落石の登山道使用継続方針

乗鞍岳森林管理署

信濃毎日新聞 掲載

平成17年10月8日(土)


 長野と岐阜県境の北アルプス乗鞍岳・剣ケ峰で松本市清水中学校の生徒四人が重軽傷を負った落石事故で、林野庁の中信森林管理署(松本市)と飛騨森林管理署(岐阜県高山市)は七日、落石現場を確認した。

 両署は、今後も落石が起きる可能性はあるとみているものの、付近の岩は比較的安定していると判断。落石があった登山道をこれまで通り使用する方針を決めた。近く、落石への注意を呼ぴ掛ける看板を剣ケ峰登山道沿いにある「肩の小屋」付近に設置する。

 中信森林管理署によると、落石現場は山頂から約三十b下った所。周辺の岩を手や足で押して調べたが、ぐらつく岩はなかったという。安全確保と自然保護のため、現場付近の登山道両側に張ってあるロープの幅を狭め、登山者がはみ出ないようにした。

 一方、松本署は事故のあった六日午後に実況見分を終えており、七日は清水中学校の引率教員から事故当時の状況を詳しく聴いた。同校は七日、クラスごとに教員が事故の概要を生徒に説明し、動揺しないよう呼ぴ掛けた。