北ア秋晴れ紅葉見ごろ

錦に染まる涸沢

信濃毎日新聞 掲載

平成17年10月4日(火)


 標高約二千三百b、北アルプス・涸沢が紅葉の見ごろを迎えた。三日はぐずついていた天気が回復して終日、青空。県内外からの登山客が、八分ほどに染まった秋のカールを満喫した。

 涸沢ヒュッテ付近の午前五時半の気温は三度と、氷点下まで冷え込むこの時期にしては暖かい朝。青森市から会社仲間三人と訪れた小林登志男さん(50)は「昨日は霧と雨で大変だったが、今日はきれいな景色を見ることができ、来たかいがあった」。十月最初の日曜の二日から大勢が入山し、山小屋は二百五十人を超え満員。テントも五十張りが並んだ。

 ナナカマドの赤、ダケカンバの黄、ハイマツの緑が織りなすコントラストは、カール中腹からヒュッテの下まで広がる。
夏から気温の高い日が続いたため紅葉は例年より一週間ほど遅く、洞沢ヒュッテ社長の山口孝さん(57)は「ピークは八日からの三連休。中旬ごろまで楽しめそう」と話している。

写真:さわやかな秋晴れの下、錦に染まった洞沢カールは熟心に撮影する人たちでにぎわった=3日午前8時半