよう求める声が出た。

 市教委によると、事故発生から二十分ほどたった午後零時五十分すぎ、現場から清水中に連絡が入った。同校は、けがや気分が悪くなった生徒の保護者を対象に、学校だけが把握する緊急連絡先へ電話連絡した。

 ほかの保護者には通常の電話連絡網を使用。不在だった保護者もおり、一部への連絡は午後六時ごろになったという。

 同協議会で市議の一人は「携帯電話の番号が記載されている緊急時の連絡網を整備すべきだ。その際は、保護者が個人情報保護法を拡大解釈して番号を提供しないことがないよう、理解を求めてほしい」と市教委に求めた。竹淵公章教育長は「保護者の立場に立った連絡網のあり方を考えたい」と述べた。

 清水中の花岡豪校長は「通常の連絡網では今回、時間がかかり、事実が正確に伝わらなかった面もあった。緊急時の連絡態勢を検討したい」と話している。